『おむつのなか、みせてみせて!』担当編集が語る「ちっちゃな おさかなちゃん」のシリーズの魅力と、著者ヒド・ファン・ヘネヒテンさんについて

【Gakken×パイ インターナショナル合同企画】ヒド・ファン・へネヒテン原作絵本「ちっちゃな おさかなちゃん」「おむつのなか、みせてみせて!」シリーズ

更新日 2023.12.15
公開日 2023.12.12
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 Gakkenとパイ インターナショナルは、2023年秋に「ヒド・ファン・ヘネヒテン」絵本合同フェアを開催しました。出版社の垣根を超えて、同じ原作者の絵本を一緒に盛り上げています。
 また、来年2024年は『ちっちゃな おさかなちゃん』原作誕生20周年(Gakken版誕生10周年)となります。

 これを記念して、同じ原作者の大ヒット作『おむつのなか、みせてみせて!(ヒド・ファン・ヘネヒテン作/パイ インターナショナル)』の編集を担当した吉村真樹さんに、「ちっちゃな おさかなちゃん」シリーズ新刊『0さい~3さい脳そだて おさかなちゃんと あはは!』と、ヒド・ファン・ヘネヒテンさんについて語っていただきました!

合同フェアの様子や、「ちっちゃな おさかなちゃん」シリーズの編集を担当している北川が語る、パイ インターナショナル新刊『たれみみうさぎのリッキ(ヒド・ファン・ヘネヒテン作)』についてはこちらから▼(パイ インターナショナル公式サイト)

 

ヒド・ファン・ヘネヒテン(Guido van Genechten)について

 1957年、ベルギー生まれ。著書は『ちっちゃな おさかなちゃん(Gakken)』『おむつのなか、みせてみせて!(パイ インターナショナル)』など。多数のベストセラー作品は、世界50ヵ国以上で翻訳出版されており、世界中で愛されている。

 >>Gakken【おさかなちゃんシリーズ】公式サイト 著者紹介コーナーはこちら

 >>『おむつのなか、みせてみせて!』10万部突破記念! ヒド・ファン・ヘネヒテンさんインタビューはこちらから(絵本ナビ)

 

『おむつのなか、みせてみせて!』担当編集・吉村真樹さんより

『0さい~3さいそだて おさかなちゃんと あはは!』をご覧になって、どうお感じになりましたか。

 これまでの「おさかなちゃん」シリーズの可愛らしさや、様々な生き物の面白さはそのままに、インタラクティブ絵本の要素が加わり、数を数える、絵さがしをする、指でなぞるといった遊びがぎっしりつまった絵本ですね。この1冊で何度も繰り返し楽しめ、親子のコミュニケーションツールにもぴったりな本だと思います。

「くすぐる」のページ 紙面

▲『0さい~3さい脳そだて おさかなちゃんと あはは!』「くすぐる」のページ

 親子で繰り返し絵本を楽しむことが、いつのまにか「脳そだて」に繋がっているという点もとても魅力的です。もう少し早くこの本が刊行されていたら……私も間違いなく幼い我が子に何度も読み聞かせしていたことと思います。今作でも面白く工夫されているオノマトペを、声色を変えたり抑揚をつけたりして、ぜひ多くのご家庭で何度も繰り返し楽しんでいただきたいです。おすすめの一冊です!

 

「おさかなちゃん」シリーズについて、吉村さんが手掛けられたヒドさんの作品や、他の作品と違うと思われる点(特徴だと思われる点)はありますか。

 私はヒドさんの作品のうち、「おむつのなか、みせてみせて!」シリーズ、『だ〜れだ?』『な〜んだ?』『ど〜こだ?』の三部作、『たれみみうさぎのリッキ』を編集担当しています。

▲『おむつのなか、みせてみせて!』

▲『たれみみうさぎのリッキ』

 ヒドさんの作品を担当して感じるのは、シリーズごとにイラストのタッチやテーマが全く異なるということ。いずれも、「ヒドさんが描かれたもの」と言われなければ、読者の方は同じ人が描いた作品だと気づかないのではないでしょうか。絵の具・クレヨン・インクなどの画材はもちろん、塗る・ひっかく・やぶる・切り貼りするといったテクニックも作品ごとに異なります。「おさかなちゃん」シリーズだけでなく、そもそもヒドさんの作品は、いずれも全く似ていないのだと思います。

「ぎゅうぎゅう」のページ 紙面

▲『0さい~3さい脳そだて おさかなちゃんと あはは!』より。「ちっちゃな おさかなちゃん」のシリーズでは、海を美しい黒色で表し、水彩のようなにじみや、貼り絵のようなテクスチャをとりいれているのが特徴。また、輪郭線のない「面画」の手法を使っている。

▲一方『たれみみうさぎのリッキ』では、マス目のある紙に描き、あえて絵の具のぬり残し部分を作ることにより、光と影を表現している。輪郭が勢いのある太い線で表されているのも特徴。

 「おさかなちゃん」シリーズが他のヒドさんの作品と決定的に違うところ、それは「背景が黒色」という点だと思います。「海の中を描いているのに、背景が黒色」というところに、ヒドさんの個性を感じました。絵本では、海は水色や青色で描かれることがほとんどです。

 中ページを読み進めていくと、背景が黒である理由に気づきます。白やレインボーカラーを基調としたおさかなちゃん親子や、鮮やかな色の生き物たち、読んでいて楽しくなるようなオノマトペなど、背景が黒であるがゆえ、様々な色やイラストが美しくはっきりと見え、同時に、色覚がまだ十分に発達していない0歳児にも最適な絵本になっていると思います。

紙面

 

 ただ、動物や生き物を登場人物にする点に関しては、ヒドさんは一貫されていますね。これは、動物を登場人物にすることで、性格描写などを描く上での可能性がさらに広がるためなのだそうです。

 「おむつのなか、みせてみせて!」シリーズの場合は、すばしっこくて、好奇心旺盛で、ユーモラスで、賢くて、他の動物たちを引っ張ってくれる……その象徴として主人公を「ねずみ」にしようと直感的に閃いたそう。

 ちなみに、ヒドさんの作品の主人公は大抵、ヒドさんご自身がモデルになっているという話です。

▲『おむつのなか、みせてみせて!』より。お友だちのおむつの中を見ては喜ぶねずみくんが愛らしい。

 

▲ヒドさん制作のお絵描きショートアニメ。おさかなちゃんは、ヒドさんがある日、何気なく円を描いていたときに、前ぶれもなく姿を現し「舞い降りてきた(泳いできた)」そう!

 

 「おさかなちゃん」というキャラクターは、とにかく愛らしいですよね。とっても素直で、キュートで、抱きしめたくなります。

 ヒドさんの絵本のキャラクターは、どれも違っていて、それぞれに愛らしさがあります。読者である子供たちは自分を様々なキャラクターに投影して、ヒドさんの絵本に魅了されるのだと思います。

(株)パイ インターナショナル 編集部 吉村真樹

 

 

今後もコラボ企画を実施していきます!

 SNSでは、2023年9月にGakkenとパイ インターナショナルの2社アカウント合同でプレゼントキャンペーンも実施し、多くの方にご参加いただきました。これからも合同で絵本を盛り上げていきますので、引き続きよろしくお願いします。

 

商品の紹介

■書名:『0さい~3さい脳そだて おさかなちゃんと あはは!』
■監修:茂木健一郎
■絵:ヒド・ファン・へネヒテン
■企画・構成・文:古藤ゆず
■発行:Gakken
■発売日:2023年11月16日
■定価:1,100円(税込)

詳細はこちら

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『0さい~3さい脳そだて』第1弾も好評発売中!

『0さい~3さい脳そだて おさかなちゃんと あ~そ~ぼ!』書影

■書名:『0さい~3さい脳そだて おさかなちゃんと あ~そ~ぼ!』

学研出版サイト

 

「ちっちゃな おさかなちゃん」シリーズについてはこちらから!

Gakken「おさかなちゃんシリーズ」公式サイト

 

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