「お金が欲しかったら、仕事をがんばりましょう」
　私がそうお話しすると、こう言う方がいます。
「自分は非正規雇用（あるいは「一般社員」や「専業主婦」）だから、一生、大きなお金を稼ぐことはできない」
　たしかに、非正規雇用や会社員の人は、一人さんのようにものすごい大金を仕事で生み出すことはできません。サラリーマンではない個人事業主の私だって、一人さんみたいな大富豪になることは、なかなかできないのです。
　それでも、私は自分のことを「一人さんよりも幸せだ」と思っています（笑）。
　だって、私には師匠の一人さんがいるからです。
　一人さんは、「斎藤一人さん」という道しるべを持たずに、たった１５歳で社会に出ました。それを考えると、師匠のいる私は、つくづく幸せ者だなあと思います。

　今、この本を読んでくださっているあなたも、一人さんが「幸せなお金持ちになる道」を惜しみなく教えてくれるのですから、とてもラッキーだと思いませんか？　

「金持ち競争じゃなくて、幸せ競争をしようよ」
　
　一人さんは、そう言います。
　まず、「私はツイてる」と思うことが、幸せなお金持ちになる秘訣の１つです。
　その上で、もう１つ。

　自分にお金をあげましょう。

「いったい、どういうこと？」と思われるかもしれませんね。私は、これを一人さんから教わりました。
　ちょっと、そのときの会話を再現してみますね。

「『自分にお金をあげる』って、お小遣いをあげなさいってことですか？」
「いいや。お小遣いだと、好きなものを買っちゃうだろ？　好きなものを買うのはいいことだけど、お金持ちになるかといえば違うよな。だって、買い物をしたら手元のお金は減るだろ？　お金はお店に行っちゃうよな」
「あっ、貯めなさいってことですね！」
「そう。それが、本当の意味で『自分にお金をあげる』ってことだよ。お金を持ったら、すぐに服や時計を買いたくなる人は、お金じゃなくて、ものが好きなの。
　自分がうれしくなるものを買うのは、まったく悪いことじゃないよ。でも、お金持ちになりたいなら、ちゃんと手元に大好きなお金を残さなくちゃ」
　
　稼いだお金を景気よく使うのは楽しいことですし、お金の巡りをよくする面もあるのですが、使う一方ではいけません。買い物をして、お店にあげてばかりいるお金を、一部でも自分にあげるようにすると、みるみるお金は増えていきます。
　
　お金には、お金を呼ぶ性質があります。
　最初はわずかな金額でも、少しずつ貯まってくると、「加速の法則」が働いて、さらに貯まるようになるのです。
「商売人や社長だとしても、『お金を自分にあげよう』と思わなかったら、一向に貯まらないの。『加速の法則』が働き出したら、パートや専業主婦の人でも『全部、使っちゃう体質』から、『幸せなお金持ちになる体質』に変わるんだよ」
　一人さんは、そう教えてくれました。

　働いている自分に感謝をしながら、「ありがとう」という気持ちを込めて、毎月、お給料のうちの何割かを自分にあげて（貯金して）くださいね。おすすめは「１割貯金」です（くわしくは『神様に喜ばれる人とお金のレッスン』１４９ページ）。
　大黒柱がいる人は、働いてくれる人に心から感謝をしながら、「助かっています。ありがとう」って、その人名義の口座にお金を貯めてあげてくださいね。

（※この連載は、毎週金曜日・全8回掲載予定です。7回目の次回は5月19日掲載予定です。）

斎藤 一人 (さいとう ひとり)