第5回 レイプされて授かった命、それも同じ命

ザザが教えてくれること

更新日 2020.07.17
公開日 2015.11.09
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 人道支援における「中立」の重要性を実感した神田は、懸命に取材活動を続けていました。

 一方、武装勢力の首領ギグニの住居で姉ララの香水のついた生地を発見したザザは、自分たちが利用されていたことに気づきます。ララは幼なじみに殺されたのではなく、武装勢力によって誘拐されたのです。誤解を解いたザザは、敵対していた幼なじみと和解し、自分を兵士として育てた首領に復讐を企てます。

 ところで、紛争地域では、”敵味方“の構図が複雑です。いわゆる1対1の対立構造ではないことが多いのです。例えば、政府軍の支援組織の中にも反逆分子がいたり、反政府勢力の中にも部族間での対立が内在していたり……そしてそれらの関係が時々刻々と変貌していたりするのです。

 ともかく、故郷の村を全滅させ、母と姉の命を奪った(この時点ではまだそう思っている)ギグニ一味をザザは撃ちに行きます。

 ひたすらザザを探していた神田は、ついに彼を見つけます。知らせを受けた姉のララも銃撃戦の現場に駆けつけます。

 姉との再会! しかし喜びもつかの間、再び銃を構えるザザ。父、妹、そして最愛の母を殺した連中を許すわけにはいかない…。その時、ララは涙ながらに訴えます。

「……いま私のお腹には子どもがいるわ!……男性たちが殺されたあと、たくさんの女性がレイプされるのを見たわ。幼女からお年寄りまで……そして私も同じ」

 その言葉は、ザザの心を撃ち抜きます。ララはレイプされて授かった命の母なのでした。父親は誰なのかわかりません。しかしララは、その子を産むと決意したのです。彼女にそこまでの決意をさせたものは?

 ララの言葉は続き、物語はクライマックスを迎えます。

(編集担当者)

 

作品紹介

14歳の兵士ザザ

ジュネーブ条約上ではいてはならない14歳以下の「子ども兵士」。しかし現実に世界の紛争地域に存在する。そこで1人のマンガ脚本家が赤十字国際委員会から許可されたジャーナリストとして、アフリカの紛争地域を取材。解決の糸口を探った渾身のジャーナルコミック。
作・大石賢一
漫画・石川森彦
監修・赤十字国際委員会
¥1,200+税/学研プラス
(旧学研パブリッシング)

 

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