貴重なニホンオオカミの剥製を発見した小学生の自由研究が一冊の本に!

『動物感動ノンフィクション まぼろしの動物 ニホンオオカミ』

公開日 2025.06.13
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生き物好き、オオカミ好き必読。児童書新刊『まぼろしの動物 ニホンオオカミ 小学生、なぞのはくせいの正体を追う』が6/2発売!

 100年以上も前に絶滅し、その詳細も明らかになっていない、まぼろしの動物ニホンオオカミ。その世界で6体目となる剥製を発見した小学生(当時)の研究の過程が、一冊の児童書となりました。

▲暖かみのあるカバーイラストを手がけたのはイラストレーターの坂口友佳子さん。

▲剥製を発見した小森日菜子さん。2025年6月現在は中学3年生。

▲小森さんが調査した剥製。

 貴重な剥製を発見したのは、当時小学4年生だった小森日菜子さん。2020年11月、つくばにある国立科学博物館の研究施設に、見学のイベントで訪れた際、ニホンオオカミと思われる剥製を発見しました。「頭の中のレーダーがピピッと反応した」という小森さんは、専門家の力も借りながら、調査を開始。剥製がどこからどのようにしてやってきたのかを解明するため、剥製をとことん観察し、また膨大な資料を読み込みました。

 1年後、小森さんは調べたことを『ヤマイヌ~私が解明したい謎のニホンオオカミ~』として自由研究にまとめあげます。この自由研究は、第25回「図書館を使った調べる学習コンクール」(主催:公益財団法人 図書館振興財団)で文部科学大臣賞を受賞しました。

▲小森さんがまとめた自由研究。

 その後、調査に協力してもらった専門家の勧めもあり、学術論文としてまとめることを決意。綿密な検証を重ね、2024年2月、中学1年生の時に小森さんは専門家らと共に論文『国立科学博物館所蔵ヤマイヌ剥製標本はニホンオオカミCanis lupus hodophilaxか?』を発表しました。

 剥製との出会いからおよそ3年と3か月、ついに文献情報などからニホンオオカミの剥製であることが示唆された瞬間でした。このことはニュースなどでも取り上げられ、大きな話題を呼びました。

▲真ん中が小森さん。手前が調査した剥製。左端は研究者の川田伸一郎氏(国立科学博物館)。右端は同じく研究者の小林さやか氏(公益財団法人 山階鳥類研究所)。

 今回の書籍では、『消えたレッサーパンダを追え! 警視庁「生きもの係」事件簿』(Gakken)などの著書がある児童文学作家のたけたにちほみさんが、小森さんの発見から研究の過程を子供向けに分かりやすく紹介しています。

 標本に残されたシールや大昔の記録など、わずかな手がかりから、小森さんがその正体を探り続けていく様子は、まるでミステリー小説のようにドキドキしながら読めます。

 また、どのように自由研究や論文の作成を進めていったかも描かれているため、自由研究の作り方や考え方についてもあわせて学ぶことができます。

 小森さんの好きな絶滅動物や、今もニホンオオカミの生存を信じ捜索を続ける人たちの活動、ニホンオオカミ信仰の歴史などにも触れていて、ニホンオオカミを中心に絶滅動物についての理解を深められます。

▲書籍では最新の研究内容の結果も紹介している。

▲図解つきの本文。

▲コラム「絶滅動物ずかん」では小森さんのコメントとともに、ニホンオオカミ以外の絶滅動物も紹介。

▲長年、生きたニホンオオカミを追っているNPO法人「ニホンオオカミを探す会」の活動も紹介。

タレントの伊集院光さんも推薦!

 本書を読んだタレントの伊集院光さんから、発刊に際し推薦のコメントをお寄せいただきました。

 伊集院さんは小森日菜子さんが出演し、絶滅動物ジャンルで史上最年少のグランドスラムに輝いたクイズ番組「超逆境クイズバトル!! 99人の壁」(フジテレビ系列)で、解説ゲストを務められていました。

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<伊集院光さん 推薦コメント>
先に生まれただけの僕(57歳)は、彼女(14歳)を小森先生と呼ぶ。

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小森さんの自由研究『ヤマイヌ~私が解明したい謎のニホンオオカミ~』が読めます!

 第25回「図書館を使った調べる学習コンクール」(主催:公益財団法人 図書館振興財団)で文部科学大臣賞を受賞した小森さんの自由研究は、コンクール公式サイトにて公開中です。

「図書館を使った調べる学習コンクール」公式サイト

小森さんが研究したニホンオオカミの剥製は国立科学博物館で公開中!

 小森さんが研究を行った、ニホンオオカミの剥製(登録番号M831)が東京都・上野公園内の国立科学博物館で開催中の特別展「古代DNA―日本人のきた道―」にて展示されています。

■展覧会名:特別展「古代DNA ―日本人のきた道―」
      Special Exhibition: Ancient DNA: The Journey of the Japanese People
■会期:2025年3月15日(土)~6月15日(日)
■開館時間:9時〜17時 (入場は16時30分まで)
※ただし毎週土曜日は19時まで延長(入場は18時30分まで)。
※常設展示は17時閉館(入場は16時30分まで)。
■休館日:月曜日 ※6月9日(月)は開館。
※会期・開館時間・休館日等は変更になる場合がございます。

詳細はこちらから

プロフィール

たけたにちほみ(文)

日本児童文芸家協会常務理事、横浜市在住。作品に『パパのはなしじゃねむれない』(PHP研究所)、『「おさかなポスト」が教えてくれること』(佼成出版社)、『わきだせ!いのちの水』(フレーベル館)、『消えたレッサーパンダを追え! 警視庁「生きもの係」事件簿』、『緒方貞子』(以上Gakken)など。

川田伸一郎(監修)

国立科学博物館動物研究部研究主幹。学生のころからモグラを研究してきたが、最近は古い標本にまつわる人や出来事に関心がある。著書に『モグラ博士のモグラの話』(岩波書店)などがあるが、『標本バカ』(ブックマン社)によってその人となりをよく知ることができる。

小森日菜子(特別協力)

小学4年生の時に、100年以上も前に絶滅し、その詳細もあきらかになっていない「ニホンオオカミ」の剥製を発見。専門家の協力も経て自由研究にまとめあげ、第25回「図書館を使った調べる学習コンクール」(主催:公益財団法人 図書館振興財団)小学生の部(高学年)文部科学大臣賞受賞。その後も研究を進め、論文として発表した。

坂口友佳子(絵)

イラストレーター。TIS所属。京都造形芸術大学キャラクターデザイン学科卒。第15回TIS公募銀賞受賞。広告会社勤務を経て、フリーランスに。人物や動物の生き生きした様子を描くのが得意。絵本に『どこどこ けだまちゃん』(ひるねこブックス)がある。

商品概要

■書名:『動物感動ノンフィクション まぼろしの動物 ニホンオオカミ』
■文:たけたにちほみ 監修:川田伸一郎 協力:小森日菜子 絵:坂口友佳子
■定価:1,650円(税込)
■発売日:2025年6月2日
■発行:Gakken

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