プログラミングでロボットを動かそう!

小学生の学び

公開日 2018.04.20
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 プログラミングというと、パソコンの画面をずっと眺めて黙々と作業をしているイメージを持つ方が大半ではないでしょうか。しかし、ロボットプログラミングはパソコン画面での操作に加えて、ロボットにも触ることができます。子どもの好奇心を刺激する、最近人気が高まっている学習の1つです。ロボットを作るところから学習がスタートするものもあり、目と手と頭をフルに使ってプログラミングを学んでいくことになります。

ロボットプログラミングとは?

 センサーなどを組み込んだロボットを、どのように動かしたいか考えながらプログラムを組み上げていくのが「ロボットプログラミング」です。

 多くの教材は、思い思いの形を作り出せる「ブロック」と、モーターやLEDなどの「電子パーツ」、電子パーツを動かす「プログラム」で構成されています。

 プログラムによる操作で、それぞれのパーツの動きを組み合わせロボットを思い通りに動かすのが目的です。思い通りの動きができるかどうか、結果を見ながら試行錯誤し、プログラミングを楽しく学習することができます。

ロボットプログラミングのメリット

・集中力が身につく

 「うちの子どもは、じっと座っているのが苦手だから…」とお悩みの保護者もいらっしゃると思いますが、ロボットプログラミングでは「集中力」を身につけることができます。

 普段は10分と机に向かっていない子どもが1時間近くじっと集中して課題に向き合う姿に感動した、という保護者のコメントもあります。

 子どもが「お母さん見て」と言ってでき上がったロボットを動かしてみせてくれたそうです。ロボットプログラミングでは、ロボットの作製やパズルのようなプログラミング作業など、子どもが夢中になる要素が多く、取り組み始めるとあっという間に時間が過ぎてしまいます。ロボットプログラミングの学習会に参加した子どもの多くが「夢中になってできた」「面白い」「もっとやりたい」と思うそうです。

・チャレンジ精神が身につく

 プログラミング学習の教材はマニュアル通りにやれば動くように作られています。ところが、慣れないうちはそれが意外と難しいのです。ロボットプログラミングでは、パソコンの中で作られた、まさに机上の理論を実際の動作に結び付けます。ちょっとしたミスでも、ロボットは思うように動きません。それにくじけず、何がいけなかったのかを考え、実行と検証を繰り返しながら、少しずつ完成に近づけていきます。

 プログラミング学習は、このトライ&エラーの繰り返しです。プログラミングを間違えてもロボットが壊れるわけではありません。間違いを恐れないでどんどんチャレンジさせましょう。最後に思った通り動いたときには、きっと子どもの喜びの歓声を聞くことができます。

 このチャレンジは同時に自立心も育みます。横で見ていると保護者が間違いに気づくこともあります。しかし不用意な手出しは禁物。手助けをしようとすると怒ってしまう子どももいます。これは間違いを探すことも面白みと感じているからです。失敗しても最後まで自分の力でやり遂げる、という姿勢がプログラミング学習によって育まれます。

・ロジカルシンキング=論理的な思考力が身につく

 単純な動きをプログラミングしてロボットを動かせるようになると、今度は複数のプログラムを組み合わせて動作を考えることができるようになります。子どもたちは作り上げた動きに別の動きを加えながら、複雑な動きができるように試行錯誤を繰り返していきます。

 ロボットに向き合いながら想像力を膨らませ次の動作を作り上げていくのです。この過程で子どもたちは論理的な思考を身につけていきます。

 ロジカルシンキングは、物事を順序立てて人に伝えるコミュニケーション能力の発育にも大いに役立ちます。

こんなプログラミングを学べるおもちゃもあります

 いきなりロボットプログラミングを始めるのは難しい、という場合は、子どもが親しんでいるレゴや市販のおもちゃでプログラミング学習を始めることもできます。

LEGO® BOOST(レゴ ブースト)
 レゴ社とMIT(マサチューセッツ工科大学)が共同開発したロボットプログラミング用のセットです。専用のソフトウェアがあり、ロボットの組み立てからプログラミングまで初心者でも簡単にできます。

KOOV(クーブ)
 レゴ社とMIT(マサチューセッツ工科大学)が共同開発したロボットプログラミング用のセットです。専用のソフトウェアがあり、ロボットの組み立てからプログラミングまで初心者でも簡単にできます。

 SONYが販売している学習キットです。あらかじめプログラムが組まれていて、手本にそって組み立てるだけで、ロボットプログラミングを学べます。KOOVのサイトにロボットレシピが公開されているので、さまざまな形に挑戦することもできます

プログラミング教育の先に見えてくるもの

 プログラミング教育は子どもたちの持っている集中力、チャレンジ精神を引き出し、学ぶことの面白さを引き出します。プログラムに挑戦しながら、上手くいかなくても自ら間違いを見つけて修正する柔軟な思考を手に入れることができます。

 また、「できた」という達成感は、子どもたちの中に学ぶことの面白さと「やればできる」という自信を育みます。

 プログラミング、と聞くと難しそうに感じますが、決して難しいものばかりではありません。まずはロボットプログラミングのように、子どもが楽しめるものからスタートしてみてはいかがでしょうか?

 

ライター:大久保 智弘
高校、中学で教員を務め、情報科の担当として、生徒たちに簡単なマクロ、Visual Basicなどを指導。現在はスクールカウンセラーを務めるベテランライター。二児の父として、子どもの心を見つめながら子育てをするパパライターでもある。

※このコラムは、「ガッケン!ハッケン!学研ゼミ 保護者のよみもの ハッケン!みっけ!」に掲載されていたものです。

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