今からでも遅くない!! やった分だけライバルと差がつく! 現代文記述の勉強法

『船口の最強の現代文記述トレーニング』

公開日 2019.01.25
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「自分の志望校では現代文の記述問題が出される。でも、どう対策したらよいかわからない…」という人も多いのではないでしょうか。そこで、記述問題対策に悩む受験生に向けて、現代文のカリスマ船口先生に記述をどう対策すべきかお話しいただいた。参考書『船口の最強の現代文記述トレーニング』を活用した勉強法で、記述問題を武器にしよう!

「書けない理由」を明確にすることが大切!

―――現代文の記述問題は、苦手意識や不安を持っている生徒が多いと思います。
 一括りに「記述が書けない」と言っても、大きく分けて2種類のタイプがあります。「読めていないから」書けない子と「読めているけれど」書けない子。

 本人は「自分は記述が書けない」と思っている。でも、実は「きちんと読めていない」のが原因だということは多いんですね。「なんとなく」「だいたい」で問題文を読んでいるから、いざ書くとなると書けない。これが前者の場合です。

 次に、「読めているけれど書けない」場合。特に現役生に多いんですが、「設問のタイプ」や「答え方」がわかっていない。要は、経験値が低くてパターン化できていないわけです。そのため、せっかく書いても「問われていることと答えがずれて」しまっていたり、答えているのに「ポイントが足りなくて」減点されてしまう。こういうのが後者の場合です。

―――「書けない理由」が違うんですね。どのような手当てが必要でしょうか?
 当然、書けるようにするには、まずは「きちんと読める(完璧にとは言いませんが)ようになること」。そのうえで次に「書き方を身につける」という、2つのステップを踏むべきです。

 あくまでも土台は「読解力」。それなのに、「読み」がいい加減なまま、「自分は書き方を知らないから書けないんだ」と思って、小手先の〈解法テクニック〉的なものに走ってしまう生徒は多いんですね。その結果、傍線部の周りを見て、それらしい表現を集めて答えを書いてしまう。カメラでパシャパシャと撮るみたいに「同じ単語」を見つけて結ぶだけ。これでは入試本番で高得点が取れるわけがありません。

 だから、時間が許すならば、まずは僕の著書である『ゼロから読み解く最強の現代文』のような〈読解本〉で、「きちんと読む」練習をしてほしい。その中で、「標準的な文章ならバッチリ読める」、「難解な文章の時でも(細部まで精緻には分からなくても)大きな論理構造はおさえられる」。そういう力をつけてほしい。先に述べた「きちんと読む力」というのはそういうことです。

 これが第1のステップ。そのうえで「このタイプの問題はこうやって書く」というような〈書くための技法〉を身につけるのが第2のステップでしょう。

書く技法〉の勉強法とは

―――「書くプロセス」を勉強するにはどうしたらよいでしょうか?
 受験生の中には、現代文の記述問題はつかみどころがないと思っている人が多い。でも、他の科目と同様、現代文の場合も、出題者の問い方に「いくつかのパターン」があります。決して無限の問い方があるわけではない。「設問タイプ」に合わせた「書き方の〈型〉」がある。それを自分の中に持っていることが大事です。

「設問のタイプを見る」「このタイプならこう考えると分かる」「書くべきポイントの数を決めてから書き始める」という形で、いつも決まった手順で解答を書く自分を作る、ことが大切です。もちろん時には例外的な出題もあるでしょうが、元の型がしっかりしみ込んでいれば、イレギュラーなパターンにも対処できるようになります。スポーツの場合と同じですね。基本がきちんとしていれば例外にも対応できるようになるわけです。
 だから、武道で初めに「型」を練習するのと同じで、「型」をちゃんと作ることが大切。そこから「型」を外れていくこともできる。守破離です。

 身につけるべき「出題パターン」については、僕の『船口の最強の現代文記述トレーニング』のような〈解法本〉を使って、問題を解いて習得してください。一般的な解法本と違って、特に「記述の解法」に特化してまとめてありますから、直前期の受験生がやっても得るものは多いと思います。

「型」を身につけたら、過去問へ

―――書くプロセスが身についたら、次は何をしたらよいでしょうか?
 パターンごとの問題を解いて「型」を身につけたら、次は自分の志望校の過去問を、どのパターンかという観点で見てみてください。「このパターンとこのパターンで出るんだな」と確認することが、過去問分析の第1歩です。

 過去問を解く場合でも、必要な作業は初めと同じです。書けなかった場合は、「読めていない」から書けないのか、「読めているけれど書けない」のかを、あぶり出してください。

 志望校のレベルの文章がきちんと読めていないと思った場合、「問題文の構造をいい加減に取ってしまっている」のか、「知識がないから読めていない」のかを、はっきりさせることが必要です。
 例えば、科学の話が出たらてんでダメ、というような場合は、科学の知識を補強する必要があるでしょう。

 問題文はある程度読めているけれど書けない、という場合は、「型がわかっているのに書けない」のか、「型がわかっていないから書けない」のかを明らかにしましょう。「型」がわかっているならば、同じパターンの問題を繰り返し解いてトレーニングする。「型」がわからないのならば、「型」のインプットにもう一度戻る。

 いずれにせよ、できていない理由はコレ、ということを自分でできるだけ明確にして、手を打っていくことが必要です。

自己採点ができる」ことはとても重要

―――記述問題の自己採点をする際に自分の答えが合っているかわからない、という悩みを持つ生徒は多いと思います。

 自分の採点が合っているか不安、というのはわかります。だけど、厳しい言い方をすれば、自分の答えが「合っているかどうか、全く分からない」ようでは、記述を書けるようにはなりません。

 自分の答えと模範解答とを比べて、「ここまでは合っている」「これが足りない」ということがわかる。それは力がついてきている証拠です。

 これまでに述べた「読みのプロセス」と「書くことのプロセス」がきちんと身についていて、それを意識して書いた解答であれば、全く採点できないということはありえない。

―――「記述問題の勉強は手応えがない」という声もよく聞きます。
 これも、なんとなく記述解答を書いてしまっているからだと思います。先に紹介した僕の『船口の最強の現代文記述トレーニング』のような〈解法本〉を繰り返して、書くべきポイントを設問から判断してから書いていく、という書き方をしていれば、手応えがないことはあり得ません。

「記述問題はつかみどころがない」という受験生は、「自分のやり方が間違っているからだ」と思ってください。本当につかみどころがないものだったら、採点官も採点のしようがないですよね。つまり、出題している側から見れば「めちゃくちゃつかみどころがあるもの」なんです。

記述対策は最後の最後まで続けるべき!

―――センター後から、本格的な二次試験の記述問題対策をする受験生は、時間がないことが多いと思います。時間がない中でどのように学習を進めたらよいでしょうか?

「センター試験の文章を読めて、ある程度読解の訓練をしてきた」という前提に立つと、先ほどの「第2のステップ」、つまり「記述の書き方を学ぶ」ことに徹すればいいと思います。

 特に現役生は、「書くべきポイントの数を設問から判断して書いていく」練習をしてください。センター試験の後でもコツコツやれば身につくし、特に現役生は意識できていない人が多いだけに、やればやるほどライバルと差をつけられます。だから時間がなくても、最後まで諦めずにやるべきです。

 記述問題は、対策は大変でしょうけど、配点は大きい。センター試験でマイナス15点だったとしても、80字の記述が1つ書ければ、そんなのチャラですから。記述対策はみんな大変。でも、だからこそ嫌がらずコツコツとやれば差がつく。センターのマイナスは取り返せる。そう信じて最後まで諦めずに頑張ってください!!!!

本記事で紹介した書籍はこちら

■書名:『船口の最強の現代文記述トレーニング』
■著者:船口明
■発行:学研プラス
■発売日:2018年12月14日
■定価:本体1,200円+税
>>>書籍の内容を詳しく紹介したブログ記事はこちら

ご購入はこちらから

■書名:『船口のゼロから読み解く最強の現代文』
■著者:船口明
■発行:学研プラス
■発売日:2010年6月4日
■定価:本体1,100円+税

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