ブレる人は、ミスをしないことを目指す。 ブレない人は、挽回することを目指す。

中谷彰宏『ブレない人は、うまくいく。』セレクション

更新日 2020.07.20
公開日 2015.08.20
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 仕事の仕方に関して、ブレる人は「どうしたらミスをしないか」を考えます。
 そうすると、ミスに対して過剰反応します。
 ブレない人は、ミスを恐れていません。
 挽回で、勝負します。
 ミス防止策を考えるのではなく、挽回力をつけることによって、少々ミスをしても平気になります。
 ブレる人は、車を運転して道を間違えると、あせって事故を起こします。
 ブレない人は、「ここからこうまわればもとへ戻れる」と考えられます。
「ここからこうやって行く道もある」と、道を間違えたことに動揺しません。
 自分のミスに対しても、まわりの人のミスに対しても、動揺しないのです。
 たとえば、ブレる人が助手席に座って、運転している人がミスをすると「どうするの、すごい遠まわりになるじゃない」と怒ります。
「遠まわりでも行けないわけじゃないから、ドライブのつもりでまわればいいじゃん」と思えばいいのです。

 自分にも他人にも厳しくなるのが、ブレる人です。
 許すということができないのです。
 自分に対しても、他人に対しても許せないので、「きっと他人は自分を許さないだろう」と思ってしまいます。
 ホスピスで死期の近づいた人が後悔していることの1位は、「自分をもっと許せばよかった」ということです。
 自分を許せない人は、つらいです。
 自分の失敗も成功も、許せないのです。
 成功しても、「自分だけ成功して、みんなに悪いんじゃないか」と思うのです。
「MUSTではなく、WANTで生きろ」と言っても、好きなことをやることに対して罪悪感があります。
 いいことをしても、悪いことをしても、罪悪感があるのがブレる人です。
「だけど、やりたいこともやりたい」という葛藤があります。
 自分の中で、いい役と悪役が戦ってしまうのです。
 罪悪感をなくすには、「やってきたことはムダではない。これはこれで意味があった。誰かの役に立っているし、自分のためにもなっている」と許すことです。

 罪悪感は、まじめな人ほど持ちやすいです。
 まじめすぎないことです。
 ブレるのは、まじめな人です。
 いいかげんな人は、ブレません。
 どこかいいかげんさを持てばいいのです。
 まじめな人は、「こんなにまじめにやっているのに」と考えます。
 まじめな人のほうが離婚になりやすかったり、相手を責めたりします。
 いいかげんな人は、「僕もちょっと遊んでるし、ゴメンね」と言えます。
 ちょっと遊んでいるけど、それで別れるところまでいっていないし」ということがあると、ブレないです。

 ブレる人は、自分に厳しい人が多いです。
 恋愛で、「今度、同窓会があるんだけど、行っていい?」と相手に許可を求めるのは拘束するタイプです。
 一見、尽くすタイプに見えます。
 許可をとることの裏返しは、「あなたが行く時はちゃんと許可とりなさいよ」という脅迫です。
 拘束できないものまで拘束しようとするのが、ブレる原因なのです。
 人を拘束することで、自分が不自由になるのです。

 

中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)

1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。

■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/

作品紹介

ブレない人は、うまくいく。
迷わなくなる55の方法

うまくいく人は、ブレない生き方をしている。人に好かれようとするのではなく、自分軸で行動し、チャンスをつかむ方法を紹介する。
定価:本体1300円+税/学研プラス

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