生き方には、
① 嬉しい派
② 楽しい派
という2通りがあります。
仕事をする時でも、「嬉しいから仕事をする人」と「楽しいから仕事をする人」の2つに分かれます。
「嬉しい派」は、迷います。
AかBかを選ぶ時に、どちらが嬉しいかで選ぼうとしても、選べません。
「嬉しい」と「楽しい」とは、違います。
どちらの見返りが大きいかを計算するのが、「嬉しい派」です。
自分がしたことに対して他者が見返りをくれた時に、「嬉しい」と感じます。
判断基準は、どちらがお金が儲も うかるか、どちらがほめられるか、どちらが感謝されるかです。
実際は、この判断基準では決められません。
予測ができないからです。
見返りは、他者が決めることです。
自分では、決められません。
だから、迷うのです。
「楽しい派」は、どちらが自分にとって楽しいかで決めます。
他者の見返りやリアクションとは、関係なしに生きているのです。
プレゼントの仕方で、「嬉しい派」と「楽しい派」の違いがよくわかります。
「楽しい派」は、プレゼントをあげることが楽しいのです。
「嬉しい派」は、プレゼントをあげた相手が喜んでくれて、それでつき合うことになって初めて「嬉しい」と感じます。
「これ、持っている」と言われたら、その瞬間に嬉しくなくなります。
「ひどい。普通、持っていてもそんなこと言わないよね」と思います。
プレゼントをあげることで、相手に憎しみが湧いてくるのです。
「もし相手が持っていたらどうしよう」と事前に考え始めると、選べなくなります。
相手の事情だから、予測できないのです。
たとえ今は持っていなくても、ほかの人が自分より1ランク上のプレゼントをした瞬間に、アウトです。
そうなると、まわりのすべての人たちに何をあげるのか聞くことになります。
それでも、調べ尽くすことはできません。
これが、迷いの原因です。
結局、AかBかで迷っているのではないのです。
「嬉しい派」は、いつもまわりをキョロキョロしています。
思い切って前に進めず、後戻りしたり、グズグズ言ったりして、チャンスを逃します。
「嬉しい派」の生き方から抜け出すことで、迷いから抜け出せます。
迷うことに時間とエネルギーを使うより、行動することで、人生は楽しくなるのです。
中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)
1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。
■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/
作品紹介
仕事も、恋愛も、人間関係も、うまくいっている人は、迷わない。ブレない心で、チャンスをつかむ55の方法を紹介する。
定価:本体1300円+税/学研プラス
バックナンバー
- 完璧主義の人は、迷う。
- 所有にこだわる人は、迷う。
- 楽しいことを体験したことがない人は、迷う。
- 弱点を隠す人は、迷う。
- 逃げる人は、迷う。 逃げるとは、借金を、借金で返すことだ。
- 「自分はどう見られるか」を意識すると、迷う。
- 嫌われないようにしようとすると、迷う。
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