本当に必要なモノ、自分にとって本当に価値あるモノをまず選んでしまえば、それ以外のモノは捨ててしまえる……はずなのですが、難しいのは、現代社会には「ちょっといいモノ」がたくさんあるということです。
1回着ただけで似合わないと気づいたセーターは、自分にとって必要なモノでなくても、価値がないわけではありません。それなりに価値のある、ちょっといいモノです。こういうモノが厄介なのです。
なぜなら、ちょっといいからといって残しておくと、モノが増えて、本当にいいモノがわかりにくくなってしまうからです。
対策としては、「ちょっといいモノ」を「すごくいいモノ」に変えることを考えましょう。
たとえば、場所がかさばって使わなくなってしまった大画面ディスプレーは、まだまだ新しく、ちょっといいモノです。ちょうどPCのディスプレーを買おうと思っていた友人にあげれば、喜ばれるでしょう。
自分にとってちょっといいモノは、誰かにとってはすごくいいモノです。誰かにあげてしまう、というのは、ちょっといいモノをすごくいいモノに変換する方法の一つということです。
私はとにかく本をたくさん読みます。中には、一度目を通したらもう手元に置いておく意味はない本も少なくありません。私にとって、本棚に置いておきたい本とは最新科学の本や論文と、長く生き残っている古典だけと決めているからです。
現代においては、科学的情報は9か月で2倍になるペースで増加し、一般的な知識は年15%、テクノロジーは年30%が時代遅れになるといわれています。つまり、新しい知識を常にインプットし続けなければ、5年も経過してしまえば、使える知識はほとんど残らないということです。長年の時代の変化に耐えた古典や名著でない限り、古い本は基本的にはあまり役に立たないのです。
このように科学的に時代遅れになってしまった本でも古本屋さんに引き取ってもらうと、中にはいい値段が付くものもあるので、新たな本を買う資金になります。
不要な本を処分して空いた本棚のスペースに、必要な本を新たに入れることができれば、ライブラリーの価値が高まるわけです。
このように、自分には必要ないちょっといいモノを、自分にとってすごくいいモノに交換するという、より直接的な変換も可能です。
(※この連載は、毎週木曜日・全8回掲載予定です。次回は12月28日掲載予定です。)
メンタリストDaiGo (めんたりすと・だいご)
慶応義塾大学理工学部物理情報工学科卒業。人の心を作ることに興味を持ち、人工知能記憶材料系マテリアルサイエンスを研究。英国発祥のメンタリズムを日本のメディアに初めて紹介し、日本唯一のメンタリストとして数百のTV番組に出演。その後、活動をビジネスやアカデミックな方向へ転換し、企業のビジネスアドバイザーやプロダクト開発、作家、大学教授として活動中。
趣味は1日10~20冊程度の読書、猫と遊ぶこと、ニコニコ動画、ジム通い。ビジネスや話術、さらには恋愛や子育てまで、幅広いジャンルにおいて人間心理をテーマに執筆した著作は累計200万部を突破。『一瞬でYESを引き出す心理戦略。』(ダイヤモンド社)、『自分を操る超集中力』(かんき出版)、『ポジティブ・チェンジ』(日本文芸社)などヒット作多数。
■メンタリストDaiGo オフィシャルウェブサイト
http://daigo.me/
■ニコニコチャンネル/メンタリストDaiGo の「心理分析してみた!」
http://ch.nicovideo.jp/mentalist
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