《7》初歩の教材本選びは、プライドを捨てる。

千田琢哉『生き残るための、独学。』セレクション

更新日 2020.07.30
公開日 2018.07.30
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何か新しい分野の勉強を始めようと思ったら、

「基礎」の前の「初歩」が大切になる。

初歩とは、教科書のことだ。

つまり、完全にゼロの状態から取り組むための手引書と考えてもらいたい。

基礎とは、教科書を完全に理解するための傍用問題集のことだ。

理解できるかのチェックが「初歩」であり、

それを使いこなせるかのチェックが「基礎」である。

基礎の手前の初歩を完全にマスターしていなければ、その先の基礎レベル、

そしてその先の標準レベルや応用レベルには、永遠に到達することができない。

よく、勉強時間が長い割に成績が芳しくない生徒がいるが、

それは基礎の前の初歩が穴だらけといった場合がほとんどである。

たとえば高校の数学で挫折する人は、

本当は中学の数学や、それ以前の小学校算数に穴がある場合がほとんどなのだ。

どれだけウンウンと唸って高校の数学と格闘しても、

時間だけが無駄に過ぎていき、

いつまで経ってもできるようにはならない。

あらゆる勉強は、初歩が命なのだ。

だから、何か勉強を始めたければ、ネットで事前に情報を収集し、

できる限り書店に足を運び、実際に手に取って、しっくりきた教材を選ぶことだ。

ベストセラーの教材が、必ずしもあなたにピッタリの本であるとは限らないし、

有名な専門家の書いた本が、必ずしも今のあなたに役立つわけではない。

逆に、私自身の経験を言うと、

「こんな名著がどうして売れないのだろう?」と、

不思議に思った本が山のようにあった。

誰も知らない“自分だけの名著”を発掘した気分で、それはそれで快感だったが、

世間の評価と自分の感覚には、それほどに隔たりがあるということだ。

 

初歩を学ぶ教材を選ぶ時は、ちょっとした意識の転換が必要だ。

小学生向けの教材は、

大人がバカにできないほど

優秀な内容であると知ることだ。

考えてみれば当たり前の話だが、

小学生向けの教材は、小学生が作っているわけではない。

その道のプロたちが研究に研究を重ねて作り上げ、

各出版社による、長年の商品競争に勝ち残った教材のみが書店に置かれている。

苦手な教科の初歩をマスターしたいなら、プライドを捨てて、

ぜひ小学生向けの教材から始めてみてほしい。

また、ゼロから学ぼうと思うなら、

漫画教材でスタートを切るのも非常に有効だ。

初歩が盤石になると、その後のレベルアップの速度が加速度的に上がっていく。

基礎→標準→応用と最短時間で移行できるだろう。

 (※この連載は、毎週月曜日・全8回配信予定です。次回は、8月6日10:00配信予定です)

 

千田 琢哉 (せんだ たくや)

文筆家。 愛知県犬山市生まれ、岐阜県各務原市育ち。 東北大学教育学部教育学科卒。 日系損害保険会社本部、大手経営コンサルティング会社勤務を経て独立。 コンサルティング会社では、多くの業種業界における大型プロジェクトのリーダーとして戦略策定からその実行支援に至るまで陣頭指揮を執る。 のべ3,300人のエグゼクティブと10,000人を超えるビジネスパーソンたちとの対話によって 得た事実とそこで培った知恵を活かし、 “タブーへの挑戦で、次代を創る”をミッションとして執筆活動を行っている。

■E-mail
info@senda-takuya.com

■ホームページ
http://www.senda-takuya.com/

作品紹介

生き残るための、独学。
20代から人生を逆転する49の学習改革

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