運の良い人は絶体絶命の危機に遭っても、神風に吹かれるように生き延びる、
という話はすでに述べた通りだ。
私もこれまでの人生で、何度かこれを経験し、最近では「どうせまた神風が吹くのだろう」とわかるようになってきた。
さて、ここからが大切なのだが、神風が吹くから幸運なのではない。
地獄のどん底に落とされ、どん底から這い上がる機会を与えられることが幸運なのだ。
私がこれまでに出逢ってきた長期的な成功者が、例外なく経験していたこととは、次に述べるたった二つのことである。
一つ目は、どん底に落ちぶれたことである。
どん底を経験していない長期的な成功者は、私の知る限り一人もいなかった。
二つ目は、どん底から這い上がると決断したことである。
どん底でふて腐れていると、そのまま人生の敗北者で終わってしまう。
せっかくどん底から這い上がるチャンスを与えられているのに、これではもったいない。
与えられたチャンスをきちんと摑むことで、初めて幸運は獲得できるのだ。
私自身の経験を虚心坦懐に振り返ってみると、
一度、地獄のどん底に落ち、そこから這い上がる際に、
次のステージで羽ばたくための筋トレをしていたことに気づかされる。
換言すれば、神は次のステージで大きく飛躍するための筋トレをさせるために、あえて私をどん底に突き落としてくれたのだ。
どん底に落ちぶれ、うなだれている経営者に対して、私は次の言葉を贈った。
「本物の幸運の持ち主は、必ずどん底から這い上がります」
これだけは断言してもいいが、
人生はどん底に落ちても絶対に終わらない。
どん底に落ちてふて腐れた瞬間に、人生は終わるのだ。
千田 琢哉 (せんだ たくや)
文筆家。 愛知県犬山市生まれ、岐阜県各務原市育ち。 東北大学教育学部教育学科卒。 日系損害保険会社本部、大手経営コンサルティング会社勤務を経て独立。 コンサルティング会社では、多くの業種業界における大型プロジェクトのリーダーとして戦略策定からその実行支援に至るまで陣頭指揮を執る。 のべ3,300人のエグゼクティブと10,000人を超えるビジネスパーソンたちとの対話によって 得た事実とそこで培った知恵を活かし、 “タブーへの挑戦で、次代を創る”をミッションとして執筆活動を行っている。
■E-mail
info@senda-takuya.com
■ホームページ
http://www.senda-takuya.com/
作品紹介
著者・千田琢哉が経営コンサルタント時代に経営者たちと正面から向き合い、本気で投げかけた、真剣勝負の言葉の数々を紹介する。
定価:本体1,300円+税/学研プラス
バックナンバー
- 最終的な勝者は、最初は失敗するものですよ。
- 勝率の高さは問題ではなく、勝つべき時に勝てばいいのです。
- 部下が軽蔑するのは、間違えるリーダーではなく、決断しないリーダーです。
- 斜陽業界は、逆にチャンスですよ。
- ストップの合図は私がします。それまで存分に突き進んでください。
- 最後の泥沼までお付き合いします。
- 経営者の心を揺さぶる“本気の言葉”
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