美人力のある人は、最初からいきなり「美人」と感じるわけではありません。
映画のヒロインも、冒頭ではそんなに美人に見えないことが多いのです。
ストーリーが進んでいくうちに、だんだん美人に見えてきます。
これが、映画の魔法です。
冒頭からいきなりスローモーションの美人で出てくるのは、悪役です。
最初は美人に見えたのに、裏があったり、相手側のスパイだったりして、だんだん悪い人に見えてくるのです。
映画「アバター」に出てくる細長い顔の女性は、最初は不気味です。
それが、だんだんかわいく見えてきます。
これが、美人の見せ方です。
ワンクールのドラマで、最初はいまいちの女性が出てきます。
もっときれいな女性は別にいます。
ドラマに感情移入していくうちに、あまり目立たなかった女性がだんだんかわいく見えてきます。
これが、本当の美人です。
美人力があるということです。
美人力のない人は、出オチです。
パッと出てきて、「あっ、きれいだな」と思います。
会った瞬間がピークで、あとは下り坂です。
よく見ると、難点が見えてくるのです。
これが、美人力のある人とない人との違いです。
自分自身が「自分」という人生のドラマのヒロインになれるのです。
その時は、出オチの美人より、だんだん美人に見えてくる美人を目指します。
ここに、美人力の技があるのです。
最初の印象がそんなに美人でないほうが、かえって逆転のチャンスがあります。
冒頭のルックスだけで勝負しようとすると、そこからどんどん減点されます。
美人力のある人は、だんだん美人に見えてくる見せ方ができます。
ほうっておいても、ジワジワと美人度が上がっていきます。
つきあえばつきあうほど、美人度が上がっていきます。
「また会いたい」と思われるのです。
よく「美人は飽きる」と言われます。
それは、表面だけで勝負しているからです。
美人力のある人は、何枚も層が重なっています。
見た目以外の美人の要素をたくさん持っているのです。
つきあえばつきあうほど、味が出てきます。
すぐ味がなくなるガムではありません。
嚙めば嚙むほど、おいしくなるのです。
(※毎週木曜日、全8回掲載予定です。2回目の次回は、11月24日掲載予定です。)
中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)
1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。
■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/
作品紹介
向上心のある大人の女性に向けて、年齢を重ねても魅力的の「美人力」を提案。人気の書籍をハンディ版として新装発売。
定価:本体900円+税/学研プラス
バックナンバー
- 美人は、 嫌われる覚悟を持っている。
- 美人は、 たくさんの服より、 似合う服を着ている。
- 美人は、 行き帰りが明るい。
- 美人は、 座ってから、荷物を置く。
- 美人は、 「ごめんなさい」を言わない。
- 美人は、評価ではなく、 自分の感情を表現できる。
- 美人は、 大人の話し方ができる。
関連コンテンツ
- 中谷彰宏『怒らない人は、うまくいく。』セレクション
- 中谷彰宏『ブレない人は、うまくいく。』セレクション
- 中谷彰宏『かわいがられる人は、うまくいく。』セレクション
- 中谷彰宏『すぐやる人は、うまくいく。』セレクション
- 中谷彰宏『会話力のある人は、うまくいく。』セレクション
- 中谷彰宏『片づけられる人は、うまくいく。』セレクション
- 中谷彰宏『魅惑力』セレクション
- 中谷彰宏『決断できる人は、うまくいく。』セレクション
- 中谷彰宏『見た目を磨く人は、うまくいく。』セレクション
- 中谷彰宏『シンプルな人は、うまくいく。』セレクション
- 中谷彰宏『嫌いな自分は、捨てなくていい。』セレクション
- 中谷彰宏『迷わない人は、うまくいく。』セレクション
- 中谷彰宏『チャンスをつかむプレゼン塾』セレクション