『僕たちはまだ、仕事のことを何も知らない。』書影

子どものころは、大人になったらどんな仕事にだって就けると思っていた…

 本書は、3人の大学生たちが、「就職活動」を通して働くことの意味を考えていく、児童書ジャンルのマンガ作品です。「本当に自分にあった仕事はなんだろう?」「就職するってどういうことなんだろう?」……。人生の岐路に立った3人が、悩み、迷い、苦しみながら自分の進路を見つけていきます。

あらすじ

 尾上一郎、小林真、菅野智恵は、梅桃大学サイクリング部に所属している仲良し3人組。それぞれ就職活動を頑張っていますが、なかなか思うようにいきません。そこで、学内にある「就職部」のアドバイザーに相談をすることに……。

 一流とはいえない大学の、ごく普通の大学生たちは、どんな道を進むことになるのでしょうか? 就職活動を通して自分自身と向き合い、「仕事」「会社」のことを知り、成長していく姿を描きます。

「第一部」本誌紙面

主な登場人物

尾上一郎
 経済学部。自分がやりたい職業はとくになく、アピールできる特技や能力もない。そもそもどんな仕事に向いているかもわからず悩んでいる。

小林 真
 法学部。大学受験に失敗し、仕方なくすべり止めの梅桃大に進学。就職では絶対に妥協せず、とにかく有名企業に入って周囲を見返そうともがいている。

菅野智恵
 文学部。お菓子作りが好きなので、お菓子関係の企業に勤める、という目標を持っている。しかし、どうすればその夢をかなえられるのか、おっとりした性格ゆえか、そのアプローチの方法がわからず焦っている。

夢野 輝
「就職部」アドバイザー。
 以前は大手商社に勤務していたエリートビジネスマン。自身の経験と信念にもとづいたアドバイスで、学生たちに寄り添い、就職活動をサポートしている。

本誌紙面

テーマは「仕事とともに、どうやって幸せな人生を送るか」

 本書は、精神論や理想論だけで「仕事」を語るのではなく、かといって、安易な就活ノウハウや面接テクニックなどを紹介する本でもありません。現実に則した厳しい就職活動を描写するとともに、「幸せな仕事人生」をスタートさせるにはどうすればよいかを考えていきます。さらに、社会人としての自覚や責任についても学ぶことができます。

「マンガ作品」としても、感動的で面白いストーリー展開

 子どもたちになじみのない「就職活動」ですが、メッセージを「物語」で展開しているため、楽しく読み進めることができます。個性的な脇役も多数登場し、彼らの仕事への姿勢から、さまざまな「考え」「価値観」を学ぶことができるでしょう。そこには、説教じみたものはなく、主人公たちとともに悩み、苦しみ、時には笑い、そして最後には、胸が熱くなる感動が待っています。

中学生にとって「近い未来の自分」なので、深く感情移入できる

 対象読者は小学生・中学生。とくに中学生は学校の「職場体験学習」などを通して、将来の仕事や職業を意識し始める年ごろです。平凡な大学生たちのリアルな悩みは「近い未来の自分」の姿と重なり、深く感情移入できます。「就職活動」がどういうものか、子どもたちにはまだピンとこないかもしれませんが、全編マンガなので、企業セミナーや面接などの様子も具体的にイメージしやすく、それぞれの目的もきちんと説明されています。

本誌紙面

保護者世代にも読んでほしい!

 かつて就職活動を経験した保護者世代には、共感できるエピソードが満載。思わず当時を思い出して、目頭が熱くなるかもしれません。キャリア教育への意識が高まっている今だからこそ、子どもたちに的確なアドバイスをするためにも、保護者の方々にも読んでおいてほしい内容になっています。ぜひ本書を活用して、自身の経験とともに、子どもたちと「仕事」について話し合う機会を作ってください。

商品の紹介

『僕たちはまだ、仕事のことを何も知らない。』書影
■書名:『僕たちはまだ、仕事のことを何も知らない。』
■原作:各務展生
■漫画:糸貫律
■発行:学研プラス
■発売日:2020年5月21日
■定価:本体1,300円+税

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