起業してから２年、私は、ますます自分らしく過ごせているな、と感じます。
　それには、理由があります。

　自分は、ありのままで価値がある。
　
　このスタンスを、２年間、ずっと大切にしてきたからです。
　自分の価値、という点において、まったくブレることがなかった。これが、自分らしく過ごせてきた一番の理由なのです。
　もともと、こういうスタンスだったわけではありません。
　以前の私は、「正社員で働いている、立派な社会人」「家事をきちんとしている、いい妻」「誕生日をちゃんとお祝いできる、いい友だち」というふうに、自分の価値を測ろうとしていました。
　つまり、条件つきの価値。自分が「何かをしたか」「何ができているか」によって、自分の価値が変わると思っていました。
　裏を返せば、自分のしていることに自信がなかった、ということ。
　だから、何かをするたび、周囲の人たちの反応を見ていました。そして、受け入れてもらったと実感してやっと、「よかった、私、大丈夫」と確認していたのです。

　でも、これではいつまでたっても不安は消えません。
「条件つきの価値」は、その条件がなくなったら崩れ去ってしまいます。当然、条件をどんどん更新していくことに追われます。心の中は、「認められたい」「そして自分の価値を確認したい」という思いでいっぱい、いっぱい。
　しだいに、虚しくなっていきました。
　次はこれ、次はあれ、そうやって、どんどん条件を足していかなくては、自分の価値は保たれないの……？　そんなの、なんだかおかしい。
　そう気づいたのです。
　だから、「条件つきの価値」にしがみつくことや、周囲の反応に一喜一憂し、それによって自分の価値を測るのを、やめました。
　やっと腑に落ちた私は、自分の気持ちを優先して行動するように変えました。

　今、これができるから、価値がある。
　将来、あれができるようになったら、価値が上がる。
　あなたも、こんなふうに、自分の価値を測ろうとしていませんか？
「条件つきの価値」は、「条件」という狭い枠に、自分を閉じ込めてしまうものです。自ら一番輝けない道を選ぶことです。
　本当は誰もが、もっともっと大きくて深くて、輝かしい存在なのに……。
　条件などという尺度に収まらないくらい、素晴らしい価値があるのが、あなたです。
　何をするか、何ができるかに関係なく、生まれた瞬間から。
　そう、誰もが、今、ここにいるだけ、ありのままで、存在価値があるのです。

「私は私」
　これが、何より強いもの。
　自分にしかないものがあるし、自分だからこそ、価値がある。
　そう心から思えることが一番の自信となって、素直に自分を表現したり、自分の気持ちに素直に行動したり、臆せずどんどんチャレンジしたり、できるようになるのです。
　そして、この姿勢こそが、周囲の心を動かします。

　いつまでも「条件つきの価値」にとらわれ続けるのは、やめよう。
　誰かの機嫌をとる前に、自分の機嫌をとろう。
　もっと自由に、生きやすくなろう♡

（※この連載は、毎週木曜日・全8回掲載予定です。5回目の次回は6月8日掲載予定です。）

水原 ゆり (みずはら ゆり)