「見える資産」と「見えない資産」

井上裕之『たった一度の人生を、自分らしく思い通りに生きる方法』セレクション

更新日 2020.07.17
公開日 2015.01.16
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 人生は蓄積です。昨年より今年、今年より来年と蓄えをふやしていく。しだいに蓄えが大きく、豊かになるのを感じることは本当にしあわせなことです。
 私がいう蓄積とは、お金や不動産などの資産をふやしていくことだけではなく、友だちや仲間、知性や感性など、人間性を豊かにしていくことすべてをふくんでいます。
 お金や不動産などの資産は「見える資産」。友だちや仲間、心を豊かにすることなどは「見えない資産」。本当に豊かな人生には、そのどちらも必要です。

 たいていの場合、豊かになりたいと願うと、「見える資産」をふやすことだけに時間やエネルギーを使います。その結果、気がついたときには、お金はあるけれど、友だちも仲間もなく、趣味さえない。そんなさびしい人生になってしまったりするのです
「見える資産」と「見えない資産」はどちらか一方しか手に入らないというものではありません。
 最高なのは、二つの資産がどちらもバランスよく豊かにあり、それがますます充実していく人生。それを実現するためのコツは、「見える資産」のお金を蓄えることにこだわりすぎないことです。
 友だちが困っているときには、それまで蓄えてきたお金を差し出すこともいとわない。そんな生き方から強い友情の絆がはぐくまれ、お金では買うことができない喜びやしあわせで満たされることもあるのです。

◎「蓄財の神様」はお金をなにに使ったか?

 明治時代に、本多静六(1866〜1952年)という資産家がいました。
 日比谷公園をはじめ、日本の代表的な公園を設計し、「公園の父」と呼ばれた人です。
 本多にはもう一つ名前がありました。それは「蓄財の神様」。東大をトップで卒業し、ドイツに留学した本多は、ドイツの、勤勉でムダ遣いはしないという堅実な生活スタイルに大いに影響を受けます。
 そして、収入の4分の1は最初から貯金し、少したまると山林や鉄道などに投資してどんどんふやしていきました。 50歳ごろにはざっと100億円もの資産を築いていたそうです。
 本多はこの資産のほとんどを、公共の事業に寄付してしまいます。それも匿名で。自身は、ものを書くことが好きで、静かに原稿を書いていればそれで満足という日々を送り、生涯に370冊以上の著作を残しています。
「見える資産」をしっかり築きながら、それにはとらわれず、「見えない資産」を心ゆくまで愉しんだ本多のような生き方。
 私は、強く心を引かれます。

 人生に必要なのは勇気と想像力。
 それと、少しのお金です。

チャールズ・チャップリン(1889〜1977)映画俳優・コメディアン

 

井上 裕之 (いのうえ ひろゆき)

歯学博士、経営学博士、コーチ、セラピスト、経営コンサルタント、医療法人社団いのうえ歯科医院 理事長。
島根大学医学部 臨床教授、東京歯科大学 非常勤講師、北海道医療大学 非常勤講師、ブカレスト大学医学部 客員講師、インディアナ大学歯学部 客員講師、ニューヨーク大学歯学部 インプラントプログラムリーダー、ICOI国際インプラント学会指導医、日本コンサルタント協会 認定パートナーコンサルタント。世界初のジョセフ・マーフィートラスト公認グランドマスター。
1963年、北海道生まれ、東京歯科大学大学院修了。歯科医師として世界レベルの治療を提供するために、ニューヨーク大学をはじめ、ハーバード大学、ペンシルバニア大学、イエテボリ大学など海外で世界レベルの技術を取得。 6万人以上のカウンセリング経験を生かした、患者との細やかな対話を重視する治療方針も国内外で広く支持されている。
また、医療に関することだけでなく、世界中のさまざまな自己啓発、経営プログラム、能力開発などを学びつづける。成功法則の権威ジョセフ・マーフィー博士による「潜在意識」と経営学の権威ピーター・ドラッカー博士による「ミッション」を総合させた「ライフコンパス」を提唱。
現在はセミナー講師としても全国を飛び回り、会場は常に満員。2012年8月に東京・日本青年館で1,000名の講演を実現し、2014年には日比谷公会堂で1,200名を超える伝説のセミナーを成功させている。

 

作品紹介

たった一度の人生を、自分らしく思い通りに生きる方法

何のために働くのか。目標に向かい生きる充実した日々は、どうすれば手に入るのか――。人生の答えを求めて毎日を真剣に生きる人々に向け、歯科医師でありセラピストである著者・井上裕之が贈る渾身のメッセージ、そして「自分の価値観」を磨くためのヒント。

定価:1,300円+税/学研プラス

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