「判断」と「決断」とは、まったく違います。
判断は、○と×から○を選ぶことです。
小学校でよく出てくる「次の4つのうちから正しいものを1つ選びなさい」というのが、判断です。
小学校のテストは、すべて判断のテストです。
そのまま世の中に出てきても、通用しないのです。
世の中には、○はありません。
すべてが、間違っています。
○は、メリットだけがあることです。
×は、デメリットだけがあることです。
△は、メリットとデメリットがあることです。
世の中は、△だらけです。
デメリットのないものを探しても、見つからないのです。
小学校で○を見つけるのが得意だった優等生は、社会に出ると決断力がなくなります。
○を探そうとするからです。
逆に、小学校時代に○を見つけられなかった劣等生は、○にこだわりがないので、少々デメリットがあることにも平気です。
決断とは、△と△から選ぶことです。
「デメリットがあるもの」と「デメリットがあるもの」の2つの中からどちらを選ぶかが、決断です。
「判断」と「決断」は、まったく違うことをやっているのです。
うまくいく人は、判断できる人ではなく、決断できる人です。
判断しようとすると、いつまでも決断できなくなります。
世の中には、デメリットがなく、メリットだけのものはないのです。
中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)
1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。
■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/
作品紹介
決断できる人は、うまくいく。
チャンスをつかむ「決める」習慣68
決断できる人は、仕事も、恋愛も、人間関係もうまくいく。決断力をつけることで、チャンスをつかむ69の方法。
定価:本体1,300円+税/学研プラス
バックナンバー
- 選んだほうが正解になるように、 選んでから、工夫する。
- 2回同じことを言わないことで、 決断力がつく。
- 1つ決断すると、次々と決断できる。 1つ保留にすると、次々と保留になる。
- 決断の基準は、成功ではなく、 希望が生まれることだ。
- 退却するのも、決断だ。
- デメリットの差ではなく、 メリットの差で選ぶ。
- 正しい判断をした人より、 早く決断した人に、人はついていく。
- 人生は、クイズ番組だ。 様子を見ていたら、答える権利がなくなる。