子どもは成長するにつれて、いろいろな職業に興味を持ち始めます。いつも行っているケーキ屋さんやテレビで見るアイドル、町で出会ったお巡りさんなどさまざまな仕事があこがれの対象になります。
そんなあこがれの仕事を実際に体験しながらさまざまなことが学べるのが、「お仕事体験」です。お仕事体験は、企業が独自に行っているものから、お仕事体験ができる専用のテーマパークまで、いろいろな種類があります。
今注目のお仕事体験には、どんなメリットがあるのでしょうか。子どもがお仕事体験をすることのメリットと、おすすめのお仕事体験を詳しくご紹介します。
子どもがお仕事体験をするメリット
実体験を通して学ぶ体験学習の一つである「お仕事体験」にはさまざまなメリットがあります。
1.社会の仕組みを理解できる
例えば、職業体験のテーマパークなら、仕事をした後は、パーク内で使用できる疑似通貨をもらうことができます。仕事をした対価として給料がもらえるという社会の仕組みを、経験を通して理解できます。また、パーク内ではその通貨で買い物をすることもでき、「欲しいものを買うにはいくら必要か」など、金銭感覚を養うことにもつながります。
2.やりがいが挑戦する姿勢を育む
宅配便の仕事なら荷物をお客さんに届けたり、看護師なら患者さんのケアをしたりと、どんな仕事にもなすべきことがあり、やり遂げた際の達成感を味わうことができます。お仕事体験で「ありがとう」と言ってもらえる喜びとやりがいを味わうことで、さまざまなことに挑戦する姿勢ができます。同時に仕事の苦労や大変さも分かるので、保護者が働いていることへの感謝の気持ちを持つきっかけにもなります。
3.問題解決をする力を伸ばせる
お仕事体験で取り組む課題が、必ずしも子どもの得意なものとは限りません。いざやってみると思ったよりも難しく、うまくいかないということもあるでしょう。しかしお仕事体験では、「自分のお仕事」「お客さんから頼りにされている」などの前向きな気持ちから、どうすればうまくやれるかを子ども自身が考えるようになります。また保護者は仕事に取り組む子どもから、「調理をするのは楽しいけれど、接客をするのは苦手』など、子どもの得意、不得意を知ることができます。
4.進路を決めるきっかけになることも
お仕事体験をしながら、実際にその仕事に就くために必要な知識や技術・技能などを理解することができるようになります。子どもによっては、あこがれがより明確になり、その後の進路選択のきっかけになることもあります。
「あこがれの職業に就くために」という気持ちが、主体的に勉強に取り組むための動機になることもあります。
お仕事体験ができる場所
・たくさんのお仕事が一度に体験できるお仕事体験テーマパーク
「キッザニア」や「カンドゥー」など、お仕事体験をテーマにしたテーマパークもあります。子ども向けのお仕事体験施設で、実在の企業がスポンサーをしているので、本格的なお仕事体験を一度にすることができます。仕事の中には単純な作業もあり、小さな子どもでも、「自分でできた」という達成感が得られやすいでしょう。保護者から離れて、仕事の指示を聞いたり一緒に仕事を子ども同士と助け合ったりと、子どもの自立心を刺激します。
チームで役割分担をし、一つの仕事を成し遂げるようなことにも挑戦しましょう。実際に仕事をする際も、他の子どもと協力し合って、物事を進めていきます。コミュニケーションや、役割分担の大切さなどが学べます。
・家の近所でできるお仕事体験
「マクドナルド」や「ドミノピザ」など、実際の店舗でお仕事体験を実施している企業もあります。無料または、材料費のみで、手軽に体験できることも魅力的です。身近なお店の裏側を見られることも子どもにとってはいい刺激になります。
・地域のイベントもチェック
ショッピングモールや商店街などのイベントの一環として子ども向けの職業体験を行っていることがあるので、こまめにチェックするといいでしょう。革小物などを扱う職人さんがワークショップとして実際にお店の機械を使わせてくれることもあります。普段では体験できないことが体験できるチャンスがあります。
コミュニケーション能力を高めたり、達成感や、やりがいを知ったり、お仕事体験を通じて学べることはたくさんあります。実際の職業を選ぶのはずっと先かもしれませんし、子どものころに描いた夢とは別の職業を選ぶかもしれません。しかしお仕事体験を通じて学べるのは、子どもたちが生涯にわたって必要とされるものばかりです。決して無駄になることはありません。
まだ経験させたことがない、という方はぜひお子さまと楽しんでみてくださいね。
ライター:marie
園児である子どもの子育てとライティング業務をこなすママライター。 未就学児のころから英語教育を始めるなど、児童教育に興味を持ち、親子ともどもさまざまなものにチャレンジしている。
※このコラムは、「ガッケン!ハッケン!学研ゼミ 保護者のよみもの ハッケン!みっけ!」に掲載されていたものです。
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