美人力のない人は、プレゼントをもらった第一声が「すごい。ありがとう」です。
「すごい。ありがとう」は、よく言う言葉です。
ヴィトンの限定バッグをプレゼントされて「すごい」と言うのは、モノに対する評価です。
「ありがとう」は、礼儀です。
美人力のない人は、月並みです。
「まあ、これでいいんじゃないですか」に聞こえる、普通の言葉でチャンスを逃します。
美人力のある人は、100均で見つけてきたモノにも、「うれしい」と言います。
「うれしい」は評価ではなくて、自分の気持ちです。
100均で見つけてきたモノに、「すごい」はありません。
月並みな「ありがとう」は、関係性を断ち切る言葉です。
「『ありがとう』と言ったからね。私とあなたの関係はこれでチャラですよ」と、関係性を整理しているのです。
「ランドセル俳人」として注目された少年・小林凜君は、俳句ができる日もあれば、できない日もあります。
小学生のころ、俳句ができると、お母さんとおばあちゃんが喜びの踊りを踊っていました。
「すごい」とは言わないで、「できた、できた」と言って踊るのです。
「すごい」と言われると、子どもは「すごいものをつくらなければ」という気持ちになります。
お母さんとおばあちゃんは、できたことだけで喜びます。
「すごい」と言う女性は、隣に「うれしい」と言う女性がいたら、負けます。
「うれしい」は、相手に対して言っています。
「すごい」は、モノに対して言っています。
「すごい」の裏には、「今日はすごいけど、すごくない時もある」ということを暗に表現しています。
プレゼントする側は、すごくなければならないところに追い込まれます。
これは、モノのプレゼントに限りません。
何かをしてもらって言う「すごい」も、相手にプレッシャーを与えます。
「さっきのはすごかったけど、これは普通かな」と言われないようにするにはどうしたらいいかを、相手は悩み始めています。
「おいしい」も「すごい」と同じです。
彼がつくってくれた料理をひと口食べて、「おいしい」と言うのはアウトです。
「うれしい」は、料理を出されただけで喜んでいます。
味は、関係ないのです。
彼は、ますます頑張ります。
「おいしい」は、食べる前には言えません。
男性は、ジャッジを待つ身です。
食べてから、「ウーン、まあおいしいか」は審議に入っています。
審議に入られたら、男性は頑張れないものなのです。
(※毎週木曜日、全8回掲載予定です。4回目の次回は、12月8日掲載予定です。)
中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)
1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。
■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/
作品紹介
向上心のある大人の女性に向けて、年齢を重ねても魅力的の「美人力」を提案。人気の書籍をハンディ版として新装発売。
定価:本体900円+税/学研プラス
バックナンバー
- 美人は、 嫌われる覚悟を持っている。
- 美人は、 たくさんの服より、 似合う服を着ている。
- 美人は、 行き帰りが明るい。
- 美人は、 座ってから、荷物を置く。
- 美人は、 「ごめんなさい」を言わない。
- 美人は、 大人の話し方ができる。
- 美人は、 だんだん美人になる。
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