自分からするのが、挨拶だ。 先にされて返すのは、挨拶ではなく、 返事だ。

中谷彰宏『会話力のある人は、うまくいく。』セレクション

更新日 2020.07.17
公開日 2015.03.12
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 今日、自分が誰に挨拶をしたかをノートに書き出してみます。
 その中で、自分からした挨拶に○をつけます。
 振り返ってみると、自分からした挨拶は1つもないのです。
 誰かに「おはようございます」と言われて、「おはようございます」と返します。
 これは、挨拶には入りません。
 自分から先にするのが、挨拶です。
 誰かに挨拶されて返すのは、返事です。
 これは、挨拶にはカウントしません。
 つまり、挨拶をミスったということです。
 挨拶は、早押しクイズです。
 先に押されたら、解答権がなくなります。
 たとえ正解を知っていても、クイズ番組では2番目は正解を出せません。
 ランプがつかないのです。

 自分から先に挨拶のできない人は、挨拶ができるとは言えません。
 会話力のない人も、同じです。
 常に受け身で、誰かからされたらしようと思っています。
「様子を見よう」という傍観者の姿勢なのです。
 会話は、参加することで成り立ちます。
 僕がクイズ番組に出ていて一番感じるのは、ボタンを押しても自分のランプがまったくつかないことです。
 早押しに負けるのは、参加意識が弱いからです。
 テレビを見ている側の気分で、クイズ番組に出ていたのです。
 それでは、勝てません。
 芸能人のすごさは、出る側の意識でボタンを叩いていることです。
 テレビを見ている意識のまま出ると、遅いのです。
 テレビを見ている人は、「あんなの簡単じゃん」と思っています。
 必ず、テレビで誰かがボタンを叩いたあとに答えています。
 クイズ番組で一番大切なのは、一番にボタンを押すことです。
 挨拶は、ボタンを押すのと同じです。
 相手に声をかけられる前に、声をかけます。
 人数を増やす必要はありません。
 今まで先に声をかけられていた人に、自分から声をかけるだけで変わってくるのです。

 

中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)

1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。

■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/

作品紹介

会話力のある人は、うまくいく。

好調の「うまくいくシリーズ」第6弾。「会話力のない人」は、モテないし、成功しない。話方を変えると、生き方が変わり、仕事も、恋愛も、人間関係もうまくいく。会話力をつけることでチャンスをつかむ、55の方法を紹介する。
定価:本体1,200円+税/学研プラス

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