英語や算数、国語にも! こんなところで活用できる論理的思考(ロジカルシンキング)

小学生の学び・中学生の学び・子育て

公開日 2018.05.31
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「論理的思考(ロジカルシンキング)」という言葉を聞いたことはあるでしょうか? 論理的思考とは、筋道を立てて物事を考えるという思考法のことです。さまざまな情報機器や、情報を活用して効率的に問題を解決することが要求される。これからの社会で必要となる力とされています。

 子どもたちにもこの思考法を身に付けさせようと、学校教育の中に取り入れる動きが始まりました。子どもと論理的思考がどのように関係しているのか、ピンとこない方もいらっしゃると思います。

 この記事では、論理的思考が注目されている背景と、普段の生活での活用法をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

学校教育でも注力! プログラミングと論理的思考

 2012年度から、中学校の技術家庭の授業でプログラミングが必修となりました。文部科学省は、2020年度から小学校でプログラミング教育を必修化することを決定しています。子どもたちへのプログラミング教育は多くの国が取り組んでいる試みで、日本でも政府の成長戦略に盛り込まれています。

 プログラミング教育の大きな目的の一つは、子どもたちに論理的思考を身に付けさせることです。

 コンピューターを思い通りに動かすには、結果を予測しながら、目的の動きをさせるために一つずつ筋道を立てて、正確にプログラムを組むことが必要です。また、コンピューターの動きに問題が発生すれば、原因を探り問題解決に努めます。

 プログラミングを学ぶことによって、物事を筋道立てて考え、判断する論理的思考や、それを活用した問題解決能力を身に付けさせることが狙いなのです。

さまざまな場面で力を発揮する論理的思考

 では、その論理的思考は、どんな場面で力を発揮するのでしょうか。ちょっとした例を取り上げてみました。

・国語

 論理的思考が身に付くと、筋道がきちんと通った文章を組み立てられるようになります。自分の意見を整理し相手に伝えるだけではなく、評論のような文章を順序立てて理解することができるようになります。

 国語の文章読解問題を解くためには、時には主観や思い込みにとらわれず、情報を論理的に整理することが必要とされます。その際には論理的思考がとても役に立ちます。

・算数

 算数でも論理的思考が役に立つ問題はたくさんあります。中学受験にもよく出てくる「推理算」や「場合の数」といった問題では、論理的思考が力を発揮します。

 問題文の中にある情報や条件をもとに筋道を立てて考え、解答を導いていくのです。一見ややこしそうに見える文章問題でも、論理的思考が身に付いていれば、情報を整理して論理的に考え、解くことができます。

・理科

 小学生の理科では身近な現象に対する「なぜ?」「どうして?」を解決していく授業が多くあります。問題や疑問を解く際には、観察、実験、調査を行います。得られたたくさんの情報を比べ、整理しながら結論を導くために論理的思考が役立ちます。

 例えば動物の「冬眠」を考える際も、食べ物を得にくい冬の環境や、効率的に活動できるシーズン、動物が消費するエネルギー量の違いなど、さまざまな角度から理由を見つけ、結果として冬眠が動物にとって必要だという結論を導けるようになります。

・英語

 一見あまり関連がないようにも思えますが、論理的思考は英語を理解する上でも役に立ちます。日本語が曖昧さを好む言語とされているのに対して、英語は論理の明確な言語とされています。

 主語と述語がはっきりしているので、伝えたいことが不明瞭な状態では英語で表現することは難しいのです。論理的思考を持っていれば、伝えたいことが明確になり、考えに筋道も通っているので、英語で表現しやすくなるのです。

家庭生活の中でも使える論理的思考

 論理的思考は日常生活の中でも大いに役立ちます。

 例えば、「放課後は友達と遊びたい」、だけど「宿題もやらなければならない」という日があったとします。論理的思考が身に付いていれば、どういうふうに行動すれば計画が実行できるかを自分で考えることができます。

 宿題の時間を確保するために遊びの種類を選んだり、友達と遊ぶためにテレビを見る時間を宿題に充てたり、目的達成のために実際の行動を調整することができるようになります。

 やりたいことと、やらなければならないことに優先順位を付けて計画的に行動することができるようになるのです。

 また、料理の手順などを覚えるときにも論理的思考が役立ちます。料理は下ごしらえから後片付けまでを手際よく行うことが大切です。「まな板を洗う回数を減らしたいから、野菜の後に肉を切る」「材料を煮込んでいる間に洗い物をする」なども、論理的思考を活用した考え方です。

家庭でもできる論理的思考の育て方

 普段の会話の中でも論理的思考を磨くことができます。子どもは経験したことや、感じたこと、思ったことをそのまま話す傾向にあります。

 そこで、「なぜそう思ったの?」「どうしてこうなったのかな?」など、理由や背景などを意識させるような質問をしてみましょう。会話の中で、子ども自身が自分の思いや考えを整理するようになります。物事を整理して考えることが論理的思考の育成につながります。

「授業が面白くない」「宿題が多くて大変」などの問題があるときは、理由や背景を聞いた後で「その場合どうすればいいかな?」といったふうに、子ども自身が経緯を踏まえて解決策を考えられるように導いてあげるのも、論理的思考の良いトレーニングとなります。子どもが問題に向き合い悩んでいると、ついつい解決策を提案してあげたくなってしまいますが、まずは子ども自身で考えられるように後押ししてあげましょう。

 論理的思考は生涯にわたってさまざまな場面で役に立ちます。子どものうちから論理的思考を身に付けられるようにご家族で取り組んでみてはいかがでしょうか。

ライター marie
 園児である子どもの子育てとライティング業務をこなすママライター。未就学児のころから英語教育を始めるなど、児童教育に興味を持ち、親子ともどもさまざまなことにチャレンジしている。

※このコラムは、「ガッケン!ハッケン!学研ゼミ 保護者のよみもの ハッケン!みっけ!」に掲載されていたものです。

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