組織の中で仕事をすることにおいて、決定権はそもそも部下にはありません。
説得の作戦を変えたとしても、仕事では上司が「やりたくない」と言うこともあります。
ここで、「上司は頭がかたい」と文句を言うのは時間のムダです。
退却するのも、決断です。
それよりも、ほかに自分がやりたいことをボンボン言って、やりたくない上司に通る穴を探せばいいのです。
1つのことを、ゴリ押ししないことです。
僕も作家として、編集者に「やりたくない」と言われれば終わりです。
そうならないように、編集者と自分のペアになるアイデアを無限に出し続けます。
これは、僕がガマンすることではありません。
やりたいことが、たくさんあるからです。
その中から、ペアになることを見つければいいだけです。
僕がやりたいことをゴリ押しして編集者にガマンさせて本を出しても、結果はうまくいきません。
決断力があるということは、1つのことにグジグジ滞留しないということです。
「これはあまり好きじゃない? じゃ、これはどうですか」と、呉服屋の若旦那のように、無限に反物を出し続ければいいのです。
中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)
1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。
■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/
作品紹介
決断できる人は、うまくいく。
チャンスをつかむ「決める」習慣68
決断できる人は、仕事も、恋愛も、人間関係もうまくいく。決断力をつけることで、チャンスをつかむ69の方法。
定価:本体1,300円+税/学研プラス
バックナンバー
- 選んだほうが正解になるように、 選んでから、工夫する。
- 2回同じことを言わないことで、 決断力がつく。
- 1つ決断すると、次々と決断できる。 1つ保留にすると、次々と保留になる。
- 決断の基準は、成功ではなく、 希望が生まれることだ。
- デメリットの差ではなく、 メリットの差で選ぶ。
- 正しい判断をした人より、 早く決断した人に、人はついていく。
- 社会には、○の答えはない。
- 人生は、クイズ番組だ。 様子を見ていたら、答える権利がなくなる。