遊びながら子どもの考える力や表現する力など、知能の発達を助けるおもちゃである知育玩具。昔ながらの積み木やパズル、ブロックなどは今でも人気の知育玩具です。しかし、最近では、なんと遊びながら「プログラミング的思考」を学べる知育玩具があるのです。
インターネットの技術が発達し、AIが家電を操る時代とはいえ、まさかおもちゃでプログラミング的思考を学べる日が来るとは…。
今回はそんな技術の進歩を感じる知育玩具、「日本おもちゃ大賞2018 エデュケーショナル・トイ部門 大賞」を受賞した「カードでピピッと はじめてのプログラミングカー」(学研ステイフル)についてご紹介します。
「カードでピピッと はじめてのプログラミングカー」ってどんなおもちゃ?
「プログラミング」と聞くと、パソコンを使ったものや、ゲーム機のようなものなど、画面とにらめっこして学ぶものというイメージが強いのではないでしょうか?
ところが、「カードでピピッと はじめてのプログラミングカー」はパソコンもスマホも一切不要! スケルトンで未来的なフォルムがかっこいい「くるま」を使って遊びます。
このくるまをプログラミングによって操り、大きなすごろくのような「ぼうけんマップ」の上を自由自在に動かします。くるまに動きを指示するプログラミングに使うのは「めいれいタグ」。右折や左折、直進などの方向指示のほか、ヘッドライトやクラクションなども命令することができます。
気になる遊び方ですが、まず「ぼうけんマップ」上でスタートとゴールを決めます。
次にマップ上には様々な施設が記されているので、例えばお家を出発して、ケーキ屋さんへ行く…などのようにルートを決めます。
ゴールに向かうためのルートは、まずは「めいれいカード」を並べて考えます。
めいれいカードは実際に命令を与える「めいれいタグ」を模したカードで、ルートを決める際に使用します。例えばお家を出て、直進2回、右折1回で目的地に行く、といったように命令をする前にルートの計画を練ることができます。
ルートを決めたら「めいれいタグ」を車にかざして、ルートをプログラミングして実行!くるまがちゃんと目的地へとたどり着けたら成功です!
まちがえても大丈夫! 取り消し機能があるので、まちがえたところまで戻って、また登録し直せばいいのです。
最短ルートだけでなく、遠回りしたり、経由地を指定したり、「ブッブー」とクラクションを鳴らしてみたり…同じスタートとゴールでも楽しみ方はたくさん! 「めいれいカード」を上手に組み合わせて考え、思い通りにくるまを動かしてみましょう。
『「パン屋さん」でお昼ご飯を買ったら、「ともだち」をさそって「ゆうえんち」へ行こう!』など、ストーリーを作りながらルートを考えるのも楽しいですよ。
普遍的に求められる力としての「プログラミング的思考」
どんなチカラが身につくの?
パソコンを使わないのに、プログラミングのどんなことが身につくのか疑問に思う方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか? 確かにプログラミングというと、パソコンに向かって専門的なコードを使って組み立てるもの…というイメージがありますよね。しかし、子どもへの教育で何よりも大切なのは、情報技術を活用しながらゴールに対してどういう動きを組み合わせればいいのか、そして失敗したときに原因を探り、どう改善すればいいのかを筋道立てて考えることができる論理的思考力を鍛えること。これは、いわゆる「プログラミング的思考」と呼ばれており、どんな職業に就いたとしても、あらゆる場面で必要なチカラです。
「カードでピピッと はじめてのプログラミングカー」は、「めいれいカード」を使うのが最大のポイント! 自分で決めたルート通りにくるまを動かすために、限られた「めいれいタグ」をどのように組み合わせればいいかを“見える化”し、うまく動かないときにどうすれば解決できるかを考え、修正することで「プログラミング的思考」を身につけることができるのです。もちろん、答えは一つではないので、遊びは無限に広がりますね。
実際に使ってみた! 子どもたちの反応は?
実際に小学校1年生の息子と4年生の娘に遊んでもらいました! もっと大きいものを想像していたのですが、A4サイズほどの箱で案外コンパクト。3歳から使えるとあって、各アイテムはしっかりとした作りです。
まず息子はスケルトンの「くるま」に大興奮! こういう中の作りが見えるデザインや、乗り物が好きな男の子は多いと思います。娘も試しに「めいれいタグ」を使ってみると、そのとおりに動く「くるま」に感動している様子。使い方を知ることよりも好奇心のほうが勝り、説明書を読まずにいろんな命令を与えて、どんな動きをするのを試していました。大人はまず説明書を読んでみるけど、子どもは自分で触って確かめるほうが飲み込みが早いみたいですね。
動きを覚えると、今度はスタートとゴールを定めて、まずは最短ルートを探して命令を与えていきます。遊びになれてくると、「ここでクラクションを鳴らそう」、「ここでバックしてみよう」など、自分たちのやりたいことを話し合って、命令を与えていきます。見事、思ったとおりに動いたときは、とてもうれしそうでした。こうして小さな成功体験を積み重ねていくことで、努力することの下地を作っていくのかもしれません。
小学校4年生ともなると、ループや半分動かすボタンなど、難しい命令も好奇心の赴くままに覚えていきます。それを見て、下の子も新たな発想を得ているようでした。やはり一人で遊ぶよりもグループで遊んだほうが、より考える力が鍛えられるようです。
ぜひお子さまといろいろ話しながら、一緒に遊んであげてください。
先にも述べたように、論理的に考える力はあらゆる場面で役立つ力です。2020年度に開始される小学校でのプログラミング教育必修化を前に、「カードでピピッと はじめてのプログラミングカー」を使って、楽しみながらプログラミング的思考を育んでみてはいかがでしょうか?
ライタープロフィール 鈴木めぐみ
ビジネス記事から生活情報までオールジャンルで書き続けるライター。親よりしっかり者の小4女子と、やんちゃな小1男子の母。育児を機に初めて教育分野を意識するも、知らないことだらけで一念発起。「自分と同じ、迷える親のために」と持ち前の好奇心で取材しまくり、今も勉強中の身。
※このコラムは、「ガッケン!ハッケン!学研ゼミ 保護者のよみもの ハッケン!みっけ!」に掲載されていたものです。
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