まず、味方をひとり作れ

矢都木二郎『麺屋武蔵 ビジネス五輪書』セレクション

更新日 2020.07.31
公開日 2017.04.27
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 若くして抜擢された店長が、行き詰まっていたことがあります。理想を語って、現場スタッフの意識を上げようとしても、誰もついてきません。
 そんな時、どうすればいいのか。
 言えるのは、「まず、味方をひとり作れ」ということです。

 たとえば、6人チームだとして、店長ひとりに対して5人がやる気がないとします。
 そんな時は、まずひとりを呼び込んで、自分の味方にする。ひとりの味方を作るなら、なんとかできるはずです。すると、2対4になるわけです。
 次は、2人がかりで、もうひとりつかまえて、味方にする。いっぺんに5人をつかまえようとしないで、ひとりずつ引き込んでいく。そうすると、3対3になる。
 そして、もうひとり。すると、4対2になります。
 過半数を超えると、あとはかなり速いです。だんだんスピードが上がってきます。

 大切なのは、環境です。
 オセロゲームと同じで、白が2枚で間に黒を1枚挟めば、黒は簡単に白にできます。白が増えれば、残りの黒をひっくり返すのは、もっと簡単になります。
 人を巻き込む力は、店長やリーダーとなる人にとって必要な力です
「カッコいいな」「ああなりたいな」というところを見せる。「マネしたい」というところを渡していく。
 こうして、いいチームができ上がります。

(※この連載は、今回で最終回になります。ご愛読ありがとうございました。この連載の内容は、『麺屋武蔵 ビジネス五輪書』に詳しく載っています。)

(※この連載は、毎週木曜日・全8回掲載予定です。2回目の次回は3月16日掲載予定です。)

 

矢都木 二郎 (やとぎ じろう)

株式会社麺屋武蔵 代表取締役社長。
1976 年 埼玉県生まれ。
創業者・山田雄のイズムを継承し 常に「革新的で上質」なラーメン店作りを目指す。
ラーメン界の新しい取り組みとして コラボレーション商品を多数提案。ロッテ カルビー 旭酒造といった企業から 自治体や生産者まで 幅広くコラボレートして 多くの革新的なラーメンを生み出す。「チョコレートからフルーツまで ラーメンにできない食材はない」と語り ラーメン店の無限の可能性に挑戦し続けている。
ラーメンの創作活動の傍ら 経営者として 業界の職種的地位向上に尽力。さらに職場環境 待遇の積極的改善 「料理ボランティアの会」を通じてのボランティア活動などを積極的に行っている。

◆主な経歴
・2001 年 株式会社麺屋武蔵 入社
・2003 年 「 麺屋武蔵 武骨」店主に就任
・2004 年 「 麺屋武蔵 新宿総本店」店長に就任
・2013 年 株式会社麺屋武蔵 代表取締役社長に就任

作品紹介

麺屋武蔵 ビジネス五輪書

20年間、業界のトップを走り続けるラーメンの名店・麺屋武蔵。創業以来脈々と伝わる「成功の極意」を2代目社長が語る。
定価:本体1,300円+税/学研プラス

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