ブレる人は、一喜一憂します。
ほめられたことも、けなされたことも、拡大解釈するからです。
ブレない人は、割り引いて聞きます。
ほめられても8掛けで聞き、けなされても8掛けで聞けるのです。
ブレる人は、ほめられた時は5割増しで聞いています。
そのかわり、けなされた時も5割増しで聞いてしまうので、つらいです。
一流のスポーツ選手は、メンタル力が重要です。
スポーツ新聞は、絶賛するか、少しでも成績が悪いとスランプと書かれます。
紙面に、困っている表情をした顔写真を使われてしまいます。
ブレる人は、ほめられた時に5割増しで聞いて有頂天になり、けなされた時も5割増しで聞くので、振れ幅が大きくなります。
スポーツ選手は、スポーツ新聞やファンのリアクションでつぶれることがあります。
ファンの声援は、割り引いて聞く必要があります。
興奮度が高いからです。
ファンのほめは、聞く前に5割増しになっています。
「天才」と言われていても、裏を返すと「やめろ」になったりします。
この傾向が最も強いのが、サッカーです。
サッカーのサポーターは、ほめる時はすごくほめますが、けなす時はすごくけなします。
サッカー選手は、その部分においてもメンタル力が鍛えられます。
これは、本当はあらゆるスポーツで起こっています。
外国に行くと、もっとアップダウンが激しいです。
選手よりも、ファンのアップダウンのほうが激しいのです。
ファンは自分が戦っていない分だけ、ほめる時は5割増しでほめ、けなす時も5割増しでけなします。
ほめるもけなすも、観客の楽しみだからです。
プロレスや競艇場、競輪場でファンが叫んでいる言葉は、すさまじいものです。
ブレないためには、言われた言葉をそのまま受けないで、割り引いて聞くことが大切なのです。
中谷 彰宏 (なかたに あきひろ)
1959年、大阪府生まれ。早稲田大学第一文学部演劇科卒業。84年、博報堂に入社。CMプランナーとして、テレビ、ラジオCMの企画、演出をする。91年、独立し、株式会社中谷彰宏事務所を設立。ビジネス書から恋愛エッセイ、小説まで、多岐にわたるジャンルで、数多くのロングセラー、ベストセラーを送り出す。「中谷塾」を主宰し、全国で講演・ワークショップ活動を行っている。
■中谷彰宏公式ホームページ
http://an-web.com/
作品紹介
うまくいく人は、ブレない生き方をしている。人に好かれようとするのではなく、自分軸で行動し、チャンスをつかむ方法を紹介する。
定価:本体1300円+税/学研プラス
バックナンバー
- ブレる人は、「なんとかして」と言う。 ブレない人は、「なんとかしよう」とする。
- ブレる人は、ミスをしないことを目指す。 ブレない人は、挽回することを目指す。
- ブレる人は、自分を嫌う人を、恐れる。 ブレない人は、嫌われると、自由になったと喜ぶ。
- ブレる人は、決めたあと、迷う。 ブレない人は、決断のあとは、迷わない。
- たった1人のために仕事をすれば、迷わない。
- 基準が、まわりの目になると、ブレる。
- ブレる人は、好かれようとして発言する。ブレない人は、自分軸で発言する。
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