プログラミング学習で勉強が好きになる!? 今話題のロボットプログラミング講座「もののしくみ研究室」の営業課長にインタビュー!

小学生の学び

公開日 2017.12.18
  • Facebook
  • LINE
  • Pinterest

「プログラミング学習」と聞いて、どんな印象を受けますか?
 難しそう、自分には関係なさそう、ちょっとマニアックな性格の子がやるもの……???

 2020年度から小・中学校で必修化ということで、「プログラミング」という言葉はよく聞くけれど、いまいちピンときませんよね。ということで学研エデュケーショナルが運営するロボットプログラミング講座「もののしくみ研究室」の営業課長 山本さんにインタビューをしてみました。

プログラミング学習って??

――山本さんは、現在、プログラミングに関わるお仕事をされていますが、実際にプログラミングをしていたのですか?

山本:
大学生のときにC言語※やFORTRAN※、Pascal※(※いずれもプログラミング言語)、などを使ってプログラミングをしていました。

でも、実は私、プログラミングが嫌いだったんですよ(笑)。

――え! 嫌いだったんですか(笑)。

山本:
そうなんです。プログラミングって、コードを打って、たった1つピリオドがないとか、少しでも間違えるとエラーが出てしまうんです。ちょっと間違えただけなのに動かない。それが納得いかなくて(笑)。

――「もののしくみ研究室」では、そういったコードの書き方などを教えているんですか?

山本:
いいえ。「もののしくみ研究室」は、コーディング(コードの書き方)ではなく、プログラミングの考え方を学ぶことを目的としています。

コードが単語カードのようになったものを並べただけでプログラミングができるようになっているんです。お子さんでも楽しく、簡単に取り組むことができます。


――そうなんですね。確かに、それなら取り組めそうです。ところで、「もののしくみ研究室」をはじめたきっかけはどのようなものだったのですか?

山本:
実は、“小中学校でプログラミング学習を必修化する”と文部科学省が発表する前に、発売していました。

今後社会で生きていくために必要な能力を育めるのは、プログラミング学習なのではないかと考えたことがきっかけです。

――今後必要な能力とは、どのようなものなのでしょうか?

山本:
コミュニケーション能力、イノベーションを起こす力と創造力、問題解決力等々、21世紀型スキルとされているものですね。

文部科学省はプログラミングによって「プログラミング的思考」=論理的思考力」を身につけさせたいと言っています。

――どのプログラミング教室もそのような能力を高める目的で運営しているのでしょうか?

山本:
他社はどちらかというと「プログラミングができるようになることを目指す」と言っている教室が多いです。

「もののしくみ研究室」ならではの特徴は、「教育」を前面に押し出しているところ。先ほど言った通り、プログラミングができるようになることを目指すのではなく、プログラミングによって育まれるものを重視しています。

学研は3年間のカリキュラムですが、終わったら、その力を基に、好きなことをやってほしいと思っているんです。

プログラミングで勉強が好きになる!?

――プログラミング学習で育まれる力があるということは分かりました。プログラミングを学ぶことでいいことってほかにあるのでしょうか?

山本:
まず、プログラミング学習で一番いいのは、自分がつくったプログラムがロボットなどを通じてその通りに動くということです。

普段の生活では、ゲームでも勉強でも、決まったこと、与えられたことをやることが多いですよね。

でも、自分でつくったものがその通りに動くというのは、与えられたものをやるのとはまったく違って子どもにとっては新鮮な体験です。

あと、勉強が好きになります。

――勉強が好きになるんですか? プログラミングと勉強、関係があるんでしょうか?

山本:
「もののしくみ研究室」でのプログラミング学習では、社会の身近にある“もののしくみ”について学び、それを自分でつくってみるということをします。

例えば自動ドア。「どうして人が近づいたら開くの?」ということを子どもたちに知ってもらいます。センサーがついていて、人に反応する。それはなんとなくわかりますよね。

でも、具体的に「どういう仕組みで開くの? 何秒で開くの?」と言われて分かりますか?

――分かりません。

山本:
ですよね。「もののしくみ研究室」では、そういったことまで学びます。それだけだとただの座学になってしまうので、それを実際に自分でつくって制御してみます。そうすることで、子どもの自動ドアへの興味関心がぐっと高まります。

外へ行くと子どもたちが自動ドアを近くで見ようとするようになるんです。自動ドアの仕組みに興味があるので、「センサーってどこにあるんだろう」とじっと見るんですね。

センサーの仕組みは理科ですし、人が近づいたら開き、離れれば閉じるのは「場合分け」で算数です。また、いつからできたのかを学ぶのは、社会(歴史)です。

そんなとき、「もののしくみ研究室」では、あえて教科書を出すんです。よく、「算数ってなんの役に立つの?」なんて大人に聞きませんでしたか?

――聞きました(笑)。

山本:
「ここに使ってるんだよ」と教える。そうすると、教科学習が生活に結びついていることがすんなり理解できるんです。小学校3年生のクラスでも、下の写真のようにX,Y,Zを使っていたり「もしAならばB」のような、中学生・高校生くらいの勉強を自然にしています。


――本当だ!

山本:
そうやって勉強を身近に感じることができるので、勉強って面白いね、となるんです。

他にも、自動ドアについて学ぶときは、自動ドアのメーカーのインタビュー記事を掲載して、「メーカーとして、将来はこういうことを目指しているよ」ということも伝えています。

あとは国語ですが……。

――国語は関係なさそうですが……。

山本:
と思いますよね? ところが、塾の先生からありがたいお言葉があったんです。

「もののしくみ研究室」に8ヶ月くらい通っている生徒の国語の成績が上がってきたというんです。おそらく、プログラミングを学ぶなかで論理的思考がついたのと、テキストも読み込みが必要なように難しくつくってあるので、読解力がついたのではないかと思います。

――実際に通っている子どもたちの保護者の方からはどんな声がありますか?

山本:
「うちの子がこんなに勉強に取り組むようになるなんて」、という声はよく聞きます。

また、「よく話すようになった」とおっしゃいますね。

――話すように?

山本:
そうなんです。学ぶことが楽しいから、教室であったことをすごく話すんです。「今日何つくったの?」「自動ドアつくったよ。どうやって開くか知ってる?」というように。

よく、「塾どうだった?」と聞くと「普通」なんて返事をしている子も多いのですが、プログラミングが終わったあとは、本当によく話します。親子のコミュニケーションのきっかけにもなっているなと感じます。

プログラミング学習は勉強が嫌いな子にこそオススメ!?

――プログラミング学習は何年生くらいから始められるのでしょうか?

山本:
「もののしくみ研究室」は、今は小学3年生からです。小数点とか角度を使うので。

ですが、蓋を開けてみると、1年生の希望者が多かったので、1年生教室をつくっているところもあります。つまり、プログラミング学習自体は、何年生から始めても問題ありません。

――どんな子にオススメでしょう?

山本:
勉強嫌いな子に絶対オススメです。本当に変わります。

机に向かう態度がすごく変わるんです。いつもの授業では集中力がなくて、おしゃべりをする、寝てしまう。そんな子が、ずっと座って集中して取り組んでいるんです。

――どうしてなんでしょうか?

山本:
面白いからですね。普段、勉強ってドリルなどでも間違えるとバツがつきますよね。子どもは間違えちゃいけないと思うから、委縮してしまったり、カンニングしてしまったり。

でも、プログラミングは間違えたら直せばいいだけ。ブロックや数値を入れ替えて、試行錯誤すればいつかは必ずできるようになる。だから、子どもは怖くないんです。

学校でも授業をやってみたことがありますが、ほぼ100%の子が喜んで取り組みます。

ああでもない、こうでもないと、みんなでわいわいしゃべりながら。すごく楽しそうな顔をしています。そんなおしゃべりは認めます(笑)。

――子どもに勧めるときに、どんな風に声かけしてみたらいいでしょうか?

山本:
とにかく面白いということを伝えてください。プログラミングといっても、なかなか子どもはイメージできないと思うので、例えば「ゲームがつくれるらしいよ」とか「ゲームより面白いよ」とかでしょうか。

今後のプログラミング教育について

――ありがとうございます。最後に、今後のプログラミング学習について教えてください。

山本:
文部科学省が11月9日に「プログラミング教育、プログラミング的思考はこういうこと」ということを発表しました。

いろいろと解釈はありますが、簡単に言うと、「自分が意図する活動の実現に必要な動きの要素を組み合わせること、また、それをどのように改善すれば意図した活動により近づくのか」を論理的に考え実現するということ。学校での目標をどうすれば達成できるかを考えましょうということです。コーディングの出来に対する評価はしないようです。

プログラミング学習は、あくまでも考え方を身につけるものです。社会に興味を持ち、勉強好きになり、これから生きていくために必要な論理的思考力や創造力を身につけるためのものなのです。

――プログラミングに興味を持った保護者の方に、一言お願いします!

山本:
これからのすべての子どもたちに必要とされる力を育むために、プログラミングは最適なツールだと思います。

「プログラミング」と聞くと身構えてしまうかもしれませんが、おそらく、イメージを覆されると思います。1回体験してみてください!

――ありがとうございました!

◆編集後記◆

 いかがでしたか?
 プログラミング学習がきっかけで、勉強が好きになったり、親子の会話が増えたりするのは意外なことでしたが、そうなったらとても嬉しいことですよね!
 少しでもプログラミング学習のイメージをつかんでいただければ嬉しいです。

 お話を伺った山本さんは、普段はロボットプログラミング講座の教材、科学実験講座などの販売・営業・企画をしています。趣味はプロ野球観戦で、ヤクルトファン。シーズン中は月に1度は観戦しているとのこと。

 たくさんのためになるお話をありがとうございました!

インタビュー協力:学研エデュケーショナル コンテンツ事業室 営業促進課 課長 山本聡志さん

▼「もののしくみ研究室」の紹介ページはこちら
http://robot.gakken.jp/

 まずはプログラミングがどんなものか知りたい……そんな方は、学研図書ライブラリーで『はじめてのプログラミング』を読んでみてくださいね。

▼「学研図書ライブラリー」のご紹介はこちら
https://bpub.jp/gakken_tosho

▼書籍『はじめてのプログラミング』を試し読み
https://goo.gl/dTL5Wq

文:ハッケン!みっけ隊

※このコラムは、「ガッケン!ハッケン!学研ゼミ 保護者のよみもの ハッケン!みっけ!」に掲載されていたものです。

  • Facebook
  • LINE
  • Pinterest

あわせて読みたい