子どものころ、アサガオを育てた経験をお持ちの保護者の方も多いのではないでしょうか。今でも多くの小学1年生が、学校学習でアサガオを育て、夏休みに自宅に持ち帰ります。せっかくの機会なので自宅でも枯らさずに、上手に育ててあげたいですよね。そこでお家庭で手軽にできる自然観察として、アサガオの上手な育て方をご紹介します。
アサガオが小学1年生の学習に適している理由
なぜ一般的な小学1年生用の教材として、アサガオが選ばれているかをご存知でしょうか。
アサガオは基本的に、水さえあげていれば成長します。初めて植物を育てるお子さまでも、育てやすいのが大きな特徴です。
また、成長とともに発見や驚きがある、おもしろい植物だというのも理由の1つです。成長するとどんどんつるが伸び、それが近くの棒や柱に巻き付いてさらに伸びていきます。
朝になると一斉に花が開き、日が落ちる頃になるとすっかりしぼんでしまいます。でも、また次の朝には綺麗な花を咲かせてくれるのです。
そのようなアサガオの様子を見て、驚きとともに興奮を覚えた記憶はありませんか?
また、伸びたつるをそのままにしていてはいけませんよね。支柱を立ててうまく巻き付くようにサポートしてあげたり、絡まっていれば優しくほどいてあげたり。小学校低学年のお子さまでも、考えながらきちんとお世話ができる植物。それがアサガオなのです。
学校から持ち帰ったアサガオ。枯らさない育て方のコツは?
さて、学校で育てたアサガオは、夏休みに自宅へ持ち帰るケースが多いでしょう。すると夏休みの間は、ご自宅でお世話をすることになります。せっかくならば枯らさずに、たくさんの花を咲かせる姿を見て、再び学校に持っていかせたいところですね。そこで、アサガオを枯らさないためのコツをご紹介します。
1.水やりは土が乾いてから
植物を元気に育てるには、水やりがとても大事です。水はやりすぎると根腐れするし、足りなければしおれてしまいます。意外と、その植物に対して適切な水やりって難しいものなのです。
水やりをするかどうかは土の表面を見て判断できます。湿っていたら、水はやりません。白く乾いていたり、葉っぱがしおれて下を向いていたりしたら、たっぷりと水をあげましょう。
2.必要に応じて肥料を与える
基本的に、水やりだけで充分に育つ植物です。しかし、花を多く咲かせるので栄養分が必要になります。葉っぱがあまり育たない、花が咲かないなど気になるところがあれば、液体肥料を1本差してあげてみても良いでしょう。
植物用の液体肥料は、ホームセンターなどで手軽に購入できます。必須ではありませんが、状況に応じて使ってみてください。
3.鉢植えを置く場所を工夫する
鉢植えを置く場所は、日当たりと風通しの良い、地面の上がベストです。コンクリートやアスファルトの上では、気温によっては温度が上がりすぎてしまい、アサガオにとって厳しい環境となります。
これは住居環境によるため、難しい場合は「すのこ」の上に鉢植えを置くなど、工夫をしてあげましょう。可能な場合は地面の上に鉢植えを置いて、アサガオのために環境を整えてあげると良いですね。
アサガオを使った楽しみ方のご紹介
ただ育てて、花を眺める自然観察だけが、アサガオの楽しみ方ではありません。せっかく時間のある夏休みですから、アサガオを使ってさまざまなことにチャレンジしたいものですね。
・成長日記をつける
アサガオは、毎朝違った表情を見せてくれます。花の数が増えていたり、色違いの花を咲かせたり。そんな成長の様子を、毎日日記につけさせてみるのはいかがでしょうか。
イラストにコメントを添えて1か月間続けてみれば、それはれっきとした作品となります。夏休みの自由研究にしても良さそうですね。
毎日の成長日記をつけることで、お子さまが毎朝の水やりを習慣にするようになり、植物に対する親しみもわくでしょう。
・花を使って、色水遊びや押し花を作る
アサガオは、ピンクや紫の綺麗な花を咲かせます。その花を使って、色水遊びや押し花作りをして遊びましょう。
作った色水を使って、お絵かきや染め物ができます。普通のペンを使ったお絵かきとはひと味違った絵に仕上がるので、保護者の方も一緒に楽しめるはずですよ。
色水の作り方は簡単です。
ジッパー付きの袋に入れて手で潰すのが簡単な方法です。花の数が少なく、思ったように色水が取れなかった場合は、一旦冷蔵庫で冷やしておけば長持ちします。
また押し花はお子さまと一緒に楽しく作ることができます。押し花の作り方は以下の通りです。
・本などの上にティッシュなどの紙の上に置く
・その上に出来上がりをイメージしながらアサガオを置き、ティッシュなどの紙を重ねて本を閉じる
・重しとして本を重ねる
押し花を作ったら、先述の成長日記に貼り付けても良いですね。
自然への興味を引き出そう
アサガオは花が終わると、種が取れます。その種を下級生にプレゼントしたり、自宅に持ち帰って来年植える楽しみにしたりできるのもアサガオの魅力の1つです。理科の授業がはじまるのは小学3年生からですが、それより前にお子さまの興味や関心の幅を広げるために、アサガオを有効に活用したいものですね。
また、アサガオを通じて植物に興味を持ったら、次のステップとして、キャンプやハイキングなどに誘い出し、お子さまが自然体験をさせてみてはいかがでしょうか。自然体験をはじめ、体験型の学習はお子さまの成長に良い影響を与えます。興味を持ったものにはどんどん参加させ、いろいろな経験をさせてあげたいですね。
ライター 七尾 なお
生活コラムから経済誌まで、ウェブや雑誌を問わずさまざまな媒体で執筆をするフリーライター。男の子と女の子の二児の母。父親向けのコラム執筆や、育児に奮闘する保護者向けの情報サイトの運営など、教育関連の執筆にも力を入れている。
※このコラムは、「ガッケン!ハッケン!学研ゼミ 保護者のよみもの ハッケン!みっけ!」に掲載されていたものです。
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