「この部下に仕事を任せたい」と思われる分かれ目があります。
「あの書類、あるか」と言われた時に、10秒以内に出せることです。
すぐに「はい」と出せる人がチャンスをつかみます。
好き嫌いではないのです。
どの書類を言われても10秒以内に出せるようにしておくことが、チャンスをつかむコツです。
これが「すぐやる」ということです。
10秒以内に出せない書類は、役に立ちません。
ほかの誰かが出してしまうからです。
仕事ができるかどうかではありません。
書類を待てる時間の限度は、10秒です。
10秒以上たつと「じゃあ、いいや」と言われます。
こう言われたらおしまいです。
「じゃあ、いいや」と言われるまでにできるかどうかで、チャンスをつかめるかどうかが決まります。
「○○の企画書ある?」と電話で言われて、「今探しますので少々お待ちください。かけ直します」と言うとアウトです。
「だったらいいです」と言われてしまいます。
「だったらいいです」と言われることが、世の中には圧倒的に多いです。
チャンスをつかめない人は、「だったらいいです」というのをずっと言われています。
「だったらいいです」と言われないためには、「いったん切って折り返しかけます」ということをやらないことです。
人間が待てる時間には、限度があります。
行列で待てるのは、1.5人までです。
たとえば、レジに並ぶ時があります。
今、レジを通している人が1人目です。
その後ろには並べます。
レジを通している人の後ろにもう1人いると、並ぶのをやめます。
これが1.5人という意味です。
待っている人が1.5人なのではありません。
今、レジを通している人も込みで1.5人です。
レジが速くないと、お客様を逃がします。
速くレジを打てるかどうかで、そのお店の売上げは変わります。
サラリーマンなら、10秒以内に書類が出せるかどうかです。
これはなかなか大変な作業です。
パソコンの中に入れていても、なんでもかんでも残している人は、どこに何が入っているかわからないぐらいグチャグチャになっています。
画面がアイコンだらけになっている人は、必要な書類をすぐに見つけられないのです。
中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)
1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。
■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/
作品紹介
「すぐやる人」は、仕事でも、恋愛でも、チャンスをつかむ。「すぐやる人」になるための、コツを紹介する。
定価:本体1300円+税/学研プラス
バックナンバー
- 楽しいことは、 スピードを上げた時に、出会える。
- 頼まれないうちから、 準備している。
- 早起きするためには、 すぐ寝ること。
- すぐに洗うと、 汚れは速く落ちる。
- 最初の3つを速くすると、あとは勝手に速くなる。
- 予定が入っていても、変更してでも、すぐやる。
- 締切より早く届けると、次の仕事がもらえる。
- 「すぐやる」のと、「やる」のとの差は、少しで大きな開きになる。
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