コミュニケーションの基本は、「対等ではない」と知ること。

千田琢哉『20代で身につけるべき「本当の教養」を教えよう。』セレクション

更新日 2020.07.30
公開日 2017.01.23
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「お客様と対等の関係でビジネスをしましょう」
「うちは零細企業の取引先とも対等に付き合っています」
こうした美辞麗句を並び立てると世間にはウケるし、セミナーの集客もしやすい。
実際、私もコンサル時代は「対等」という言葉を巧みに操り、
人とお金を集めたものだ。
現実はもちろん、そんなに甘くはない。
この世の中に完璧に対等の関係などありはしないし、
もし完璧に対等の関係があったなら、世の中は成り立たないだろう。
上司と部下が対等なら、部下は上司の指示に従わなくてもいいし、
親と子が対等なら、子は親の指示に従わなくてもいい。
これでは世の中の統制が取れなくなることは、誰の目にも明らかではないか。
人間関係の基本は「対等な関係はない」と知ることである。
そしてもちろん、人間関係の血液であるコミュニケーションにも対等な関係などない。
あなたが誰かとコミュニケーションを取れば、そこには必ず上下関係が発生するのだ。
また、ここが人間社会の面白いところなのだが、
社会的地位が低くなればなるほど言葉遣いが荒くなり、
目上の相手にもタメ口を利いてくるようになる。
その理由は簡単だ。
自分たちより格下の人間はこの世にいないから、虚勢を張らざるを得ないのだ。
頂点と同じふりを演じ、命がけで精神的なバランスを取っているわけだ。
最底辺として必死にもがき苦しんでいるのだから、
ことを荒立てず、そっとしておいてあげるのも格上の人間の役割だ。
こうした最底辺を除き、タメ口を利いてくる相手とは、
あなたはすぐさま絶縁していい。
自分の専門分野を掘り下げていくうちに、他分野の勉強も必要だと気づかされる。
他分野の勉強を付加していくうちに、
勉強はすべてつながっていると気づくのが教養だ。

(※毎週月曜日、全8回掲載予定です。6回目の次回は1月30日掲載予定です。)

 

千田 琢哉 (せんだ たくや)

文筆家。 愛知県犬山市生まれ、岐阜県各務原市育ち。 東北大学教育学部教育学科卒。 日系損害保険会社本部、大手経営コンサルティング会社勤務を経て独立。 コンサルティング会社では、多くの業種業界における大型プロジェクトのリーダーとして戦略策定からその実行支援に至るまで陣頭指揮を執る。 のべ3,300人のエグゼクティブと10,000人を超えるビジネスパーソンたちとの対話によって 得た事実とそこで培った知恵を活かし、 “タブーへの挑戦で、次代を創る”をミッションとして執筆活動を行っている。

■E-mail
info@senda-takuya.com

■ホームページ
http://www.senda-takuya.com/

作品紹介

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