小学校の社会科に変化!(後編)~ご家庭でできる! 小学校の社会科の力がアップする取り組み~

小学生の学び・子育て

公開日 2018.05.17
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 前回は、2018年4月から変わる新しい社会科の変更点をご紹介しました。今回は、社会科の力を育てるためのコツについてです。ちょっとした日常生活の中でも社会科への興味・関心を広げることができます。

楽しみながらやってみよう!  お子さまの社会科の力を育てる5つの方法とは

 社会科は生活と密着している部分が多いので、日常生活の一つひとつに目を向けることが社会科の力を育むことにつながります。

1.一緒に買い物へ行き、売られている商品について話をする

レンポジ

 お買い物の際に、「なすやピーマンは高知県や宮崎県のものが多いね」「カツオが売り場に出るようになったね」というように、産地や旬について話をしてみましょう。また、「イチゴの値段が少しずつ安くなってきたね」というように、一定の期間をかけて商品をチェックしていくことで、旬の時期と価格について知ることができます。

2.旅行やお出かけをする前に「しおり」を一緒に作ってみる

レンポジ

「今度の旅行先で、どんなことをしてみようか」「夏休み、おばあちゃんのところまでどうやって電車を乗り継いで行けばいいかな?」など、旅先のことや行き方を調べてみてはいかがでしょうか。また、旅先で「これだけは食べてみたい」と、その地の名産について調べてみるのも楽しみながらできる取り組みです。調べたことをまとめて旅の「しおり」を作ることは、調べる・考える・まとめる、という力をつけるトレーニングになります。

3.新聞の切り抜きをまとめたノートを作ってみる

レンポジ

 新聞で気になる記事を切り抜いてノートにまとめてみましょう。まとめるときには、必ず日付を入れ、一言でいいので「どうしてその記事を選んだか」をメモしておきましょう。各社から発刊されている「小学生新聞」は、お子さま向けに読みやすい紙面となっているのでおすすめです。最初は4コママンガでもかまいません。そこに出てくる時世や季節に関する言葉・表現を通して、1年の出来事を知るといったことも大切です。

4.身近にある「本物」に触れてみる

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 教科書を読むだけでは、そこに書かれている内容が自分の身の回りに関することだと実感しにくいものです。そこで、身近にある「本物」に触れるための行動をしてみましょう。

 例えば、休日にお出かけの際に卸売市場に出かけて、実際の商品がどのように扱われ、どういうルートでスーパーや飲食店に運ばれ、私たちの元に届くのか、考えてみるのもおすすめです。

 他に、ご家族のお仕事について、どんな一日を送っているのか、どんな苦労や楽しいことがあるのかなどをインタビューしてまとめてみるのは、手軽にできる方法の一つですし、ご家庭での密なコミュニケーションにもつながります。

5.東京オリンピックについて調べてみる

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 2020年の東京オリンピックの参加予定国に関することをまとめてみましょう。

 その国がどこにあって、どんな国旗で、どんな言葉を使って、どんな文化があって…と調べていくなかで、日本との共通点や相違点を知ることができますし、世界全体の位置関係や文化・言葉などについても知ることができます。

 自国でオリンピックが行われることはめったにありません。このチャンスをきっかけにしていきたいですね。

 社会科の授業が始まるのは小学校3年生からですが、このような取り組みは低学年からでもできます。ご家族で楽しみながら始めてみてはいかがでしょうか。

お子さまの力をアップさせるためのコツ

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 社会科に限らず、子どもの「なぜ? どうして?」という疑問は学習においてとても重要です。身近に起きた出来事に関して、出来事そのものを知ると同時に、なぜそういうしくみなのか、なぜそういうことが起こったのか、という理由や背景について、ぜひご家庭で話し合ってみてください。

 続けていけば、新たな疑問が生まれてくると思います。そうやって興味・関心を持ち続けることができれば、社会科という教科が楽しくなることでしょう。

 中には大人でも知らないことやわからないことを聞いてきたり、思わぬところに着目した質問をしてきたりするお子さまもいるかもしれません。そのようなときは、ご家族で一緒に調べて、お互いに調べたことや考えたことを持ち寄ってまとめてみるのもいいですね。

 社会科の学習は暗記だけではありません。覚えたことを「理解」して「表現」することで、日常生活、つまり「社会に生かす」ことができるようになるということをご家庭で意識し、ちょっとした会話などに取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

【執筆者紹介】
 特定非営利活動法人日本ITイノベーション協会
 平成16年1月に内閣府からの認証を得て以来、「Instructional Technology(教育的技術)」を旨とし、「経済協力開発機構(OECD)」が提唱する国際的人材育成指標である各種コンピテンシーをベースに人材育成の基軸を設定。国や各自治体・各大学・各企業が制定している個別指標と紐付けてカスタマイズし、実用可能な教育プログラムの開発を手掛ける。国の教育指針である「生きる力」とは、自分で問題発見を行い、周囲を巻き込み問題解決していく力であると捉え、「社会に出て、社会を築く人材」を輩出するための教育プログラムの開発を行い、小学生~高校生の教育にも力を入れている。

 

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※このコラムは、「ガッケン!ハッケン!学研ゼミ 保護者のよみもの ハッケン!みっけ!」に掲載されていたものです。

 

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