美人は、 だんだん美人になる。

中谷彰宏『美人力(ハンディ版)』セレクション

更新日 2020.07.17
公開日 2016.11.17
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 美人力のある人は、最初からいきなり「美人」と感じるわけではありません。
 映画のヒロインも、冒頭ではそんなに美人に見えないことが多いのです。
 ストーリーが進んでいくうちに、だんだん美人に見えてきます。
 これが、映画の魔法です。
 冒頭からいきなりスローモーションの美人で出てくるのは、悪役です。
 最初は美人に見えたのに、裏があったり、相手側のスパイだったりして、だんだん悪い人に見えてくるのです。
 映画「アバター」に出てくる細長い顔の女性は、最初は不気味です。
 それが、だんだんかわいく見えてきます。
 これが、美人の見せ方です。

 ワンクールのドラマで、最初はいまいちの女性が出てきます。
 もっときれいな女性は別にいます。
 ドラマに感情移入していくうちに、あまり目立たなかった女性がだんだんかわいく見えてきます。
 これが、本当の美人です。
 美人力があるということです。
 美人力のない人は、出オチです。
 パッと出てきて、「あっ、きれいだな」と思います。
 会った瞬間がピークで、あとは下り坂です。
 よく見ると、難点が見えてくるのです。
 これが、美人力のある人とない人との違いです。

 自分自身が「自分」という人生のドラマのヒロインになれるのです。
 その時は、出オチの美人より、だんだん美人に見えてくる美人を目指します。
 ここに、美人力の技があるのです。
 最初の印象がそんなに美人でないほうが、かえって逆転のチャンスがあります。
 冒頭のルックスだけで勝負しようとすると、そこからどんどん減点されます。
 美人力のある人は、だんだん美人に見えてくる見せ方ができます。
 ほうっておいても、ジワジワと美人度が上がっていきます。
 つきあえばつきあうほど、美人度が上がっていきます。
「また会いたい」と思われるのです。
 よく「美人は飽きる」と言われます。
 それは、表面だけで勝負しているからです。
 美人力のある人は、何枚も層が重なっています。
 見た目以外の美人の要素をたくさん持っているのです。
 つきあえばつきあうほど、味が出てきます。
 すぐ味がなくなるガムではありません。
 嚙めば嚙むほど、おいしくなるのです。

(※毎週木曜日、全8回掲載予定です。2回目の次回は、11月24日掲載予定です。)

 

中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)

1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。

■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/

作品紹介

美人力(ハンディ版)

向上心のある大人の女性に向けて、年齢を重ねても魅力的の「美人力」を提案。人気の書籍をハンディ版として新装発売。
定価:本体900円+税/学研プラス

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