お金が「増える人」の行動ルール②

午堂登紀雄『お金がどんどん増える人 お金がたちまち消える人』セレクション

更新日 2020.07.20
公開日 2015.07.08
  • Facebook
  • LINE
  • Pinterest

 お金が消える人は「1万円札」を大切にするが
 お金が増える人は「1円玉」を大切にする

 1万円札をくずしたがらない、という人がいる。
 小銭を優先して使い、財布の中の1万円札をなるべく使おうとしない。
 これはお金が消える習慣である。
 「結局は支出を抑えることにつながるのだから、別にいいのでは?」と思うかもしれないが、金額を絶対的な尺度で捉えるのではなく、お金の単位や種類で捉えている傾向が見て取れる。

 1万円札は千円札10枚が集まったものであり、合計1万円に変わりはない。
 しかし1万円札をくずしたがらない人は、いったんくずして千円札になった途端、減るスピードが速くなる。
 これはお札の単位を絶対的な金額ではなく相対的に考えて、「1万円札より価値が低いから軽く扱ってもいいや」と、気軽に使ってしまうためだ。

 お金を相対的に捉えているがゆえに、高額品になると途端に感覚がマヒする。
 たとえば300万円の自動車を買う際に、15万円するカーナビをオプションでつけることに躊躇しない。
 スーパーで買い物をするときには1円や10円単位で気にするが、自動車本体の300万円に比べれば、15万円は相対的に少額だから、「安い」「まあいいか」となる。
 相対比較ゆえに、自分が支払うことになる「金額」では考えられなくなるのだ。

 一方、お金が増える人は、財布の中の1万円札が9999円になっても、表面上の単位の変化にすぎず、金銭感覚が特に変わることはない。
 お札の種類が変わっただけで、ほぼ1万円に近い価値を持っていることに違いはない。
 彼らはそもそも買うものを非常にシビアに選別するから、1円単位の買い物でも、100万円単位の買い物でも、感覚は変わらない。
 たとえば製造業のオーナーは、部品の原価・販売価格を数銭単位で気にする一方、数千万円の工作機械を買う。投資家は為替のスプレッド(通貨の売値と買値の差)で0.1銭という差を意識しつつ、数億円のトレードをする。
 大胆さと繊細さが同居する冷静さを彼らは持っている。

 そんな彼らは、家や車を買うときも、購入額の分母が大きいからといって、気が大きくなってカーナビを割高なオプションで買う、といったことはない。もちろん本当に買わないということではなく、たとえ話だ。
 しかし実際に、年収1億円を稼ぐ私の友人は、同じ15万円のカーナビをネットショップで8万円で買い、取付費用1万5000円で業者につけてもらったそうだ。その差は5.5万円。
 本体価格の大きさに惑わされるのではなく、「いったい自分はいくら払おうとしているのか」「いったい自分はいくら節約できる可能性があるのか」「その価値は値段と比べて妥当か」を意識して値札を見ることだ。

 

午堂 登紀雄 (ごどう ときお)

1971年岡山県生まれ。米国公認会計士。中央大学経済学部卒業後、会計事務所、大手流通企業のマーケティング部門を経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームのアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして活躍。2006年、著書『33歳で資産3億円をつくった私の方法』(三笠書房)がベストセラーとなる。同年、不動産投資コンサルティングを行う株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズを設立。経営者兼個人投資家としての活動のほか、出版や講演も多数行っている。『お金の才能』(かんき出版)、『頭のいいお金の使い方』(日本実業出版)、『オキテ破りのFX投資で月50万円稼ぐ!』(ダイヤモンド社)、『日本脱出』(あさ出版)ほか著書多数。

 

作品紹介

お金がどんどん増える人 お金がたちまち消える人

貯めるより、増やすために頭を回転させる、それがお金持ちの鉄則です。一生お金に困らない「お金の才能」を身につけましょう!
定価:1,300円+税/学研プラス

バックナンバー

関連コンテンツ

  • Facebook
  • LINE
  • Pinterest

あわせて読みたい