美人力のない人は、「ごめんなさい」ですべて片づけます。
おわびが多いのです。
おわびを言われると、相手を「怒っている人」にします。
僕は、客室乗務員の研修では、お客様に「ごめんなさい」を言わないようにアドバイスしています。
「ごめんなさい」を言われた側は、損した気分になるからです。
機内食の肉と魚で誰かが「肉」と言うと、魚にしようか迷っていた人も「肉」と言います。
みんな「肉」「肉」「肉」となって、後ろの50人には肉がなくなります。
「すみません、魚しか残っていないんです」と謝ると、魚しか選べない人は気の毒な立場に追いやられます。
これは、「すみません」が原因です。
「私は魚が食べたかったから、今日はラッキーだった」と言う人は、本来は損した感がありません。
どっちが得かわからないことなのに、「すみません」のひと言で、言われた側は「気の毒な人」になるのです。
おわびをしすぎないことが大切です。
謝らなければいけない場面でも、必要以上に謝ると、謝られている側が悪人になります。
まわりからは、「女のコに謝らせることないのに。あいつはイヤなヤツ」という目で見られます。
相手を悪人にしないことが大切なのです。
おわびで大事なことは、「共感」です。
相手の痛みを共有することです。
寒い中、待ち合わせに遅れてしまって、相手が凍えていたら、くどくど謝るよりも、「寒かったでしょう」と言って、すぐお店に入ることです。
そこで、冷静におわびをされるより、寒かったことをわかってもらえるほうが、相手は救われるのです。
(※毎週木曜日、全8回掲載予定です。5回目の次回は、12月15日掲載予定です。)
中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)
1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。
■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/
作品紹介
向上心のある大人の女性に向けて、年齢を重ねても魅力的の「美人力」を提案。人気の書籍をハンディ版として新装発売。
定価:本体900円+税/学研プラス
バックナンバー
- 美人は、 嫌われる覚悟を持っている。
- 美人は、 たくさんの服より、 似合う服を着ている。
- 美人は、 行き帰りが明るい。
- 美人は、評価ではなく、 自分の感情を表現できる。
- 美人は、 大人の話し方ができる。
- 美人は、 だんだん美人になる。
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