自分からするのが、挨拶だ。 先にされて返すのは、挨拶ではなく、 返事だ。
中谷彰宏『会話力のある人は、うまくいく。』セレクション
今日、自分が誰に挨拶をしたかをノートに書き出してみます。
その中で、自分からした挨拶に○をつけます。
振り返ってみると、自分からした挨拶は1つもないのです。
誰かに「おはようございます」と言われて、「おはようございます」と返します。
これは、挨拶には入りません。
自分から先にするのが、挨拶です。
誰かに挨拶されて返すのは、返事です。
これは、挨拶にはカウントしません。
つまり、挨拶をミスったということです。
挨拶は、早押しクイズです。
先に押されたら、解答権がなくなります。
たとえ正解を知っていても、クイズ番組では2番目は正解を出せません。
ランプがつかないのです。
自分から先に挨拶のできない人は、挨拶ができるとは言えません。
会話力のない人も、同じです。
常に受け身で、誰かからされたらしようと思っています。
「様子を見よう」という傍観者の姿勢なのです。
会話は、参加することで成り立ちます。
僕がクイズ番組に出ていて一番感じるのは、ボタンを押しても自分のランプがまったくつかないことです。
早押しに負けるのは、参加意識が弱いからです。
テレビを見ている側の気分で、クイズ番組に出ていたのです。
それでは、勝てません。
芸能人のすごさは、出る側の意識でボタンを叩いていることです。
テレビを見ている意識のまま出ると、遅いのです。
テレビを見ている人は、「あんなの簡単じゃん」と思っています。
必ず、テレビで誰かがボタンを叩いたあとに答えています。
クイズ番組で一番大切なのは、一番にボタンを押すことです。
挨拶は、ボタンを押すのと同じです。
相手に声をかけられる前に、声をかけます。
人数を増やす必要はありません。
今まで先に声をかけられていた人に、自分から声をかけるだけで変わってくるのです。
中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)
1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。
■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/
作品紹介
好調の「うまくいくシリーズ」第6弾。「会話力のない人」は、モテないし、成功しない。話方を変えると、生き方が変わり、仕事も、恋愛も、人間関係もうまくいく。会話力をつけることでチャンスをつかむ、55の方法を紹介する。
定価:本体1,200円+税/学研プラス
バックナンバー
- 赤ちゃんは、自分の主張をする。 子どもは、自分の説明をする。 大人は、相手の利益を話す。
- 会話は、毒にも薬にもなる。
- 会話は、しりとりだ。
- 質問会話より、想像会話をする。
- 間接表現に、気づく。
- 「大ほめ」より、 「チョイほめ」が喜ばれる。
- 挨拶は、 すれ違いざまでもする。
- 「今日も、きれいだね」より、 「今日は、きれいだね」と言う人がモテる。