お金が「増える人」の行動ルール③

午堂登紀雄『お金がどんどん増える人 お金がたちまち消える人』セレクション

更新日 2020.07.20
公開日 2015.07.15
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お金が消える人は「長財布」という結果から入るが
お金が増える人は「なぜか」という原因から入る

  お金持ちは長財布を使っている——。

  一時、そんな話題が流行したが、聞いたことがある人も多いと思う。
 「お札を大切にすれば、お札がいい気分になって、出ていきたがらなくなる」というオカルトめいた話はさておき、「お金の扱いが丁寧なら、お金が集まりやすい」というストーリーには、「なるほど」と感じさせるものがある。
  けれどもここで、
「どうもお金が増えるらしいから、今の二つ折り財布も古くなったことだし、長財布に買い替えようか」と思った人は、お金が消える人。

  なぜかというと、ある主張や理論に対して、その本質を考えようとしないからだ。

  実際、「長財布」と「お金持ち」の間には、論理の飛躍というか、かなり距離があるように感じないだろうか。長財布に替えた途端にお金が増えるとしたら、世の中はお/金持ちだらけになる。しかし現実はそうではない。

  専門家の言うことだから、正しい。本やテレビで言っていることだから、正しい。「そういうものだ」と断定されると、なんとなく納得してしまう。お金が消える人は、 こんなふうに主張の本質を考えることなく、鵜呑みにしてしまう。

 お金が増える人は、「要するに、それはどういうことか? 自分は何をすべきか?」を考える。つまり「その理論の背景にある本質」に思考を巡らせる。

 そこで、以下の二点を考える習慣を持つことを提案したい。

 一つは、「それが言わんとしていることの本質は何か」

 お金持ち=長財布論で言えば、重要なのは金銭管理の習慣化であって、お金を物理的に丁寧に扱うことではないだろう。これについては次項で詳しく述べたい。

 もう一つは、「裏づけとなる根拠は合理的か」
 お金持ちや高額所得者が長財布を持っているのは事実だ。確かに長財布だと、お札を折らずに収納できる。カードやポイントカード類も整理される。

 しかし現実には、二つ折りの財布を持っているお金持ちもいるし、そもそも財布すら持たないお金持ちもいる。

 最近は多くのものが電子マネーで支払えるため、スマホだけで済ませる人や、クレジットカードと電子マネーカードを入れたカードケースだけを持ち歩く人も増えた。

 実は私も後者派で、現在はカードケースのみで財布を持っていない。買い物はほぼネット通販で済ませるため、現金を持ち歩く必要がないのだ。カード決済ならポイントも貯まる。
 そうやって、なんとなく納得するのではなく、根拠まで突き詰める。わからなければネットで検索すればいい。異論反論含めて、様々な意見や事例が出てくるはずだ。

 そしてそれらを複合的に考察し、自分なりに合理性を認めたときに初めて、その主張や理論を受け入れる。

 お金が増える人は、そうやって真に腹に落ち、納得したことだけを取り入れる。だから行動に迷いがないし、その取り組みも真剣になれる。

 それで長財布がいいと思えば買い替えるし、でなければ今の財布を使い続ければいいだけ。

 そうした姿勢の有無は、日常の買い物だけでなく仕事にも影響するはず。それも稼ぎ力の差に通じるのではないだろうか。

 

午堂 登紀雄 (ごどう ときお)

1971年岡山県生まれ。米国公認会計士。中央大学経済学部卒業後、会計事務所、大手流通企業のマーケティング部門を経て、世界的な戦略系経営コンサルティングファームのアーサー・D・リトルで経営コンサルタントとして活躍。2006年、著書『33歳で資産3億円をつくった私の方法』(三笠書房)がベストセラーとなる。同年、不動産投資コンサルティングを行う株式会社プレミアム・インベストメント&パートナーズを設立。経営者兼個人投資家としての活動のほか、出版や講演も多数行っている。『お金の才能』(かんき出版)、『頭のいいお金の使い方』(日本実業出版)、『オキテ破りのFX投資で月50万円稼ぐ!』(ダイヤモンド社)、『日本脱出』(あさ出版)ほか著書多数。

 

作品紹介

お金がどんどん増える人 お金がたちまち消える人

貯めるより、増やすために頭を回転させる、それがお金持ちの鉄則です。一生お金に困らない「お金の才能」を身につけましょう!
定価:1,300円+税/学研プラス

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