発売後3か月で『天才!!ヒマつぶしドリル』が発行部数5万部に到達!! 著者が語るその魅力とは?

『算数と国語の力がつく 天才!!ヒマつぶしドリル ちょっとやさしめ』
『算数と国語の力がつく 天才!!ヒマつぶしドリル ふつう』

公開日 2022.07.15
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『算数と国語の力がつく 天才!!ヒマつぶしドリル』「ちょっとやさしめ/ふつう」書影

『算数と国語の力がつく 天才!!ヒマつぶしドリル』「ちょっとやさしめ/ふつう」の2冊。2冊とも大ヒット中だ。

 楽天ブックス 数学部門 週間売上2週連続第1位(2022/4/25~5/1、5/2~5/8「ちょっとやさしめ」)となり、リアル書店でも好調に売れている『算数と国語の力がつく 天才!!ヒマつぶしドリル』シリーズ。年間1万部売れたら大ヒットとされる参考書・ドリルの業界で、本シリーズは発売3か月でシリーズ累計の発行部数が5万部に到達するという大ヒットを記録している。
 著者であり、算数オリンピックの金メダリストを毎年のように輩出している、りんご塾の塾長でもある田邉亨氏に、本書の魅力や楽しみながら勉強することの重要性についての話を聞いた。

学びは本来もっと自由で楽しいもの

――4月下旬に発刊した『算数と国語の力がつく 天才!!ヒマつぶしドリル』シリーズが、発売3か月で累計発行部数5万部に到達しました。

(田邉)ただただ驚いています。塾業界の人からは「普通の教材っぽくなくていいね」とよく言われます。やはり伊豆見香苗さんのイラストがいいんでしょうね。各ページにある、キャラのちょっとした一言セリフみたいなのが、リラックスしながら読める効果を出していると思います。でも、そんなに売れているとは。ありがたい限りです。

「算数ページ」紙面

算数ページの紙面。ユニークな問題で思考力が磨かれる。

「国語ページ」紙面

国語ページの紙面。キャラたちが自由にコメントしているのが本書のポイント。

――そんな大ヒット作を生み出した田邉先生ですが、これまでの経歴をお聞きしてもいいですか?

(田邉)実はもともと音楽が好きで「音楽で食べていきたい」と思い、アメリカに渡ったのですが挫折しました。そこで知り合った外国人が大学生だったもので、「俺もこっちの大学に行ってみよう」と思い、英語の勉強をしてアメリカの大学に入学したんです。そうしたら価値観が変わりましたね。もともと算数や数学は得意だったので、大学の講義で教科書に載っていない解き方を説明したり、人が思いついていないことを言ったりしていたんです。すると「素晴らしい」と称賛される。日本の教育だと「知識を身につける」「解き方を覚える」といったことが重視されている時代に育ちましたから、自由に考えたり発言したりすることがこんなにも誉められるんだなと。学びって本来はこんなに自由で、楽しくて、個性が認められるものなんだと感じましたね。
 帰国後、塾で講師としての仕事をするようになるのですが、集団授業では同じことを一律で教えます。なかには習熟度が低い子もいるのに、同じクラスで同じことを教えなくてはならない。ちゃんと一人ひとりに合った教育がしたいと考えて、その塾は1年で辞めて、自分でりんご塾という塾を立ち上げました。

――そんな経験をされてきているのですね。『ヒマつぶしドリル』のような面白いパズルのような教材をつくるようになったのはなぜですか?

(田邉)小学校6年生の子で算数アレルギーがあるという子どもの指導をしたのがキッカケです。その子はもう自信をなくしていて「算数が苦手」と自分に言い聞かせてしまっているようでした。どうしたら算数を毛嫌いしないで解いてくれるかなということを考えて、パズル形式の問題を私のほうで作って解かせてみたんです。そうしたら楽しんで解くようになって「あれ? 算数好きかも」なんて言うようになった。自信がついたおかげで成績も上がっていきました。この経験から「楽しみながら学ばせる」ことの大切さを再認識しましたね。

夢中で取り組んでいるときに才能は伸びる

――『ヒマつぶしドリル』の「はじめに」でも、義務のように勉強する子どもになってほしくない、と書かれていてとても共感しました。

(田邉)楽しかったら子どもは自分から学ぶようになります。そして自信が育っていく。先生や親が怒って「勉強しなさい」なんていうのは、マイナスでしかない。恐怖で縛っても続かないんですよ。
 だから、これからも子どもたちに楽しんでもらえる教材を作っていきたいですね。没頭して夢中で取り組んでいるときに、才能って伸びていくものだと思うので。

「はじめに」紙面

多くの教育関係者や保護者たちの心に響いている「はじめに」の文章。

――経営されているりんご塾もどんどん拡大されているようですね。どのような指導をされているのですか?

(田邉)そうですね。ありがたいことに、9月にも新しい教室が開校して43校になる予定です。予約待ちをしていただいているご家庭も多くいらっしゃいます。
 りんご塾の授業は『ヒマつぶしドリル』のもととなったパズル教材のプリントが30分、テキストを使ったいわゆる「普通の算数授業」が30分、最後に立体パズルやブロックを20分の計80分で構成されています。パズルだけでは体系的に学べないため、通常の授業も組み合わせています。授業の最後に立体パズルやブロックを組み込むことは空間把握能力を鍛えるだけでなく「楽しかった! またやりたい!」と思ってもらうためでもあります。ブロックで何かを作ることは子どもたちにとって楽しい遊びの1つです。迎えに来る保護者に見せて誉めてもらい、みんな笑顔で塾をあとにしています。
 算数検定の受検や、算数オリンピックへの挑戦を塾としては薦めています。子どもたちに目標をもって学ぶことの大切さを教えるとともに、子どもたちの才能をできる限り伸ばしていきたいからです。

――最後に、夏休みを迎える子どもたちや保護者のみなさんへメッセージをお願いします。

(田邉)夏休みは、普段できない何かに熱中する経験をしてもらえればと思います。私たちの塾では漢字検定や算数検定用の勉強をしてもらったりしていますが、たとえば電車が好きな子なら日本全国いろいろなところの電車に乗りに行くとか、音楽が好きな子ならいろいろなコンサートに足を運んでみるとか、なんでもいいと思います。
 あとは『ヒマつぶしドリル』も、ぜひやってほしいですね。スイカを食べながらとか、部屋で寝っ転がりながらとか、あまりかしこまらずに楽しんでほしいです。なんたってヒマつぶしですから(笑)。

【聞き手:相原沙弥】

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 田邉亨
 りんご塾代表。1968年、滋賀県生まれ。モーツァルトとサンバが好きで声楽家を志し、名古屋音楽大学に入学するも中退。その後、ニューヨーク市立大学とペンシルバニア州立大学で学ぶ。2000年9月、小学校低学年向けの「算数オリンピック」「そろばん検定」「思考力」を重視した学習教室「りんご塾」を滋賀県彦根市に設立し、現在は全国に約40教室を展開中。2015年からは、「発達支援ルームりんごの木」で発達に凹凸のある子どもたちに対する教育を別法人で開始する。「難しいことを易しく、易しいことを深く、深いことを面白く」を教育信条に、独自の教材を作り、算数オリンピックのメダリストを毎年輩出している。
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商品の紹介

『算数と国語の力がつく 天才!!ヒマつぶしドリル ちょっとやさしめ』書影

■書名:『算数と国語の力がつく 天才!!ヒマつぶしドリル ちょっとやさしめ
■発行:学研プラス
■発売日:2022年4月21日
■定価:
1,210(税込

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『算数と国語の力がつく 天才!!ヒマつぶしドリル ふつう』書影

■書名:『算数と国語の力がつく 天才!!ヒマつぶしドリル ふつう』
■発行:学研プラス
■発売日:2022年4月21日
■定価:
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