「知りません」が3度続くと、 そのご縁は流れる。

千田琢哉『20代で身につけるべき「本当の教養」を教えよう。』セレクション

更新日 2020.07.30
公開日 2016.12.12
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知らないことを正直に「知りません」と言うのは、一般に正しいことだ。
反論の余地はない。
知らないくせに知ったかぶりをしたら、あなたは軽蔑される。
だが、たとえ正直者でも、「知りません」が3度続くと、
相手とのご縁は流れるのもまた事実である。
それは20代の若者であっても同じだ。

こういうことをちゃんと教えてくれる人はとても少ないが、
将来成功する人は、20代の頃からすでにこうした問題をクリアできている。
将来成功する20代は、「知りません」が少ないのだ。
だから成功者たちは「若いのに、やるじゃないか!」と感心し、
食事に誘ってくれて、かわいがってくれるのだ。

たとえば私の場合、大学時代に1万冊以上の本を読んでおいたおかげで、
社会人になってから出逢ったどんなエグゼクティブたちの話題にも
喰らいついていくことができた。
最初からそれを狙っていたわけではない。
私はただ、エグゼクティブたちの本棚に並んでいる本の大半を読み終わり、
その内容を知っていただけだ。

まだ大学を卒業したての私が安岡正篤(やすおかまさひろ)や
中村天風(なかむらてんぷう)の裏話に触れると、
たいていのエグゼクティブたちは興奮して、つい話が長引き、
そのままランチやディナーに誘ってくれたものだ。
また、社長たちは戦争や歴史の話が好きな人も多く、
それらの本を貪るように読んでいた私は、ここでも彼らの心をつかんだ。
どんな質問をしたら相手が答えやすく、そして相手が引き立つのか。
つまり、どうすれば相手が私のことを好きになってくれるのか、
手に取るようにわかったのだ。

これに対して、将来成功できない20代は、
目上の人との会話の中で「知りません」を連発する。

ここだけの話、「知りません」が3度続くと、その出逢いはゲームオーバーだ。
冴えない20代は、目上の人が話題を振ってくれているという、
その事実の重大な意味がわかっていない。
目上の人が話題を振ってくるのは、自慢したいわけでもなく、暇だからでもない。
わざわざ格下の相手に自慢しても無意味だし、貴重な時間を無駄にするだけだ。
目上の人が話題を振ってくるのは、
あなたの教養を抜き打ちテストするためだ。
抜き打ちテストに合格した者だけがチャンスを与えられ、次のステージに進める。

20代だからこそ、「知りません」を少なくしておくことが大切なのだ。
20代だからこそ、「知りません」を少なくしておくと、チャンスをつかめるのだ。

教養は若い頃に身につければ身につけるほど、将来のリターンが大きい。
ハッキリ言って、緻密な計算に基づいて金融商品に投資するよりも、
教養に時間とお金を投資したほうが儲かるくらいだ。
今の私があるのはひたすら大学時代に読んだ本のおかげだし、
それらの知識を礎(いしずえ)として、社会に出てから
実戦で演繹(えんえき)と帰納(きのう)をひたすら反復し、
わずかな「教養」を習得したためだ。

もちろん教養に終わりなどないし、満点も存在しない。
それは私にとっても、あなたにとっても同じことだ。
だからこそ、教養を身につけるのはこの上なく楽しい。

(※毎週月曜日、全8回掲載予定です。2回目の次回は、12月19日掲載予定です。)

 

千田 琢哉 (せんだ たくや)

文筆家。 愛知県犬山市生まれ、岐阜県各務原市育ち。 東北大学教育学部教育学科卒。 日系損害保険会社本部、大手経営コンサルティング会社勤務を経て独立。 コンサルティング会社では、多くの業種業界における大型プロジェクトのリーダーとして戦略策定からその実行支援に至るまで陣頭指揮を執る。 のべ3,300人のエグゼクティブと10,000人を超えるビジネスパーソンたちとの対話によって 得た事実とそこで培った知恵を活かし、 “タブーへの挑戦で、次代を創る”をミッションとして執筆活動を行っている。

■E-mail
info@senda-takuya.com

■ホームページ
http://www.senda-takuya.com/

作品紹介

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