第6回 集団生活の中で自分らしさを発揮する六つのコツ

スーザン・ケイン『静かな力』セレクション

更新日 2020.07.31
公開日 2018.04.12
  • Facebook
  • LINE
  • Pinterest

学校生活でストレスを感じたり、さまざまな出来事のせいで落ち込んだりすることもあるでしょう。でも、自分らしさを失うことなくそうした状況を乗りきることは可能です。そのためのコツをご紹介します。いつでもこれを思い出してください。

無理をしない

学校には騒々しい場面が多く、このことは内向型の負担になりがちです。自分は自分、まわりはまわりと考えることもときには必要だと割りきって、無理をせず、自分らしさを失わないようにしましょう。静かな時間、静かな場所を探して、自分自身に充電しましょう。おおぜいではなく、ひとりかふたりの友だちと一緒にいるのが好きならば、そうするのが一番! 同じように感じている内向型の友だちや、あなたのことをわかってくれる友だちが見つかれば、きっと気持ちが楽になります。

自分の好みを理解する

スポーツ好きな友だち、パソコン好きな友だち、とにかく優しい友だち。どんな友だちと一緒にいるときが一番楽しいか、考えてみましょう。自分の好みに一貫性がなくてもかまいません。自分の好きな話題のリストを作ってみるのも、友だち作りの役に立つかもしれません。

コミュニケーションをとる

あなたが学校でときどき無口になるのはなぜか、仲のいい友だちにきちんと理解してもらうことが大切です。内向性と外向性の違いを説明しましょう。友だちが外向型なら、相手の考えも聞いてみましょう。

好きなことを見つける

性格や特性に関係なく、これは誰にとっても大切なことですが、内向型にとってはとくに重要です。なぜなら、内向型の多くは、本当に好きなことに的をしぼってエネルギーを注ぐのが好きだからです。また、不安を感じているときこそ、強い情熱を持つことで心は明るくなるし、不安を乗りこえる勇気が得られるからです。不安は強敵ですが、情熱はそれ以上に強い友だちです。

心地よい居場所を広げる

誰にでも多少の柔軟性はあります。普段ならここまでという限界があっても、なにか目的があったり、好きなことに取り組んだりしているときは、その限界のちょっと先までがんばれるものです。人前で話をするなど、本当に苦手なところまで足を踏み出すときは、無理のない範囲で少しずつ練習することが大切です。

笑顔を大切に

笑顔はまわりの人々の気持ちをなごませるだけでなく、本人の気持ちも明るくして、自信を持たせてくれます。これは生物学的現象です。笑顔を作ることで、「なにも問題ない、大丈夫」という信号が体の各部に行き渡るのです。

このような働きをするのは笑顔だけではありません。自分の体に注目してみてください。自分が堂々としていられるときや、くつろいでいられるとき、どうなっていますか? 緊張しているときはどうですか? たとえば腕組みは、不安なときによくやるしぐさです。周囲に対して壁を作っているように見えるし、本人もそういう気分になります。つらそうに見えるしぐさはやめて、いつも笑顔でいるように心がけましょう。

 (※この連載は、毎週木曜日・全8回掲載予定です。次回は4月19日掲載予定です。)

スーザン・ケイン
プリンストン大学、ハーバード・ロースクールを卒業。<静かな革命>の創設者のひとり。著作の『Quiet』(邦訳『内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力』、古草秀子訳、講談社)は、世界40の言語に翻訳され、『ニューヨーク・タイムズ』のベストセラーになる。出演したTEDの動画の視聴回数は1800万回を超える。「思慮深いリーダーシップ」で、ハーバード・ロースクールのCelebration Award を受賞。『Inc.』誌により、「世界のリーダーおよびマネジメント専門家50人」に選ばれた。現在、夫とふたりの息子とともに、ハドソンリバーバレーに在住。

グレゴリー・モーン
作家。ビル・ナイとの共著により、『Jack and the Geniuses 』シリーズをはじめとする子ども向け読み物を多数発表している。

エリカ・モローズ
『ニューヨーク・タイムズ』のベストセラーとなった多くの子ども向け読み物の出版に、執筆協力者または共著者として関わっている。作家のほかに、助産師、陶芸家の顔も持つ。ニューヨーク在住。

【訳】西田 佳子 (にしだ よしこ)
名古屋市生まれ。東京外国語大学英米語学科卒業。英米文学翻訳家。訳書に〈警視キンケイド〉シリーズ(講談社)、『赤毛のアン』『小公子セドリック』『すごいね! みんなの通学路』(いずれも西村書店)、『ホートン・ミア館の怖い話』(理論社)、『テラプト先生がいるから』(静山社)、『わたしはマララ』(学研/共訳:金原瑞人)、『僕には世界がふたつある』(集英社/共訳:金原瑞人)などがある。

作品紹介

静かな力
内向型の人が自分らしく生きるための本

全米ミリオンセラー『Quiet(内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力)』のスーザン・ケインによる同テーマの最新刊。
定価:本体1,400円+税/学研プラス

バックナンバー

  • Facebook
  • LINE
  • Pinterest

あわせて読みたい