質問会話より、想像会話をする。

中谷彰宏『会話力のある人は、うまくいく。』セレクション

更新日 2020.08.06
公開日 2015.04.09
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 「最近、ゴルフを始めまして」と言う人に、「きっとゴルフにハマるんだろうなあ」と言います。
 この「きっと○○なんだろうなあ」というのが「想像会話構文」です。
 この時に、「私はサッカーを始めまして」と言う人は、構文を知らないのです。
 相手は「話終わったの? 私の話はカットですか」と、ムッとします。
 会話力のない人は、無意識のうちに相手の話をカットするのです。

 やってはいけないのが、質問会話です。
 質問会話には、「なんで?」「キッカケは?」「なんのために?」という3パターンがあります。
「なんで?」「キッカケは?」「なんのために?」は、話し手のテンションが一気に下がるフレーズです。
「その話は、もうやめて」ということになるのです。
 相手の話を叩きつぶしたいなら、いいのです。
 質問会話をする人は、けっこう多いです。
 質問会話は、話をうしろに戻しています。
 面白くて始めたことに、「なんで」「キッカケ」「なんのために」はないのです。
 これはむしろ、よくないことが起こった時にする質問です。
 自分が面白くないと思っているから、その質問が出るのです。

「最近、フットサルを始めたんですよ」と言う人に、「なんのために?」と返すと、「またブームにのって」「フットサルをやるとモテるからでしょう」「儲かるでしょう」という否定的なツッコミが続きます。

「しんどそうだけど、やったら気持ちいいんだろうなあ」とか「やったらモテるだろうなあ」と言うのが、想像会話構文です。
「きっとしんどいんだろうな」とか「きっとケガするだろうな」で終わらせないで、「しんどいんだろうけど、きっと爽快感があるんだろうなあ」というふうに、
「○○なんだろうなあ」には、ポジティブな言葉を続けるのがポイントです。

 英語には、「It’s too 〜 to 〜(あまりにも〜すぎて、〜できない」とか「It is so 〜 that 〜(あまりに〜なので、〜できる)」といった構文があります。
 日本語も同じです。
 上司が「フットサルを始めた」と言った時は、「またまた、年寄りの冷や水で」ではなく、「きっと○○なんだろうなあ」と言います。
 これが基本文型だということに相手は気づかなくても、気分よく会話が続けられるのです。

 

中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)

1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。

■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/

作品紹介

会話力のある人は、うまくいく。

好調の「うまくいくシリーズ」第6弾。「会話力のない人」は、モテないし、成功しない。話方を変えると、生き方が変わり、仕事も、恋愛も、人間関係もうまくいく。会話力をつけることでチャンスをつかむ、55の方法を紹介する。
定価:本体1,200円+税/学研プラス

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