肩甲骨の使い方

金哲彦『正しく歩いて体をリセット 体幹ウォーキング』セレクション

更新日 2020.07.21
公開日 2017.11.06
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 体幹ウォーキングにおける3つのポイントの1つめの肩甲骨は、正しい姿勢をつくるうえでも、骨盤の動きを促すためにもとても重要な部位です。
 ところが、私が実施するランニングセミナーなどで「肩甲骨」の説明をすると、「肩甲骨の名前は聞いたことがあるのですが、それはどこにあるのですか?」
 という質問が出るくらい、体のどこにあるかわからない人が多いのが現実です。
 それもそのはず。肩甲骨は普段自分の目には触れない背中にあるので、意識することがほとんどないのです。

 肩甲骨は骨盤のように面を持ち、まるで羽根のような形をした骨ですが、それ単体で動くことはありません。肩の周辺にある上腕骨(じょうわんこつ)や鎖骨(さこつ)と連動して、複雑で細かい腕の動作や上半身のダイナミックな動きを司っているのです。
 また、肩甲骨の動きには主に僧帽筋(そうぼうきん)、菱形筋(りょうけいきん)、肩甲挙筋(けんこうきょきん)などの筋肉が関わっています。ところが、生活習慣の影響で猫背や肩凝りがひどいと、それらの筋肉群がうまく働かなくなり肩甲骨の動きを妨げてしまいます。
 肩甲骨を動かす筋肉群に凝りがなく、ニュートラルな状態であれば、腕を後ろに引いたときに肩甲骨も同時に動きます。そして、上半身のダイナミックな動きを生み出すと共に、下半身にある骨盤に動きが連鎖していくのです。
 ところが、それらが凝っている場合は動きが悪くなり、体幹ウォーキングをしたくても、上半身と下半身の動きがギクシャクしてうまくいかなくなります。
 肩甲骨を動かすためには、何より肩甲骨周辺の筋肉がほぐれていることが前提です。そのためにも筋肉のストレッチをしっかりやっておくことが大切です。

 肩甲骨周辺に効果的な上半身のストレッチをやって、筋肉をほぐしていきましょう。

(※この連載は、毎週月曜日・全8回掲載です。次回は11月13日掲載予定です。)

 

金 哲彦 (きん てつひこ)

NPO法人ニッポンランナーズ理事長。

1964年、福岡県北九州市に生まれる。早稲田大学時代は、名将・中村清監督の下、箱根駅伝で4年連続山登り5区を担当。区間賞を2度獲得するなど、早稲田の2連覇に貢献する。
1986年、リクルートに入社し、ランニングクラブを創設。87年大分毎日マラソンで3位、89年東京国際マラソン3位など選手として活躍。
1992年、同クラブのコーチとなり、小出義雄監督とともに有森裕子、高橋尚子などトップアスリートの強化に励む。1995年、監督に就任。
2002年、NPO法人ニッポンランナーズを創設。オリンピック選手から市民ランナーまで、幅広い層から支持を集めるプロ・ランニングコーチとして活躍するとともに、テレビやラジオのマラソン・駅伝・陸上競技中継の解説者としてもおなじみ。

ランニングやウォーキングを通した健康維持に関する講演も多数行う。

■NPO法人ニッポンランナーズ

http://www.nipponrunners.or.jp/

 

作品紹介

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