第8回 自己表現力を磨く五つのコツ

スーザン・ケイン『静かな力』セレクション

更新日 2020.07.31
公開日 2018.04.26
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内向型の持つすばらしい能力として、ひとつのことに深く長く取り組む、というものがあります。わたしたちの持つ豊かな創造力と組み合わされば、思いもつかないようなすばらしい道が開けるかもしれません。その結果を自分ひとりの秘密にしておくか、世界に向けてシェアするかは人それぞれですが、いずれにしても、自信と熱意を持って自己表現する方法を身につければ、きっとすばらしい成果をあげることができるでしょう。

そのためにはなにから始めればいいのか。ポイントをいくつか挙げておきます。

手段を選ぶ

便利な音楽アプリを見つけて、自分ならではのリズムを刻むもよし。誰も考えつかなかったようなケーキのレシピを作るもよし。いえ、アプリがなくても紙と鉛筆さえあれば、なにかできるかもしれません。自分に合った、そして自分が熱中できる、自己表現の方法を見つけましょう。

努力する

手段が決まったら、そこに力と情熱を注ぎましょう。全力で取り組むこと。練習あるのみです。

手本や仲間を見つける

手本になる人を見つけましょう。条件は、その人も内向型であるということ。自分も目標に手が届く、と思えることが大切です。芸術性とカリスマ性と知性をあわせ持った有名人の中に、内向型はたくさんいます。

プライバシーを大切に

他人には絶対読まれたくない日記もあります。他人には教えたくないプロジェクトもあります。なにかを書くにしても、作るにしても、他人の目を気にせず取り組める、安全な場所を確保しましょう。あとは自分ひとりで心ゆくまで追究するのみ。

シェアすることも忘れずに

考えていること、取り組んでいることを、ほかの人にも見てもらいましょう。あるいは聞いてもらいましょう。批判されるのが怖くて人には見せられない、という声をよく聞きますが、まずは友だちひとりかふたりでいいのです。感想やアドバイスをもらえれば役立つはずですし、思わぬ評価や応援を受けるかもしれません。

スーザン・ケイン
プリンストン大学、ハーバード・ロースクールを卒業。<静かな革命>の創設者のひとり。著作の『Quiet』(邦訳『内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力』、古草秀子訳、講談社)は、世界40の言語に翻訳され、『ニューヨーク・タイムズ』のベストセラーになる。出演したTEDの動画の視聴回数は1800万回を超える。「思慮深いリーダーシップ」で、ハーバード・ロースクールのCelebration Award を受賞。『Inc.』誌により、「世界のリーダーおよびマネジメント専門家50人」に選ばれた。現在、夫とふたりの息子とともに、ハドソンリバーバレーに在住。

グレゴリー・モーン
作家。ビル・ナイとの共著により、『Jack and the Geniuses 』シリーズをはじめとする子ども向け読み物を多数発表している。

エリカ・モローズ
『ニューヨーク・タイムズ』のベストセラーとなった多くの子ども向け読み物の出版に、執筆協力者または共著者として関わっている。作家のほかに、助産師、陶芸家の顔も持つ。ニューヨーク在住。

【訳】西田 佳子 (にしだ よしこ)
名古屋市生まれ。東京外国語大学英米語学科卒業。英米文学翻訳家。訳書に〈警視キンケイド〉シリーズ(講談社)、『赤毛のアン』『小公子セドリック』『すごいね! みんなの通学路』(いずれも西村書店)、『ホートン・ミア館の怖い話』(理論社)、『テラプト先生がいるから』(静山社)、『わたしはマララ』(学研/共訳:金原瑞人)、『僕には世界がふたつある』(集英社/共訳:金原瑞人)などがある。

作品紹介

静かな力
内向型の人が自分らしく生きるための本

全米ミリオンセラー『Quiet(内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力)』のスーザン・ケインによる同テーマの最新刊。
定価:本体1,400円+税/学研プラス

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