体幹ウォーキングの基本のイメージ

金哲彦『正しく歩いて体をリセット 体幹ウォーキング』セレクション

更新日 2020.07.21
公開日 2017.10.30
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 今回から、「体幹ウォーキング」について、その基本的な考え方と具体的な方法を学んでいきます。
 体幹ウォーキングは、二足歩行で歩く人間の要である体幹の骨格、そして体の中でも最も大きな体幹の筋肉群を有効に使うウォーキング法です。
 誰にもでもできる方法ですが、普段から猫背姿勢の人などが体幹ウォーキングを実践しようとして、最初はうまくいかないことがあります。
 しかし、ひとつひとつの基本を理解し、丹念に時間をかけて実行していくことで、頭の理解ではなく「体」が自然に覚えます。そして、最終的には体幹ウォーキングがいちばん楽な歩き方だと感じられるようになります。チャレンジしてみてください。
 
 体幹ウォーキングを始めるときは、次の順番で行ってください。
 まずは、正しく立つ姿勢を作ることからスタートしましょう。

①できるだけ左右の足を平行にして立ち、腰に手を当てて骨盤を立たせます。
②背中の肩甲骨を寄せて、胸を開きます。
③その場で軽く腕を振ってみましょう。
 体幹ウォーキングの腕振りで大切なのは、肩甲骨を動かすことです。
 また、腕は前に出す動作は大きくせず、後ろに引く方を強めに意識しましょう。手は軽く握るくらいが、肩の力みがなくなります。
 以上の準備ができたら、前に進みましょう。
④視線は下に落とさずに、少し遠くを見るようにします。
⑤肩甲骨が動くように腕を後ろに引くと、それに連動して骨盤が動き出します。
⑥脚は、鼠蹊部(そけいぶ/脚の付け根)からではなく、骨盤から前に出るように心がけます。
 骨盤から脚が前に出るようになれば、上半身はその動きに伴って前に平行移動します。
⑦ 着地はできるだけ重心の真下になるように心がけましょう。
 地面との接地が踵かかとからなのか、拇指球(ぼしきゅう/親指の付け根のふくらんだ部分)からなのかということは、あまり意識しなくても問題ありません。
 大切なのは、着地した足に上半身がしっかり乗り込むというイメージです。
 後ろに残った足で、地面を強く蹴り出す必要はありません。着地した足に体重全体が乗っていけば、あまり力を使わなくても、体はスイスイ前に進んでいきます。

 以上のプロセスが、体幹ウォーキングの基本です。
 細部の動きがうまくできなくても心配はいりません。
 まずは頭の中に全体のイメージをつくり元気よく歩いていけば、必ず身についていきます。

(※この連載は、毎週月曜日・全8回掲載です。次回は11月6日掲載予定です。)

 

金 哲彦 (きん てつひこ)

NPO法人ニッポンランナーズ理事長。

1964年、福岡県北九州市に生まれる。早稲田大学時代は、名将・中村清監督の下、箱根駅伝で4年連続山登り5区を担当。区間賞を2度獲得するなど、早稲田の2連覇に貢献する。
1986年、リクルートに入社し、ランニングクラブを創設。87年大分毎日マラソンで3位、89年東京国際マラソン3位など選手として活躍。
1992年、同クラブのコーチとなり、小出義雄監督とともに有森裕子、高橋尚子などトップアスリートの強化に励む。1995年、監督に就任。
2002年、NPO法人ニッポンランナーズを創設。オリンピック選手から市民ランナーまで、幅広い層から支持を集めるプロ・ランニングコーチとして活躍するとともに、テレビやラジオのマラソン・駅伝・陸上競技中継の解説者としてもおなじみ。

ランニングやウォーキングを通した健康維持に関する講演も多数行う。

■NPO法人ニッポンランナーズ

http://www.nipponrunners.or.jp/

 

作品紹介

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