一度頼まれたことは、 「いつもの」でわかるようになる。

中谷彰宏『かわいがられる人は、うまくいく。』セレクション

UPDATE 2020.07.20
公開日 2014.11.20

 僕が新入社員の時、上司の「タバコを買ってきて」が最初の仕事でした。
 徒弟制の一番大切な仕事です。
 おつりがおこづかいになります。
 上司は、いらないタバコをわざと頼むのです。
「これでお茶でも飲んでこい」と言うと、お金を渡していることになってイヤらしくなります。
「タバコ買ってきて。おつりはコーヒーでも飲め」という流れをつくるために、いらないタバコを買いに行かせるのです。
 タバコを買ってくるやりとりで、上司と部下、師匠と弟子の関係が、より緊密で、よりファミリーになります。
「タバコを買ってきて」と頼んでおこづかいをあげるプロセスで、関係を強めたりしながら、この人間はどれぐらい仕事ができるか無意識に試しているのです。
 テストしているわけではなくても、結果としてテストになっています。

「タバコを買ってきて」と頼むと、
 A君 「今ですか」
 B君 「はい、わかりました。買ってきます」
に対応が分かれます。
「今ですか」と言うA君は、ヤル気がないのです。
「イヤだったらいいよ」と言われて予選敗退です。

「買ってきます」と言うヤル気満々のB君とC君の2人がいたとします。
「銘柄は」と聞いたら脱落です。
 前も頼んでいます。

 タバコの銘柄は変わりません。
「今日は別のタバコを吸ってみたい」と言う人はいないのです。
 数を聞く人も脱落です。
 一度頼まれたことは、自分のヒストリーの中に入れて覚えておくことが大切なのです。

 

中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)

1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。

■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/

作品紹介

かわいがられる人は、 うまくいく。
エコヒイキされる68の方法

「かわいがられる人」は、仕事でも、恋愛でも、チャンスをつかむ。「かわいがられる人」になるための、コツを紹介する。
定価:本体1300円+税/学研プラス

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