わたしは、年に数回、ショートトリップをします。家族で行く旅と、仲間で行く旅の両方です。
旅に出るたびに、身体の細胞の隅々にまで呼吸が行き渡り、リフレッシュされるのを感じます。そして、非日常の空間と空気や景色に、五感がとっても刺激されます。
わたしは、もう結婚もし、子どもも4人います。「その歳だから、できるんでしょ?」と思う方もいるかもしれませんが、じつは、わたしは小学生のころから、一人でちょっとした旅に出ていたのです。
両親は共働きでしたし、家には目の不自由な、子どものいない、父の叔母がいましたので、家族全員で旅行をしたことはありませんでした。
でも、子どものころから、今いる世界と違うところを見たいという気持ちの強かったわたしは、小学6年生のときに、その年齢としては大きな一人旅をしました。
一人で福岡を発って、埼玉に住む叔母の家に泊めてもらい、東京を見て回ったのです。1週間、気の向くまま、表参道や青山や渋谷を歩きました。
中学生になったら、今度は当時あこがれていた山口百恵さんに会いたいと本気で考えました。冬休みを利用して、百恵さんが出演する生番組が終了する時間を見計らって、テレビ局の前で待つという旅でした。
すると、わたしの強い気持ちがそうさせたのか、30センチの至近距離で彼女に会うことができたのです。
小学生と中学生で経験した、この二つの一人旅で、わたしは、日常から少し離れて自分を刺激する旅に目覚めたのです。
大学生になったら、仲間と一緒に近場の山や海へ、泊まりがけで行きました。そして、一人で刺激を求めて東京にも何度も行きました。海外にも出かけました。
自然に触れて癒され、自分を取り戻す旅と、混沌とした都会の刺激を受けて自分を鼓舞する旅を繰り返しながら、わたしのこころは、活発に新陳代謝しつづけることができたのです。
こころに老廃物を溜めこまないために、旅は大切なイベントです。
今でも、旅に出ると五感が研ぎ澄まされるので、いろんな神さまのお告げが降りてきます。
わたしの場合はお告げという形で現れますが、どんな人でも、旅をして五感が新鮮なものに触れると、何らかのひらめきや、自分のこころの声が聞こえる、そんなことがあるはずです。
そして、旅の途中で、「家に帰ったら、またがんばろう」と思ったり、「やっぱり、家が一番」と思えたりすることも、活力になるのです。
自分を刺激したり癒したり取り戻したりと、こころにいい影響ばかりの「旅」は、すごくおすすめです。
井内 由佳 (いうち ゆか)
1964年福岡県生まれ。福岡市在住。福岡大学卒業後、現リクルートの福岡支社にアルバイト職として勤務。アルバイトながらもトップクラスの成績を維持し、希望した東京での勤務を認められる。90年、結婚と同時に夫と輸入自動車販売会社を起こし、91年より仕事と家事の傍ら人々の相談に応じるようになる(相談に訪れる層は、経営者、ビジネスマン、主婦、学生と幅広く、相談者は延べ2万人以上に及ぶ)。資金借入先の横領による数千万円の借金、家族の原因不明の病、待望の我が子の死産など、さまざまな試練を乗り越え、現在2男2女の母として、妻として幸せな日々を送っている。福岡、東京を中心に全国各地で開催する講演は、毎回満席になるなど人気を博している。 主な著書に、ベストセラーとなった『わたしが神さまから聞いたお金の話をしてもいいですか?』、『わたしが神さまから聞いた人間関係の裏ルールをお話しします。』(ともに総合法令出版)、『わたし、少しだけ神さまとお話できるんです。』(文屋)などがある。
作品紹介
20年以上、2万人を超える人を幸せに導いてきた著者が、幸せに愛される女性になるための7つの神さまの教えを伝授する。
定価:本体1,300円+税/学研パブリッシング