ぼくがまだ小さいころ、大阪のある劇場で公演をしたときのこと。稽古が終わった夜、兄と2人ではじめての神社に出かけました。
本当は夜のお参りはよくないのかもしれませんが、ぼくたちは仕事上、夜しか空いている時間がなく、神様もそれをちゃんとわかってくれていると思いました。
ぼくは不思議なものを感じたり見たりすることがありますが、兄は感じることはできてもまったく見えません。
兄はこの神社のただならぬパワーを感じとり、「ここ本当に入って大丈夫か?」とぼくに聞いてきました。
「……うん。大丈夫って言っている」
ぼくはその神社から、大きくて強い鳥のような、何かものすごい存在を感じたのです。
でも恐怖のようないやな圧力はまったくなく、自分たちにパワーを送ってくれているような感じがしました。
この神社の近くで公演していることをその神様に伝え、力を貸してくださってありがとうございますと感謝を示してから帰りました。
そして次の日、舞台に立っていると、いちばん後ろの席に前夜と同じパワーを感じ、言葉では言い表せないのですが、そこには確かに前夜ご挨拶した神様が存在したのです。
舞踊の途中に兄にそのことを伝えたら、「すごい、すごい。見えないけどすごいな」と喜んでくれました。
「ぼくたちの舞台を神様が観にきてくださった」
ぼくはうれしくなり、楽屋にいた母親にも伝えに行きました。
母は信じてくれなかったわけではありませんが、忙しかったせいもあり、子どもの言うことだからと笑って聞いていました。そしてそんな兄とぼくの姿を楽しそうに見ながら、母が化粧をし始めたときのことです。
羽根が1枚ふわふわと落ちてきました。
劇場の天井はコンクリートなので、何かが落ちてくることはありません。
まるで、「この子たちが言っていることは本当なんですよ」と神様が言っているかのように、大きくて綺麗な羽根が母のもとに降ってきたのです。
それを見て母は驚き、神様が観にきてくれたと喜んでくれました。
母はそのときの羽根を今でも大切に持っています。
「こんな不思議なことってあるんですね」と一人さんに言うと、「目に見えない世界はある」と教えてくれました。
「目に見えないものに感謝している人や、幸せになるために魂を成長させている人には、神様はいつだってパワーをくれるの」
夜中に神社に行ったことがどうしても気になって一人さんに聞いてみると、「恐れながら行けば恐れているようなことが起こるし、純さんたちみたいに感謝の気持ちを伝える人には悪いことは起こらないよと」教えてくれました。
ぼくは公演でいろいろな土地に行きますが、できるだけその土地の神様にはご挨拶に行くようにしています。
二代目 恋川 純 (にだいめ こいかわ じゅん)
物心がついたときから舞台に立ち、9歳で副座長となる。2007年に二代目として「恋川純」を襲名し、2014年に座長に就任。芝居では二枚目から三枚目、舞踊では古典からコンテンポラリーまで幅広いレパートリーを持つオールマイティな役者。
■公式ホームページ
http://koikawagekidan.com
斎藤 一人 (さいとう ひとり)
実業家。「銀座まるかん」(日本漢方研究所)創業者。1993年以来、12年連続で全国高額納税者番付(総合)10位以内にただ1人ランクインし、2003年には、累計納税額で日本一になり注目される。著書多数。『神様に喜ばれる人とお金のレッスン』(高津りえ共著)、『斎藤一人 大開運 人生を楽しむ仕組み』(千葉純一共著)、『斎藤一人 成功の花を咲かせなさい』『斎藤一人 神様にかわいがられる豊かで幸せな生き方』(宇野信行共著/以上学研)などがある。
●さいとうひとり公式ブログ
https://ameblo.jp/saitou-hitori-official/
作品紹介
全国累積納税額日本一の大実業家・斎藤一人直伝「運命の受け入れ方と、魂の育て方」。◆一人さん書き下ろし「運命カード」付き!
定価:本体1,300円+税/学研プラス
バックナンバー
- [二代目 恋川純 ~運命~]⑥兄がこだわるプロ意識
- [二代目 恋川純 ~運命~]⑤神様が教えてくれた自分らしさ
- [二代目 恋川純 ~運命~]④超えられない父の演技
- [二代目 恋川純 ~運命~]③父と母を選んで生まれてきたわけ
- [二代目 恋川純 ~運命~]②舞台で感じた不思議な縁
- [二代目 恋川純 ~運命~]①運命は変えられる