子どもたちが待ちに待った夏休み。プールや旅行などイベントたくさんで楽しい夏休みですが、どっさり出された宿題は悩みのタネですよね。2歳年上の長女が、毎年夏休みにがんばって宿題に取り組む姿を見ていたので、小学生に上がったばかりの長男は、やる気満々で宿題に挑みます。今回は自由工作にチャレンジしたので、テーマ決めから完成まで、親子でがんばった過程をレポートしたいと思います。
はじめての夏休み、自由課題は工作に決定。何を作ろう!?
夏休みの宿題の出し方は、小学校によって少しずつ違うと思います。自由課題も、学校によって様々ですよね。我が子の通う小学校では、1年生の宿題は少なめです。算数と国語のドリルに加え、たくさんの自由課題から1つだけ選んで提出すればOKです。息子はその中から、貯金箱コンクールへ出品する作品を作ることにしました。こういったコンクールは貯金箱以外にもあるので、何を作るのかを決めるのに役立ちます。
どんな貯金箱にしようかな。
貯金箱を作ることは決まりました。次は、どんな貯金箱を作るか、です。貯金箱コンクールの応募要項を確認すると、
・大きさを縦25cm×横25cm×高さ25cm以下にすること
・市販の工作キットは不可
・工作に関する本を模倣するのも不可
など、いろいろな制約がありました。これらをクリアしつつ、本人の希望をなるべく取り入れた作品を目指したいと思います。
私は工作の本に載っていたビー玉迷路を参考に、硬貨を滑らせて迷路を進み、ゴールの穴に落として貯金する仕組みの貯金箱を提案しました。しかし、迷路を作るのが大変そうだと長男が却下。投入した硬貨が平らに並ぶ貯金箱を作りたいとのことでした。さらに、硬貨の選別ができるといいなという希望も出てきました。私が硬貨を選別する貯金箱の作り方は、インターネットで検索するとたくさん出てきたので、何とかなるだろうと作成に取りかかりました。
作ってみよう!
最初に設計図を本人に書いてもらいました。雰囲気が出るし、イメージが共有しやすいと思ったのです。透明なふたを付けた額縁のような形なので高さはありません。縦と横は制約の縦25cm×横25cmの最大サイズで作ることにしました。長男は金額順に並べた図を描きましたが、この時、硬貨の大きさを比べさせて、金額と大きさの順番が、実は一緒ではないということを学びました。まだお金を使うことになれていない1年生の我が子にはいい勉強になりました。
イメージが固まったら、参考にした工作の本やインターネットの情報をもとに、必要な材料を書き出し、買いに行きます。ホームセンターは木材の種類も大きさも豊富ですが、逆に迷ってしまい選ぶのに時間がかかります。
材料は100円ショップで調達することにしました。近所で一番規模の大きい100円ショップに行くと、ちょうどよい材料が売っていました。最近の100円ショップは品ぞろえも豊富で、ちょっとした木材や加工のための工具もコストをかけずに取りそろえることができます。接着剤なども、使い切りで無駄に余らせることのない小さなサイズのものが見つかります。今回は厚さ6mmで縦30cm×横40cmの木の板と、厚さ3mmで幅1cm×長さ100cmの棒状の板、そして透明な下敷き、さらに木工用接着剤を購入。とりあえず100円ショップで材料をすべてそろえることができました。
家に持ち帰って、さっそく作り始めました。まず板を25cm×25cmにカット。夫がDIY好きで、長男は何度かノコギリを使ったことがありますが、切り始めは難しいので私が補助をします。そして棒状の板をちょうどよい長さにカットしながら、うまく硬貨が滑るような角度に調整しつつ、両面テープで仮組みしていきます。
硬貨の選別がうまくいかず…
ここで問題が発生。硬貨を縦に転がして選別しようとすると、どうしても引っかかってしまいうまくいきません。インターネットで調べた選別貯金箱は、硬貨を平らに置いて滑らせて穴に落とす形式ばかり。長男の希望する額縁タイプでは選別ができないので、形式を変えたほうがいいのでは?と提案しますが、どうしても額縁式がいいと言って譲りません。私は頭をひねって考えに考え、スライド部分を2重にすることで、横に滑らせつつ額縁に落ちていく構造を思いつきました。
選別穴の部分は木材で作ると微調整が大変そうなので、家にあった厚紙で作りました。硬貨のサイズぴったりで作ると落ちないので、少しずつ大きくしながら調整します。
ここまでくれば、あとはどんどん組み立てるだけ。なるべく長男が主体で作業しながら、危ないところは私が補助して進めていきました。また、長男の設計図通りだと入れた硬貨を取り出せないので、下側にカンヌキのような仕組みを作り、硬貨を取り出せるようにします。さらに長男の希望で金色ホログラムのシートを表面に貼り、とてもお金がたまりそうな、派手な仕上がりの貯金箱になりました。
まとめと感想
本人はでき上がりに大満足です。何度も硬貨を入れて選別して遊び、楽しそう。たまに選別がうまくいかず違うところに入ってしまいますが、ご愛嬌ということで…。今回、姉である長女は見ているだけでしたが、来年は貯金箱に挑戦したいとやる気が出てきたようです。
今回、長男の希望を取り入れつつ選別可能な貯金箱にするのに、大変頭を使いました。うまくいってよかったです。また、いままでコンクールに応募したことがなかったのではじめて知ったのですが、工作キットは不可、工作本の模倣も不可など、条件が厳しいと感じました。しかし、工作本のアイデアをもらいつつ、飾り付けや仕組みを追加するなど工夫を行えば大丈夫だと思います。
このような工作は、まだまだ子どもの小さいうちは保護者の協力が不可欠だと実感しました。どれくらい手助けをしていいのか、という悩みが出るかもしれません。私の基準は、子どもが「自分が作った自分のもの」と思えるかどうか、というところです。アイデアはあくまでアドバイスとして出し、採用するかどうかは本人に決めてもらいます。どんな作業にも必ず本人が携わるようにします。時にはノコギリや、カッターを使うシーンもありますよね。無理に本人にすべてやらせようとして、怪我をしたり、くじけたりしては大切なことをまなびそびれてしまいます。「自分が作った!」、という達成感と問題を解決する過程での様々なまなびが大切ですよね。
私は手作り好きなので苦になりませんでしたが、保護者様が手作りが苦手だったりすると、少し大変だと思うかも知れません。
アイデアを出すのも難しい、という方は学研キッズネットのように、様々なアイデアを見つけられるサイトもあります。「からくり工作ブック」や、「かんたん ティッシュ工作」のような工作本もおすすめです。
100円ショップで材料をそろえればほとんどお金もかかりませんし、子どもと頭を悩ませながら取り組むのも楽しいものです。お子さまが工作を希望していたら、ぜひチャレンジして欲しいと思います。
ライター 秋庭真理子
小学校3年生の女の子と1年生の男の子、3歳の女の子を持つママライター。子どものまなびを学校や塾だけに任せず、できるだけ自分が関わりながら取り組むことをモットーにしている。新しい教材などにも積極的にチャレンジしながら、子どもの興味を広げたり、どうやったらやる気にさせたりできるか、試行錯誤の毎日。
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※このコラムは、「ガッケン!ハッケン!学研ゼミ 保護者のよみもの ハッケン!みっけ!」に掲載されていたものです。
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