8月31日は野菜の日! 親子で食べ物について考えてみませんか?

就学前の学び・小学生の学び・子育て

公開日 2018.08.31
  • Facebook
  • LINE
  • Pinterest

 8月31日は、「野菜の日」です。これは831(やさい)というゴロ合わせから、1983年に全国青果物商業協同組合連合会など9団体が制定したものです。

 野菜、とひとくくりに言っても、その種類は豊富です。食べる以外にも、育てたり、花を調べたり、野菜との関わり方もいろいろと考えられます。こういった学びは「食育」と言われ、今とても注目されています。この日を機会に、子どもの将来の食生活にも影響を与える食育について考えてみませんか。

「食育」が子どもの教育で重視されている

 小学校では子どもたちの「食」に対する積極的な取り組みがされています。食べ物に対して学び、健康的な食生活のために、どんなものをどのように食べるべきかを理解する取り組みです。こうした教育は「食育」と呼ばれています。

 食べ物自体の知識を得るだけではなく、食を通じて道徳的な考えを学んだり、流通に関する理解を深めたりと、学ぶ範囲はさまざまなものに及びます。

 成長期の子どもにとっては、健康の基礎を作ったり、生活習慣病の予防をするためにも重要な教育とされています。

 例えば、ビタミンCがたっぷり含まれたみかんを冬に食べると、風邪予防になります。そういった、食べるものが持つ栄養やその効果に関して知ることも食育です。ビタミンや栄養という話をすると少し堅苦しいイメージがありますが、食育は机に座って学ぶものばかりではありません。

 お米や野菜は誰かが育て、収穫をしてくれないと買うことができません。さらに野菜を料理として食べることができるのは、誰かが調理をしてくれるからです。こうした食べることへの感謝を育むことも食育です。

 また、食べ物は、季節や気温などによっても生産できる地域が限られます。暖かい地方でしか育てられない野菜もあれば、例えばキャベツなど、涼しい気候でないと育てるのが難しい野菜もあります。どの地域でどういった野菜が生産できるのかを知るのも食育です。自身の住んでいる土地ではどんな野菜を作っているのか、どんな野菜が名産品なのかを知ると、野菜への親しみもわいてくるのではないでしょうか。

 こういった食育は「食べることの喜び」に繋がっています。食べることの必要性を知り、その中に喜びや楽しみを見つけることが食育です。

家庭でも取り組める

 食育は家庭でも取り組めます。例えば、スーパーで見る野菜や、よく食べる野菜について、「どんな花が咲くんだろう? どういう実がなるんだろう?」と考えてみてはどうでしょうか。子どもと植物図鑑や野菜にまつわる本を読んで調べてみるのも、楽しい食育になります。

 また、畑が近くにある人は、じっくり観察してみるのもおすすめです。とうもろこしは面白い形で実がなっています。スイカがゴロゴロ畑に転がっているのを目にすることもできますよ。

 飛んだり走ったり、体を動かすことが好きなお子さまとは、「速く走るにはどんな栄養が必要か」「体を丈夫にするにはどんな栄養が必要か」といったアプローチの仕方で、必要な栄養やそのための食べ物を調べてみるのも良い方法です。

 お肉やご飯だけでなく、野菜でしか取れない栄養もあります。どんな食べ物にどんな栄養があるのか調べてみると、いつも食べているものの大切さが分かります。

親子で料理をしてみよう

 体験する、という食育でおすすめなのが子どもと一緒に料理をすることです。家庭菜園をするスペースがない、という家庭でもすぐに取り組むことができます。小学校高学年になると家庭科の授業で調理実習が始まります。そこで習った料理を作ってみてもいいと思います。

 料理をする前の食材選びから親子でしてみるのもおすすめです。例えば、ピーマンですが、選び方一つで味が違う場合もあります。赤いピーマンは緑のピーマンより苦みが少ないと言います。味の違いを調べてみるのもいいですよね。また、軸が太い、ヘタがピンとしている、実の色が濃くハリとツヤがあるものは、新鮮で苦みが少ないといわれています。食材を買うにあたって、どういう風に選んでいけばいいのか、どんなものがいいのか、など親子で調べてみるのもおすすめです。このように、野菜は選ぶことも楽しいと知ることができるようになります。

好き嫌い克服のきっかけにも

「苦手で食べられない野菜がある」というお子さまもいるのではないでしょうか。野菜の好き嫌いは、味やにおいが気に入らない、かみにくい、飲み込みにくいなど、ちょっとした「いやな経験」から起こってしまうことがあります。

 そのため、サラダでは食べられないけれど、スープなど調理法を変えたらおいしく食べられた、ということもあります。

 また、食べるものに対する知識や良い経験を増やして、食事を楽しいものに変えることも解決方法の一つです。

 例えば、「家庭菜園や学校で作った野菜は食べられたよ」という経験があるかもしれません。自分で育てた野菜は、特においしく感じるものですよね。

 プチトマトなど、苗を植えて育てるだけで簡単に収穫できる野菜もあります。なすやピーマンも比較的育てやすいでしょう。こうした野菜を家庭で子どもと一緒に育てて、食べる喜びを増やすことも野菜をおいしく食べるコツなのです。

 野菜を中心に、子どもたちの将来の健康にもつながる「食育」を紹介しました。食育で重要なのは「喜び」や「楽しみ」です。一緒に食卓を囲み、そこで楽しい時間をすごしながらマナーを学ぶことも食育です。ぜひ野菜の日を機会に、楽しみながら食べることに関してまなんでみてくださいね。

ライター 高橋麻美
 10年にわたり小学生向け学習塾で国語の講師として、子どもたちの教育に携わってきたママライター。現在は四歳の子どもの子育てに奮闘中。

※このコラムは、「ガッケン!ハッケン!学研ゼミ 保護者のよみもの ハッケン!みっけ!」に掲載されていたものです。

  • Facebook
  • LINE
  • Pinterest