学年が上がるにつれて難易度が上がる「算数」。基礎を積み上げて応用に発展する科目なので、一度つまずくと授業についていけなくなってしまうことも…。
中学、高校に進んでから苦手科目にならないためにも、小学生のうちにしっかり基礎となる算数力を身につけさせたいですね。算数の勉強方法はドリルや学習塾などさまざまですが、「算数検定を受験する」というのもそのひとつ。
今回は算数検定とはいったいどんなものなのかご紹介します。
算数検定(実用数学技能検定)ってどんな資格?
算数検定(実用数学技能検定)は、年間の受験志願者は37万7000人にのぼり(2017年度)、小中高生を中心とした受験志願者が毎年増加している人気の資格。受験タイミングは、年に3回(4月・7月・10月または11月)となっています。
全部で15段階の級に分かれており、小学校の算数レベルに合わせた11~6級と、未就学児向けのかず・かたち検定(シルバースター・ゴールドスター)が「算数検定」。中学から大学レベルに対応した5~1級が「数学検定」と呼ばれています。
出題内容は、主に算数・数学の実用的な技能をはかるもの。計算力はもちろん、論理的な思考や読解力、応用力、多角的な視点など、さまざまなスキルが試されます。解答はマークシートではなく記述式となっています。
算数検定の特徴と受験するメリット
・前学年分もおさらいできるから復習にぴったり
算数検定では、11級=小学校1年程度、10級=小学校2年程度といった具合に、以下のようなレベル設計になっています。
出題範囲は当該学年と前学年の2学年分にわたります(※11級とかず・かたち検定を除く)。たとえば、小学校6年生程度とされる6級では、小学5年生と小学校6年生の範囲が出題されるので復習にも適しています。
・受験に年齢制限がない
算数検定は、どの級を受験するのも個人の自由。算数が得意なら実際の学年より上の級にチャレンジしてもいいですし、学び直しをしたいなら下の級から受験することもできます。年齢に関係なく、実力のみで評価されるということですね。
・独自問題で算数のセンスを磨ける
算数検定の問題は、小学校で習う基礎的な算数に対応したものですが、算数検定オリジナルの「特有問題」が10%程度出題されます。教科書には出てこない応用的な思考を問う問題でひとつ上の算数力を鍛えられます。
・合格証、個別成績表がもらえる
合格すると、賞状のような立派な合格証がもらえるのでお子さまの自信にもつながります。個別成績表では、得意な問題と不得意な問題をそれぞれ指摘してもらえ、今後の学習のアドバイスや、成績に応じたおすすめ問題などのサポートも。合否や成績にかかわらず、次の学習の一歩をサポートすることを目的にしているため、継続的な学習にも役立ちます。
・中学受験が有利になる場合も
算数検定には入試優遇制度があります。中学受験において、一定以上の級に合格していれば内申点が加算されたり、総合的な判断材料の一部となったりするなど、算数検定を合否考査に利用している学校があるのです。大学や高校でも入試優遇制度を設置している学校があるので、持っていて損のない資格だといえます。
(※入試優遇制度が設置されている学校については公式サイトを参照ください。)
参考書籍、練習問題…合格するための勉強方法は?
算数検定の勉強には、過去問題を中心とした繰り返し学習が合格の近道。記述式なので、「解法を理解しているか」という基礎力が鍵になってきます。繰り返し問題を解いて「どうして間違えたのか、どうしてわからなかったのか」を確認し、苦手箇所を克服しましょう。
また、受験対策用の参考書籍・練習問題も各出版社から販売されています。直近6回の過去問題を収録した各級ごとの過去問題集のほか、短期で合格するための攻略問題集などもありますので、お子さまのレベルに合わせて使ってみるのもいいですね。
まずは過去問題にチャレンジ!
公式サイトでは、受験サポートの一環として1回分の過去問題を公開しています。解答用紙、模範解答もついているので、ダウンロードしてプリントアウトすれば模擬問題として取り組めます。どの級を受験するか迷ったら、無料で入手できるこの過去問題でまず実力だめしをしてみるのがおすすめです。
学年ごとの算数がわかりやすく学べ、お子さまのやる気につなげやすい、算数検定。中学以上の実力が試される数学検定(5級以上)にチャレンジしている小学生のお子さまもたくさんいるそうです! 算数が苦手科目のお子さまも徐々にステップアップして自信をつけていけば、いつの間にか得意科目になるかもしれませんね。
ライター:ミナミダ カズキ
教育系出版社の編集者を経てフリーに。編集者時代は幼児教育や中学受験に関する企画を数多く取り扱う。現在は各種WEBメディアに執筆している他、幼児向け教育アプリのシナリオライターとしても活動している。
※このコラムは、「ガッケン!ハッケン!学研ゼミ 保護者のよみもの ハッケン!みっけ!」に掲載されていたものです。
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