コミュニケーションの基本は、「対等ではない」と知ること。
千田琢哉『20代で身につけるべき「本当の教養」を教えよう。』セレクション
「お客様と対等の関係でビジネスをしましょう」
「うちは零細企業の取引先とも対等に付き合っています」
こうした美辞麗句を並び立てると世間にはウケるし、セミナーの集客もしやすい。
実際、私もコンサル時代は「対等」という言葉を巧みに操り、
人とお金を集めたものだ。
現実はもちろん、そんなに甘くはない。
この世の中に完璧に対等の関係などありはしないし、
もし完璧に対等の関係があったなら、世の中は成り立たないだろう。
上司と部下が対等なら、部下は上司の指示に従わなくてもいいし、
親と子が対等なら、子は親の指示に従わなくてもいい。
これでは世の中の統制が取れなくなることは、誰の目にも明らかではないか。
人間関係の基本は「対等な関係はない」と知ることである。
そしてもちろん、人間関係の血液であるコミュニケーションにも対等な関係などない。
あなたが誰かとコミュニケーションを取れば、そこには必ず上下関係が発生するのだ。
また、ここが人間社会の面白いところなのだが、
社会的地位が低くなればなるほど言葉遣いが荒くなり、
目上の相手にもタメ口を利いてくるようになる。
その理由は簡単だ。
自分たちより格下の人間はこの世にいないから、虚勢を張らざるを得ないのだ。
頂点と同じふりを演じ、命がけで精神的なバランスを取っているわけだ。
最底辺として必死にもがき苦しんでいるのだから、
ことを荒立てず、そっとしておいてあげるのも格上の人間の役割だ。
こうした最底辺を除き、タメ口を利いてくる相手とは、
あなたはすぐさま絶縁していい。
自分の専門分野を掘り下げていくうちに、他分野の勉強も必要だと気づかされる。
他分野の勉強を付加していくうちに、
勉強はすべてつながっていると気づくのが教養だ。
(※毎週月曜日、全8回掲載予定です。6回目の次回は1月30日掲載予定です。)
千田 琢哉 (せんだ たくや)
文筆家。 愛知県犬山市生まれ、岐阜県各務原市育ち。 東北大学教育学部教育学科卒。 日系損害保険会社本部、大手経営コンサルティング会社勤務を経て独立。 コンサルティング会社では、多くの業種業界における大型プロジェクトのリーダーとして戦略策定からその実行支援に至るまで陣頭指揮を執る。 のべ3,300人のエグゼクティブと10,000人を超えるビジネスパーソンたちとの対話によって 得た事実とそこで培った知恵を活かし、 “タブーへの挑戦で、次代を創る”をミッションとして執筆活動を行っている。
■E-mail
info@senda-takuya.com
■ホームページ
http://www.senda-takuya.com/
作品紹介
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- 「面白くないから笑わない」は、 何の自慢にもならない。
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- 競争は避けられないが、 かわし方に知性が出る。
- 「そんなの知るわけがないよねぇ?」と 共感を求めてくる相手とは、 今すぐ絶縁する。
- 「知りません」が3度続くと、 そのご縁は流れる。
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