選択肢を減らす時に、「これは○○だから、ない」「これは××だから、ダメ」と、消去法で消していく人がいます。
結局、最後に残ったものに納得がいかなくなるのです。
決断できる人は、メリットの差で決めます。
決断できない人は、デメリットの差で決めます。
デメリットで決めるのが、消去法です。
メリットで選ぶのが、選択であり、決断です。
消去法で決める人は、一緒にごはんを食べに行ってもつまらないのです。
メニューが2個しかないということはありません。
たとえば、4通りのメニューがあった時に、「これは今日のお昼に食べた」「これはカロリーが高そう」「これはちょっと……」と言って、最後に残った 1つに「これでいいや」ということになるのです。
そういう選ばれ方をされると、一緒に行った人は楽しくなくなります。
せっかくお店に連れていってあげたのに、自分が消去されている気持ちになるのです。
テレビのクイズ番組は、トーク番組です。
3択問題では、選んだ理由を語り合うのが楽しいのです。
ディレクターから、「理由を消去法にしないでください」と指示されます。
見ている人がつまらないからです。
「これは○○だから違う」「これは××だから違う」と消していっても、残ったものに納得できないのです。
僕の一番の理想形は、自分の答えに説得力を持って理由を語り、しかも正解でないことです。
A・B・Cの3択問題でCを選んだ時に、AとBのどこが間違いかを語る人は決断力がなくなります。
発想が、消去法だからです。
Cのどこが正解かを語ることで、決断力がつくのです。
中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)
1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。
■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/
作品紹介
決断できる人は、うまくいく。
チャンスをつかむ「決める」習慣68
決断できる人は、仕事も、恋愛も、人間関係もうまくいく。決断力をつけることで、チャンスをつかむ69の方法。
定価:本体1,300円+税/学研プラス
バックナンバー
- 選んだほうが正解になるように、 選んでから、工夫する。
- 2回同じことを言わないことで、 決断力がつく。
- 1つ決断すると、次々と決断できる。 1つ保留にすると、次々と保留になる。
- 決断の基準は、成功ではなく、 希望が生まれることだ。
- 退却するのも、決断だ。
- 正しい判断をした人より、 早く決断した人に、人はついていく。
- 社会には、○の答えはない。
- 人生は、クイズ番組だ。 様子を見ていたら、答える権利がなくなる。