丹田を意識する

金哲彦『正しく歩いて体をリセット 体幹ウォーキング』セレクション

更新日 2020.07.21
公開日 2017.11.20
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 前回、前々回に続いて、ポイントの3つめ丹田についてです。
 ここでいう「丹田」とは東洋医学でいう臍下(せいか)丹田ことです。2本の脚で立つ人間の重心位置を指します。
 体全体のバランスからくる重心の位置なので、骨格や筋肉のように人体解剖図で説明することはできませんが、場所はヘソの下の位置、と考えてください。
 体幹ウォーキングのときは、丹田をうまく意識できると腹筋群がしっかり働き、着地の際に重力による衝撃を支えてくれて体軸が安定します。
 また、丹田を意識するタイミングは、“常に”ではなく、片足で着地して体を支えている瞬間だけで構いません。
 ただし、猫背姿勢など間違った姿勢では、丹田を意識することが難しくなります。
 それだけでなく、膝や腰に着地衝撃がダイレクトにかかります。そのため、体が重く感じるだけでなく、膝関節などに痛みが生じることもあります。
 歩きながら丹田を意識することは、慣れないと難しいかもしれません。その場合は、歩き出す前に次のようなルーティーンを行い、いちど丹田の意識をつくってから歩くといいでしょう。

①両足を平行にして立つ
②両手を腰にあて骨盤を立てる
③胸を開いて背筋を伸ばす
④肩を下げてリラックスする
⑤つま先寄りに少し体重をかける
⑥姿勢が崩れないようにヘソの下に手を当てる

 丹田周辺には腹直筋(ふくちょくきん)や腹斜筋(ふくしゃきん)、腹横筋(ふくおうきん)などの腹筋群がありますが、丹田を意識するとき、それらの筋肉に力を入れようとすると全身が力んでしまいます。「力を入れる」のではなく「自然に力が入る」感じになるのがベストです。

(※この連載は、毎週月曜日・全8回掲載です。次回は11月27日掲載予定です。)

 

金 哲彦 (きん てつひこ)

NPO法人ニッポンランナーズ理事長。

1964年、福岡県北九州市に生まれる。早稲田大学時代は、名将・中村清監督の下、箱根駅伝で4年連続山登り5区を担当。区間賞を2度獲得するなど、早稲田の2連覇に貢献する。
1986年、リクルートに入社し、ランニングクラブを創設。87年大分毎日マラソンで3位、89年東京国際マラソン3位など選手として活躍。
1992年、同クラブのコーチとなり、小出義雄監督とともに有森裕子、高橋尚子などトップアスリートの強化に励む。1995年、監督に就任。
2002年、NPO法人ニッポンランナーズを創設。オリンピック選手から市民ランナーまで、幅広い層から支持を集めるプロ・ランニングコーチとして活躍するとともに、テレビやラジオのマラソン・駅伝・陸上競技中継の解説者としてもおなじみ。

ランニングやウォーキングを通した健康維持に関する講演も多数行う。

■NPO法人ニッポンランナーズ

http://www.nipponrunners.or.jp/

 

作品紹介

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