第8回 ザザの教えを超えて(最終回)

ザザが教えてくれること

更新日 2020.07.17
公開日 2015.12.02
  • Facebook
  • LINE
  • Pinterest

 ザザの物語は多くのことを教えてくれます。戦争や紛争が人間から正気を奪うこと、人道の精神の基本はまず命を守るということなど。しかし私が何より教えられたことは、人間は、あるいは人類は、一つのDNAによって脈々と繋がっている――そのことを強く感じることが大切なのだということです。家族の絆、例えば親兄弟との絆は、今後脈々と繋がっていくためのいちばん最初のものなのでしょう。そう思うと、身近な人がとても大切でいとおしい存在になりました。アフリカの少年兵は(アフリカでなくてもですが)決して無縁の人ではない。戦争や紛争時の性暴力も他人ごとではない、そんなふうに思えるのです。

 「14歳の兵士ザザ」の出版を通して、出版というメディアに携わっている者としての社会的使命を自覚しろとも教えられたような気がします。今後私自身が“人道”とか“人権”という命に係わる大きなテーマの出版に携われるかどうかはわかりません。けれどもそれが「私」であっても「私たちメディア」であっても、伝えていくべきテーマが厳然と存在することに変わりはありません。それらをいかに身近で印象的に伝えることができるか? また人の心の機微をうまく織り交ぜ、感動的に届けることができるか…? そういう使命だと思います。
 この本を是非手にとってみてください。

 今回の出版はスパイスコミニケーションズ、赤十字国際委員会、学研プラス(旧社名学研パブリッシング)が主催する「MANGA×ひとのチカラキャンペーン」の一環として行われました。

(編集担当者)

 

作品紹介

14歳の兵士ザザ

ジュネーブ条約上ではいてはならない14歳以下の「子ども兵士」。しかし現実に世界の紛争地域に存在する。そこで1人のマンガ脚本家が赤十字国際委員会から許可されたジャーナリストとして、アフリカの紛争地域を取材。解決の糸口を探った渾身のジャーナルコミック。
作・大石賢一
漫画・石川森彦
監修・赤十字国際委員会
¥1,200+税/学研プラス
(旧学研パブリッシング)

 

バックナンバー

  • Facebook
  • LINE
  • Pinterest

あわせて読みたい