テレビのクイズ番組で、文化人対お笑い芸人で勝負しました。
圧倒的に、文化人が負けました。
理由は、簡単です。
ボタンを叩くのが、遅いのです。
文化人は、正解を言おうとしています。
それに対して、お笑い芸人は映ろうとしているのです。
人生では、圧倒的に「映る」ことが大切です。
文化人は、永遠に答える権利を得られません。
あながち正解に近いことを知っているから、考えてしまうのです。
正解に近い人間がうまくいくというのは、逆です。
正解から遠い人間が、結果としてチャンスをつかみ、うまくいくのです。
先に、ボタンを押したほうが勝ちです。
僕は、クイズ番組に出ているうちに、一皮むかれました。
正解を思い出してからではなく、「思い出せるに違いない」という段階で決断して、ボタンを押します。
2番に押したのでは、間に合わないのです。
人生も、クイズ番組のようなものです。
スピードの勝負であり、どれだけ映ったかの勝負です。
正解を知っていることよりは、ボタンを押すことのほうが大切です。
いくら正解がわかっていても、様子を見ていたらチャンスはつかめないのです。
中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)
1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。
■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/
作品紹介
決断できる人は、うまくいく。
チャンスをつかむ「決める」習慣68
決断できる人は、仕事も、恋愛も、人間関係もうまくいく。決断力をつけることで、チャンスをつかむ69の方法。
定価:本体1,300円+税/学研プラス
バックナンバー
- 選んだほうが正解になるように、 選んでから、工夫する。
- 2回同じことを言わないことで、 決断力がつく。
- 1つ決断すると、次々と決断できる。 1つ保留にすると、次々と保留になる。
- 決断の基準は、成功ではなく、 希望が生まれることだ。
- 退却するのも、決断だ。
- デメリットの差ではなく、 メリットの差で選ぶ。
- 正しい判断をした人より、 早く決断した人に、人はついていく。
- 社会には、○の答えはない。